果樹用 樹脂織物タイプとは
果樹用の樹脂織物タイプとは、
ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などの
合成樹脂を糸・テープ状にして織ったシートを、
果樹園の地表に敷設して利用する資材です。
果樹用では白色や高反射性を持たせた製品があり、
太陽光を地表から反射させることで、
樹冠内部や果実の下側など、直接光が届きにくい部分へ光を補う目的で使用されます。
リンゴ、モモ、ブドウ、カンキツ、サクランボなどで、
果実の着色補助や園内の光環境改善を目的として利用されるほか、
防草機能を兼ねた製品もあります。
農業上はマルチや反射シート、
反射マルチなどとして扱われますが、
一般的な薄いマルチフィルムとは構造が異なります。
光を反射して果実周辺の光環境を改善する
白色などの高反射タイプを地表に敷くと、
樹冠を通過した太陽光や地表へ到達した光の一部が上方向へ反射します。
これにより、
果実の下側や樹冠内部へ届く光を増やし、
着色を補助することがあります。
反射光が葉へ届けば、
条件によっては光合成に利用される光を補うことにもつながります。
反射シートを敷けば、必ず糖度や収量が上がるわけではありません。
効果は作物・品種、日射条件、樹冠の状態、着果量、
設置時期、敷設面積、反射性能などによって変わります。
着果過多や樹冠内部の過繁茂など、
光環境以外に着色を制限している要因が大きい場合は、
反射資材だけで改善することはできません。
樹脂織物タイプの強度と耐久性
樹脂製の糸やテープを縦横に織った構造は、
薄いフィルムだけで構成された資材と比べ、
引張りや繰り返しの取り扱いに配慮した製品をつくりやすい特徴があります。
果樹園では敷設、撤去、再展張を繰り返すことがあるため、
耐久性を重視する場合に選択肢となります。
「樹脂織物なら破れない」と考えるのは誤りです。
耐久性は樹脂の種類、糸の太さ、織密度、表面加工、
耐候処方、使用期間、紫外線量、摩耗などによって異なります。
石や枝などの突起物、固定部への荷重、
繰り返しの車輪通過などで損傷する場合もあります。
透水性と水管理は製品ごとに確認する
樹脂織物タイプには、
織り目から水を通す製品や、
水抜き穴を設けた有孔タイプがあります。
雨水を排出しやすく、
シート上に水がたまりにくい構造は、
露地果樹園で使用する際の利点になります。
ただし、
表面処理やラミネートなどによって水の通し方は異なります。
樹脂織物タイプだから透水性があるとは限りません。
また、
透水性のある反射シートと、
降雨を遮って土壌水分を制御する目的の果樹用マルチは、
同じ考え方では選定できません。
水分ストレスを利用した品質管理を目的とする場合は、
反射性能だけでなく、
透水・防水性能と灌水方法を確認します。
果樹用反射シートを選ぶときの確認点
最初に、
果実の着色補助を優先するのか、
防草を兼ねるのか、
水管理まで行うのかを分けて考えます。
反射性能の高い資材でも、
泥や落葉などで表面が汚れると反射性能を十分に利用できません。
表裏で性能が異なる製品もあります。
指定された面を上にして敷設してください。
風でめくれると、
反射効果が不安定になるだけでなく、
シートや固定部を損傷する原因になります。
端部と継ぎ目は使用する製品に適した方法で固定します。
使用後に再利用する製品では、
泥や有機物を除き、
十分に乾燥させてから保管します。
樹脂織物タイプ(果樹用)取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名 | 材質・構造 | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|---|
| 萩原工業株式会社 | ターピー スノーテックスクロス(反射用・有孔) | ポリエチレン製クロス・有孔タイプ | ミクロボイドによる乱反射。果樹の着色補助、光環境改善。20cm間隔の水抜き穴を設けた有孔タイプで、繰り返し使用を想定した耐久性を持つ。 |
| 小泉製麻株式会社 | ルンルンシート 白ピカ | ポリプロピレン・ポリエチレン製織物 | 高反射性を持つ白色織物防草シート。光反射による果実の着色補助、シート周辺・地温の上昇抑制、防草に利用。織物構造で水が抜けやすい。 |
| 日本ワイドクロス株式会社 | アグリシート シャインホワイト(SW1515) | ポリプロピレン製織物 | 高反射剤を練り込んだ白色防草シート。メーカー公表反射率90%以上。果実の着色補助、防草、地温上昇抑制などに利用。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |