土壌改良(どじょうかいりょう)

土壌改良
土壌改良(畑に籾殻)

土壌改良とは

土壌改良(どじょうかいりょう)とは、作物の生育や農作業上の問題となっている土壌条件を把握し、目的に応じて土壌の物理性・化学性・生物性を改善することです。

土壌改良は、土壌改良資材を投入する作業だけを指すものではありません。
排水設備の整備、耕起方法の変更、心土破砕、深耕、有機質資材の施用、酸度や施肥管理の見直しなど、原因に応じて方法を選びます。

「土が悪いから何かを入れる」という判断は避けます。
まず何が問題なのかを確認します。

土壌改良と土づくり

「土壌改良」と「土づくり」は近い意味で使われますが、完全な同義語として扱う必要はありません。

土壌改良は、排水不良、土壌の緻密化、酸度の不適正、養分の過不足など、具体的な問題に対して土壌条件を改善する行為を表します。
「土づくり」は、土壌の物理性・化学性・生物性を長期的に管理し、圃場の生産力を維持・向上させる、より広い意味で使われます。

最初に土壌の問題を特定する

例えば、施設栽培で生育が悪くなったからといって、有機質資材や肥料を追加すれば改善するとは限りません。
土壌中に肥料成分が蓄積し、ECが高くなっている圃場では、さらに資材を投入すると症状を悪化させることがあります。

排水不良、過乾燥、土壌の硬さ、酸度、塩類集積、養分の過不足では必要な対策がそれぞれ異なります。
土壌診断だけでなく、圃場の排水状態や土壌断面、根の分布も確認します。

土壌の物理性を改善する

土壌の物理性には、土の硬さ、土壌構造、孔隙、透水性、保水性などが関係します。
作物の根が伸びる空間、水と空気の移動、農機の作業性にも影響します。

締まった下層が根や水の移動を妨げている場合には、心土破砕やサブソイラーの利用を検討します。
地下水位や余剰水が問題なら、暗渠排水などの排水対策が必要になる場合があります。

有機質資材を施用して土壌構造の維持・改善を図る方法もあります。
効果は資材の種類、施用量、土質、分解程度などで異なります。

粘土質土壌へ砂を混ぜればよいとは限らない

土性は、砂・シルト・粘土など土壌粒子の割合によって決まります。
圃場規模で土性そのものを大きく変えるには大量の資材が必要です。

粘土質だからという理由だけで少量の砂を混ぜても、目的とする排水改善が得られるとは限りません。
排水不良では、土壌構造、緻密層、地下水位、排水路なども確認します。

土壌の化学性を改善する

土壌の化学性では、土壌酸度(pH)、EC、CEC、交換性塩基、リン酸などの養分状態を確認します。

酸性だからといって、石灰質資材を一律に施用するのは適切ではありません。
適正なpHは作物によって異なり、必要な改良量も土壌の種類、CEC、緩衝能、作土深などで変わります。

pHを必要以上に上げると、微量要素などが利用されにくくなる場合があります。
土壌診断結果と対象作物を確認して施用量を決めます。

養分を追加することだけが土壌改良ではない

施肥は、作物へ必要な養分を供給するために肥料を施す作業です。
土壌改良は、土壌そのものの性質や根域環境を改善することを目的とします。

両者は重なる場合がありますが、同じ意味ではありません。
養分がすでに蓄積している圃場では、肥料や養分を含む資材の追加を減らすことが土壌管理になる場合もあります。

土壌の生物性を考える

土壌には細菌、菌類、土壌動物など多様な生物が存在し、有機物の分解や養分循環などに関わっています。
有機質資材の施用や作物残さの管理などによって、土壌生物の環境は変化します。

「微生物を増やせば土が良くなる」と単純には判断できません。
土壌中の微生物には非常に多くの種類があり、増加そのものを土壌改良の目標にはできません。

土壌生物の働きだけでなく、土壌水分、温度、pH、酸素、投入する有機物の種類などを含めて考えます。

土壌改良資材とは

土壌改良材・土壌改良剤は、土壌へ施用して、保水性、透水性、保肥力、団粒形成など特定の土壌性質を変化させるために使用される資材です。

製品によって目的は異なります。
「土壌改良材」と書かれているだけで、排水性・保水性・pH・保肥力のすべてが改善するわけではありません。

地力増進法では、一部の土壌改良資材について品質表示基準が定められています。
製品を選ぶときは、原料、用途、主たる効果、標準施用量、施用上の注意を確認します。

過剰な土壌改良にも注意する

資材は多く入れればよいものではありません。
有機質資材でも養分を含むものがあり、連用や過剰施用によってリン酸やカリウムなどが蓄積する場合があります。

石灰質資材の過剰施用ではpHや塩基バランスが変化します。
保水性を高める資材を多く入れれば、条件によっては過湿側へ傾くこともあります。

改良したい性質と、資材の主作用を合わせます。

土壌改良の進め方

  1. 症状を確認する:生育、根、排水、土壌の硬さなどを観察する
  2. 原因を調べる:土壌診断、土壌断面、排水経路などを確認する
  3. 改善目標を決める:pH、EC、排水、緻密層など対象を絞る
  4. 方法を選ぶ:資材施用、耕起、排水対策などから選択する
  5. 施工後を確認する:再分析や生育観察で効果と副作用を確認する

原因が分からない状態では、適切な土壌改良方法も決められません。
資材選定を先にしないでください。

関連する資材分類・農業用語

見つからない用語・製品の登録をリクエスト

個人情報の入力は不要です。掲載してほしい名称だけをお知らせください。

登録を希望する情報の種類

最近対応したリクエスト

  • 用語 鉢 掲載しました
  • 用語 がく 既存用語「萼」を再監修致しました
  • 用語 休眠解除 掲載しました