パイプ・継ぎ手・バルブ・水栓

パイプ・継ぎ手・バルブ・水栓

パイプ・継ぎ手・バルブ・水栓とは

パイプ・継ぎ手・バルブ・水栓は、農業用水を水源やポンプから圃場・施設内へ送り、分岐・開閉・流量調整などを行う灌水(かん水)設備の基本部材です。

施設園芸や露地栽培では、硬質塩化ビニル管(塩ビ管)、ポリエチレン(PE)管、ホースなどを用途に応じて使い分け、ソケット、エルボ、チーズ、異径継手、ユニオンなどで接続します。
さらに、ボールバルブ、ゲートバルブ、バタフライバルブ、逆止弁、空気弁、圧力制御弁などを組み合わせて灌水系統を構成します。

配管部材は「口径が合えば使用できる」とは限りません。
使用圧力、流量、接続規格、管の外径、ねじ規格、使用流体、温度、耐薬品性などが適合していることを確認する必要があります。

パイプ・継ぎ手・バルブ・水栓取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名特徴
株式会社イーエス・ウォーターネットポリエチレンパイプ・樹脂製継手ISO規格PE管、圧縮式樹脂継手、ソケット、エルボ、チーズ、サドル、エンドキャップなど
株式会社イーエス・ウォーターネットホース用カップラー・樹脂製ワンタッチ継手ラビット・クイックカップラー、ニューカップラー、町の式カップラーなど
株式会社イーエス・ウォーターネット空気弁農業用配管の吸気・排気に使用する各種空気弁
株式会社イーエス・ウォーターネット取水バルブ回転式バルブ、固定式バルブ、取水曲管など
株式会社イーエス・ウォーターネット自動メタリングバルブ 900シリーズ設定した通水量を計量して自動閉止する農業用メタリングバルブ
株式会社イーエス・ウォーターネット制御弁(コントロールバルブ)圧力制御弁、樹脂製緩動弁など農業用水・灌水設備向け制御弁
株式会社イーエス・ウォーターネットGHM 自動定圧定流量かんがい専用分水栓農業用水の取水栓・取水管などで構成する定圧・定流量型分水設備
株式会社クボタケミックス農業用パイプ・継手・樹脂製バルブ塩ビパイプ、TS・SGR・HI継手、樹脂製バルブ、圧力用高密度ポリエチレン管など
積水化学工業株式会社農業用エスロンパイプ VP・VU・VM農業用硬質ポリ塩化ビニル管。圃場整備、農業用水、スプリンクラー配管などに対応
積水化学工業株式会社エスロンTS継手ソケット、エルボ、チーズ、径違い継手、バルブソケットなどの塩ビ管用継手
旭有機材株式会社農業用水用パイプ・継手・バルブ農業用水用ビニルパイプ、TS・RR継手、自動給水栓、アングルバルブ、ゲート・バタフライ・ボールバルブなど
旭有機材株式会社水道用・農業用バルブ農業用空気弁、自動給水栓、アルファルファーバルブ、自由型アングルバルブなど
ネタフィムジャパン株式会社フレキシブルパイプ・PEパイプ精密灌水システム向けのPE管・フレキシブル配管
ネタフィムジャパン株式会社灌水用コネクター・アクセサリー点滴灌水・施設園芸などの灌水配管用コネクター
ネタフィムジャパン株式会社灌水用バルブ灌水システムの流量・圧力管理や自動制御に使用する各種バルブ
株式会社サンホープポリエチレンパイプ・灌水配管部材施設園芸・露地の点滴灌水向けPEパイプ、継手、バルブなど

農業用配管に使われる主なパイプ

硬質塩化ビニル管(塩ビ管)

硬質塩化ビニル管は、軽量で腐食しにくく、接着接合ができるため、農業用水や施設園芸の固定配管に広く使用されています。
VP、VU、VM、HI-VPなど複数の管種があり、使用できる圧力や継手、接合方法は製品によって異なります。

特に注意したいのが、管の名称だけで圧力用途を判断しないことです。
圧送配管では、使用する管・継手・接合方法についてメーカーが定める使用圧力または設計圧力を確認します。
ポンプ停止やバルブの急閉によって発生する水撃圧(ウォーターハンマー)も考慮する必要があります。

ポリエチレン(PE)管

ポリエチレンを使用した配管は、柔軟性があり、長い距離を比較的少ない継手で敷設できるため、露地圃場や点滴灌水設備などで利用されています。

圧縮式継手、差込式継手、電気融着(EF)など、製品によって接合方式が異なります。
同じ「20mm」「25mm」などの表示でも、管の外径や規格が異なる製品があるため、呼び径だけで継手を選定してはいけません。
必ず使用するパイプと適合する継手を確認します。

フラットホース・軟質配管

露地灌水や点滴灌水では、収納や移動が容易なフラットホースや軟質配管を幹線・支線として利用する場合があります。
製品ごとに最高使用圧力、接続方法、紫外線への耐久性などが異なるため、常設・季節使用などの使用条件に合わせて選定します。

主な継ぎ手の種類

  • ソケット:同径のパイプ同士を直線状に接続します。
  • 異径ソケット:異なる口径の配管を接続します。
  • エルボ:配管方向を曲げるための継手です。
  • チーズ:配管をT字形に分岐させます。
  • バルブソケット・ねじアダプター:塩ビ管やPE管などとねじ接続機器を接続します。
  • ユニオン:配管を切断せず、機器や配管の一部を取り外しやすくする継手です。
  • フランジ:ボルト締結によって配管やバルブ、ポンプなどを接続します。
  • サドル:主管から枝管を取り出すために使用します。

主なバルブ・水栓の種類

ボールバルブ

内部の球状弁体を回転させて流路を開閉します。
比較的操作が容易で、灌水配管の系統開閉などに広く使用されています。

ゲートバルブ・仕切弁

弁体を上下させて流路を開閉します。
全開時の圧力損失を小さくしやすい方式ですが、一般に流量を細かく調整する目的より、全開・全閉用途に適しています。

バタフライバルブ

円板状の弁体を回転させて開閉する方式です。
比較的大口径の配管にも使用され、製品によっては開度を段階的に調整できます。

逆止弁(チェックバルブ)

水を一方向だけに流し、逆流を防止するためのバルブです。
ポンプ設備や液肥混入器を含む配管では、設備構成に応じて逆流防止を検討します。

圧力制御弁・減圧弁

下流側の圧力を調整するために使用します。
点滴灌水やスプリンクラーなど、適正使用圧力が定められている灌水資材では、圧力管理が散水量や均一性に影響します。

空気弁

配管への空気の流入・排出を行う弁です。
長距離配管や高低差のある配管では、配管内に空気が滞留すると通水能力の低下や圧力変動の原因になることがあります。
また、排水時の負圧を防ぐ目的で使用される場合があります。

取水バルブ・分水栓

主管から灌水ラインや移動式散水設備へ取水するために使用します。
畑地灌漑では、圃場内に複数の取水地点を設ける構成もあります。

パイプ・継ぎ手・バルブを選ぶ重要なポイント

使用圧力を確認する

ポンプの吐出圧だけでなく、高低差による静水圧、バルブ開閉時の水撃圧などを含め、配管に加わる最大圧力を考慮します。

パイプが圧力に耐えられても、継手やバルブの許容圧力が低ければ、その部品が設備全体の使用条件を制限します。

必要流量と圧力損失を確認する

配管径が小さいまま流量を増やすと、配管内の流速が上がり、圧力損失も大きくなります。
長距離配管では、主管、支管、バルブ、フィルターなどを含めた圧力損失を考慮し、末端の灌水資材に必要な圧力を確保します。

パイプと継手の規格を合わせる

同じ呼び径であっても、製品規格によって実際の外径、肉厚、接続方式が異なる場合があります。
特に国産配管材と海外製灌水資材、異なるメーカーのPE管と継手を組み合わせる場合は適合確認が必要です。

ねじ規格を確認する

国内の配管では、管用テーパねじのR、Rc、Rpなどが使用され、旧来のPT表記も現場では見られます。
一方、輸入製品ではNPTなど異なるねじ規格が使用されることがあります。

呼び径が同じでも、異なるねじ規格を無理に接続してはいけません。
ねじ山を損傷したり、十分なねじ込み長さが得られず漏水する原因になります。

使用する液体と材質を確認する

清水だけでなく、液肥や培養液を流す設備では、パイプだけでなくバルブ本体、シール、Oリング、ダイヤフラムなどの接液材質を確認します。

「樹脂製だから薬品に強い」と一括して判断することはできません。
肥料や薬液の種類、濃度、pH、温度によって適合性が異なるため、メーカーの耐薬品表などで確認します。

ウォーターハンマーを考慮する

大流量の配管でバルブを急閉したり、ポンプが急停止したりすると、配管内に急激な圧力変動が発生する場合があります。
これをウォーターハンマー(水撃)と呼びます。

長距離配管、大流量、高圧設備では、管径、流速、バルブの閉止速度、ポンプ制御、空気弁などを含めて検討します。

屋外環境・凍結・熱伸縮を考慮する

露出配管は、直射日光、温度変化、凍結、農作業機械との接触などの影響を受けます。
塩ビ管などは温度変化によって伸縮するため、長い露出配管では固定方法や伸縮への配慮が必要です。

凍結地域では、配管内に水を残したまま凍結するとパイプ、バルブ、フィルターなどが破損することがあります。
水抜き方法や埋設深さを含めて計画します。

よくある配管選定の間違い

  • 「VU管はすべて無圧用」と一律に判断する:管・継手・用途によってメーカーが示す設計圧力が異なります。使用する製品の仕様で判断します。
  • 同じ20mm・25mmなら接続できると考える:実際の外径や接続規格が異なる場合があります。パイプと継手の適合表を確認します。
  • ねじが数山入ったので使用できると判断する:異なるねじ規格でも途中まで入る場合があります。漏水やねじ破損を防ぐため規格を確認します。
  • 主管と支管を同じ口径で統一する:必要流量や配管長によっては圧力損失が大きくなります。主管は設備全体の流量から決定します。
  • バルブの口径だけで選ぶ:バルブ形式によって流量特性や圧力損失が異なります。
  • 樹脂配管なら液肥や薬液にすべて耐えると考える:接液材質ごとに耐薬品性が異なります。
  • 接着直後に加圧する:塩ビ管の接着施工では、使用する接着剤や施工条件に従って養生したうえで通水・加圧します。
  • 長い露出配管を完全に固定する:温度変化による伸縮を考慮しない施工は、継手や配管へ負荷を与える場合があります。

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