深耕(しんこう)

深耕(しんこう)
深耕(しんこう)とは、農地を通常よりも深く耕す作業のこと。

深耕(しんこう)とは、通常15〜20cm程度の耕起(こうき)深度をさらに深く掘り下げ、30〜40cm、場合によってはそれ以上の深さまで土を耕す農業技術を指します。特にプラウサブソイラーといった深耕用農機具が使用され、トラクターに接続して広範囲の耕起作業が行われます。

深耕は土壌の通気性排水性を改善し、また根の発達を促すことによって作物の健全な成長を支える技術です。深く耕すことで、水はけの悪い水田や湿気のこもりやすい茶畑などでも生育環境の改善が図られます。

また、堆肥(たいひ)や有機資材との組み合わせによって土壌改良効果も期待されるため、特に根の張りが深く広い作物で成果を上げています。

同意語としては「深耕起(しんこうき)」があります。

深耕の概要

深耕は、従来のロータリー耕による浅い耕起に比べ、作物が根を深く張るための土壌環境を整えるために行います。

通常、ロータリー耕では15〜20cm程度の深さしか耕せませんが、深耕では30〜40cmまで耕すことで、硬盤層(こうばんそう)と呼ばれる下層の固い土の層を破砕し、水分や空気、肥料の浸透性を高めます。

深耕の詳細説明

  • 全面深耕
    畑全体を均一に深く耕す方法で、通気性や排水性、根の伸長に効果的です。新規開墾地や長年浅耕のみを行ってきた圃場に適しています。

  • 部分深耕
    水はけの悪い一部や、生育不良の箇所だけを選んで深く耕す方法です。局所的な改善が目的で、コストも抑えられます。

  • 段階的深耕
    一度に深く耕さず、数回に分けて徐々に深くしていく手法です。土壌構造への影響を最小限に抑えながら、深耕の効果を得られます。

深耕の役目

  • 根の発育促進
    深く耕すことで根の可動域が広がり、深層にある水分や養分の吸収が可能になります。

  • 水はけ・水持ちの改善
    排水不良による湿害の軽減と、乾燥時の保水力強化という相反する効果が得られます。

  • 土壌の通気性向上
    酸素が供給されやすくなり、根の呼吸と微生物活動が活発化します。

  • 堆肥の浸透促進
    表層施用した堆肥や有機物が土中深くまで混ざり、土壌環境の改善につながります。

深耕の課題と対策

  • 労力と機械コスト
    深耕にはサブソイラー深耕ロータリーなど専用の機械が必要で、燃料消費も大きく、作業時間も長くなります。
    対策:地域の農業機械共同利用組合や市町村の補助金制度を活用し、レンタルや共同利用で負担を分散させる工夫が必要です。

  • 土壌構造の破壊
    無計画な深耕は団粒構造を壊してしまい、かえって排水不良や表層流を招くことがあります。
    対策段階的深耕を取り入れたり、作物の収穫サイクルに合わせて数年に1回の頻度で実施することで、負荷を減らします。

  • 時期選定の難しさ
    過湿状態や乾燥状態では深耕効果が十分に得られない場合があります。
    対策:天候や土壌水分を観察し、排水直後の適度な湿り具合の時期を見極めて作業する必要があります。
農材ドットコム SNSの告知
種苗、肥料、農業資材の取扱店。 営農アドバイスも受けれます。
新規CTA
大和鋼管のお値打ちパイプ
【無償掲載キャンペーン】農材ドットコムに貴社の商品情報を掲載!!
猛暑対策、台風に負けないハウス、コスパに優れたハウス、中古ビニールハウス、雪に負けないハウス、おすすめ農業資材
新規CTA
新規CTA
TOP