ポリエチレンとは
ポリエチレン(Polyethylene、PE)とは、エチレンを重合して作られる合成樹脂です。
軽量で耐水性があり、加工方法や種類によって柔軟なフィルムから比較的剛性の高いパイプまで、さまざまな製品に利用されています。
農業では、農業用ポリエチレンフィルム(農ポリ)、マルチフィルム、灌水用パイプ・チューブ、容器など幅広い資材に使用されています。
なお、ポリエチレンと「PEフィルム」は同義ではありません。
ポリエチレンは材料名であり、PEフィルムはポリエチレンをフィルム状に加工した製品の一つです。
ポリエチレンの主な種類
ポリエチレンには分子構造や密度などの違いによって複数の種類があり、代表的なものに低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)などがあります。
柔軟性、剛性、耐衝撃性、加工性などが異なるため、用途に応じた材料が使用されます。
実際の農業資材では、単一の樹脂だけでなく、複数の樹脂や添加剤を組み合わせて必要な性能を持たせる場合もあります。
農業での主な用途
農業用ポリエチレンフィルム(農ポリ)
農業用ポリエチレン(農ポリ)は、トンネル被覆、雨よけ、ハウス被覆、マルチなどに使用されるポリエチレン系フィルムです。
軽量で取り扱いやすく、用途に応じて透明、着色、孔あきなどさまざまな製品があります。
マルチフィルム
畝の表面を覆うマルチフィルムにもポリエチレン系材料が広く利用されています。
地温調節、土壌水分の蒸発抑制、雑草抑制など、製品の色や仕様によって目的が異なります。
灌水用パイプ・チューブ
ポリエチレンは、農業用配管や点滴灌水設備にも利用されています。
PE管は柔軟性があり、長距離配管や圃場内の灌水配管に使用されるほか、高密度ポリエチレンを使用した圧力管もあります。
ただし、ポリエチレン管はすべて同じ規格ではありません。
外径、肉厚、使用圧力、材質、接続方法などが製品によって異なるため、継手を選ぶ際は適合する規格を確認します。
その他の農業資材
肥料袋、包装材、タンク・容器、ネット、シート類などにも、用途に応じてポリエチレン系材料が使用されています。
クロスシートでは、
高密度ポリエチレン(HDPE)などをテープ状の糸(フラットヤーン)に加工して織った基布に、
ポリエチレン系樹脂をラミネートした製品があります。
使用する樹脂や構造は製品によって異なるため、「PE製」という表示だけで強度や耐候性を判断することはできません。
ポリエチレンの性質と注意点
- 軽量:金属などと比較して軽く、運搬や施工がしやすい材料です。
- 耐水性:水を吸収しにくく、フィルムや灌水配管などに利用されています。
- 耐薬品性:多くの薬品に対して比較的安定ですが、すべての薬品や条件に耐えるわけではありません。
- 柔軟性:種類や製品設計によって柔軟性を持たせることができます。
- 紫外線による劣化:屋外で長期間使用すると紫外線や熱などによって劣化するため、農業資材では安定剤などを配合した製品があります。
光線透過率や紫外線透過率は「ポリエチレンだから一定」とは限りません。
樹脂の種類、厚み、着色、添加剤、表面処理などによって異なるため、被覆資材では各製品の光学特性を確認します。
ポリエチレンと農ビ・農POの違い
ポリエチレンはポリオレフィン系樹脂の一種です。
農業現場では「ポリ」「ビニール」などの呼び方が混在することがありますが、資材名や材料構成は同じではありません。
- 農ポリ:主にポリエチレン系樹脂を使用した農業用フィルム。
- 農ビ:ポリ塩化ビニル(PVC)を主体とする農業用ビニールフィルム。
- 農PO:農業用ポリオレフィン系特殊フィルム。ポリエチレン単体を意味する名称ではありません。
同じ「農業用フィルム」でも、材料構成、耐久性、保温性、光学特性などが異なるため、用途に応じて選定します。
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