農ポリ・マルチ・果樹用マルチとは
農ポリ・マルチ・果樹用マルチでは、
トンネル被覆などに使用する農業用ポリエチレンフィルム、
畝や地表面を覆うマルチ資材、
果樹園で反射・水分管理・防草などに使用するシート類を紹介しています。
名称や外観が似た資材でも、目的と性能は同じではありません。
農ポリは主にフィルムの材質・製品区分、
マルチは地表面を被覆する栽培方法・資材、
果樹用マルチは果樹栽培向けに機能を持たせたシート類として区別すると分かりやすくなります。
農ポリ
農ポリは、主に
ポリエチレン(PE)を原料とする農業用フィルムです。
軽量で取り扱いやすく、小型トンネルなどの簡易被覆に広く使用されています。
「農ポリ=保温資材」と限定するのは正確ではありません。
フィルムを被覆することで風や降雨の影響を軽減し、
トンネル栽培内の温度環境を調整するほか、
製品によって透明、着色、反射、換気孔付きなどの違いがあります。
使用目的に応じて厚さ、幅、光学特性、加工の有無を確認します。
マルチ
農業でいうマルチ(マルチング)とは、
畝や作物周辺の地表面をフィルム、紙、有機物などで覆う栽培方法です。
農業用フィルムを使用するものはマルチフィルムとも呼ばれます。
目的は一つではありません。
遮光による雑草抑制、地温の調整、土壌表面からの水分蒸発の抑制、
泥はねの軽減などが代表的ですが、
実際の作用は色、反射率、光透過性、材質、厚さ、栽培時期によって変わります。
例えば透明マルチは地温を上昇させやすい反面、光を透過するため雑草抑制には向きません。
黒マルチは遮光による雑草抑制に適します。
白黒マルチや銀色系マルチは光を反射する性質を利用します。
色だけで性能を決めつけないでください。
製品ごとの仕様確認が必要です。
果樹用マルチ
果樹用マルチは、果樹園の樹冠下や根域周辺などへ敷設するシート類です。
白色・銀色などの反射性を利用して果実周辺の光環境を改善するもの、
降雨の根域への侵入を抑えて土壌水分を調整するもの、
防草や地表面管理を目的とするものなどがあります。
反射マルチでは、リンゴ、ブドウ、カンキツなどで着色改善を目的に使用される場合があります。
カンキツでは、透湿性シートなどで降雨の影響を抑え、
適度な水分ストレスを与えることで果実品質の向上を狙う栽培方法もあります。
敷設すれば必ず着色や糖度が向上するわけではありません。
樹種・品種、樹冠の状態、日射、降雨、土壌排水性、敷設時期、
灌水管理などによって結果は変わります。
過度な乾燥は果実肥大の低下、酸高、小玉化、樹勢低下につながる場合もあります。
選定時に確認したい点
マルチや農ポリは、「透明・黒・銀」といった色だけで選定すると失敗します。
作物、栽培時期、必要な地温、雑草抑制の必要性、反射性能、
耐候性、敷設・回収方法まで確認して選びます。
ポリエチレン製などの農業用プラスチックは、
使用後の回収・処理まで含めて資材選定を考える必要があります。
農業生産から排出される使用済みプラスチックは適正な処理が必要です。
生分解性マルチは回収作業を省略できる場合がありますが、
使用期間や分解速度は製品と圃場条件によって異なります。