土壌改良剤(土壌改良材・土壌改良資材)とは
土壌改良材・土壌改良剤とは、
作物を栽培する土壌の物理性、化学性、生物性などを改善する目的で使用する資材の総称として使われる名称です。
農業現場では「土壌改良材」「土壌改良剤」などの呼び方が使われますが、
地力増進法では「土壌改良資材」という名称が用いられています。
土壌改良の対象には、
排水性、通気性、保水性、保肥力、
土壌酸度(pH)、
土壌構造などがあります。
土壌改良材を施用すれば、どの圃場でも土壌が良くなるわけではありません。
現在の土壌に何が不足し、何が過剰なのかを確認したうえで資材を選びます。
農業用語:
土壌改良材・土壌改良剤
土壌改良の主な目的
物理性の改善
土壌の排水性、通気性、保水性、硬さ、
団粒構造
などを改善する目的で使用します。
例えば雨の後に長時間水が残る圃場では、
単に土壌改良材を投入するのではなく、
排水口、地下水位、
鋤床層、
心土
などを確認します。
緻密な層が排水を妨げている場合は、
心土破砕や
暗渠排水
などの対策が必要になることがあります。
排水不良は、資材投入だけでは直らない場合があります。
化学性の改善
土壌の
pH、
EC、
CEC
などに関係する性質を改善する目的で資材を使用することがあります。
ゼオライトなどは保肥力の改善、
石灰質資材などは酸性土壌の改良に利用されます。
石灰質資材は、
単純に「酸性だから多く入れる」という使い方はできません。
作物ごとに適するpHが異なり、
過剰施用するとpHが高くなりすぎたり、
一部の微量要素が利用されにくくなったりする場合があります。
土壌診断
の結果から施用量を判断します。
生物性に関係する改良
堆肥などの有機物や一部の微生物利用資材は、
土壌中の有機物循環や微生物環境に関係します。
微生物を含む資材であっても、
「有用微生物入り」という表示だけで土壌改良効果を判断することはできません。
原料、菌の種類、施用方法、対象作物、
試験条件などを確認します。
地力増進法で指定されている土壌改良資材
地力増進法では、
品質を適切に識別できるよう、
次の12種類が政令指定土壌改良資材として定められています。
- 泥炭
- バークたい肥
- 腐植酸質資材
- 木炭
- けいそう土焼成粒
- ゼオライト
- バーミキュライト
- パーライト
- ベントナイト
- VA菌根菌資材
- ポリエチレンイミン系資材
- ポリビニルアルコール系資材
これらについては、
種類ごとに原料、品質に関する項目、用途、施用方法などの表示基準が定められています。
「土壌改良材」と表示されているすべての製品が、この12種類に該当するわけではありません。
また、肥料と土壌改良資材は完全に別の区分ではなく、
肥料としての性質と土壌改良資材としての性質を併せ持つものもあります。
主な土壌改良資材と目的
ゼオライトは
CEC
が大きい鉱物で、
主に土壌の保肥力改善を目的として利用されます。
パーライトやバーミキュライトなどは、
種類や粒度によって保水性や透水性などの物理性改善に利用されます。
ベントナイトは吸水によって膨潤する粘土鉱物で、
水田の漏水防止などに利用されます。
木炭やバイオ炭には多孔質な資材がありますが、
原料や製造温度によって性質が異なります。
腐植酸質資材や有機物資材も、
製品によって組成や作用が異なります。
資材名だけで施用量や効果を決めないでください。
土壌改良材と肥料の違い
肥料の施用では、
植物への養分供給が主要な目的になります。
土壌改良では、
土壌そのものの物理性、化学性、生物性などを改善することが主な目的です。
実際の資材には、
養分を含みながら土壌改良作用も持つものがあります。
例えば堆肥や一部の腐植酸系資材では、
肥料としての性質と土づくり資材としての性質を明確に分離できない場合があります。
製品を「肥料か土壌改良材か」という名称だけで判断せず、
保証票、品質表示、成分、用途、施用量を確認します。
土壌改良材を選ぶ前に確認すること
土壌改良では、最初に
何を改善するのか
を決めます。
排水が悪いのか、
乾燥しやすいのか、
土が硬いのか、
pHが適正でないのか、
ECが高いのか、
保肥力が低いのかでは、
選択する対策が変わります。
例えば土壌が硬い場合でも、
有機物不足なのか、
大型機械による踏圧なのか、
同じ深さでの耕うんによって
鋤床層
が形成されているのかで対策は異なります。
症状ではなく、原因に対して改良します。
土壌断面の観察と
土壌診断
を組み合わせて判断すると、
不要な資材投入を減らせます。
土壌改良剤取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 株式会社誠和アグリカルチャ | トリプルBB ファーマーズサポートネット掲載 | 乳酸菌、納豆菌、酵母菌、廃糖蜜を使用した菌体資材。メーカーは土壌改良、肥料補助などの用途を案内しています。使用量・希釈方法は公式情報を確認して使用します。 |
| アンビアンインターナショナル株式会社 | コーンコブミラクル | トウモロコシの芯を炭化した資材。野菜、果樹、花き等向けの製品を展開しています。製品ごとに施用量が異なります。 |
| アグリック株式会社 | ケイントップ(SK土改剤) | サトウキビの葉を利用した有機質土壌改良材。土壌へのすき込みによる物理性改善などを目的として使用します。 |
| ブイエス科工株式会社 | VS34 | 国産バーミキュライトに放線菌、細菌、糸状菌、酵母などを培養した微生物利用土壌改良資材。施用条件や土壌消毒との間隔はメーカー情報を確認します。 |
| トヨタネ株式会社 | フレッシュサンソ粒剤 | 土壌への酸素供給を目的とする粒状土壌改良剤。メーカーでは果菜類、葉菜類、花き、水稲などの施用方法を設定しています。 |
| トヨタネ株式会社 | WHITEシリカ | ゼオライト系の土壌改良剤。保肥力や土壌物理性の改善を目的として使用され、粒径別に用途が設定されています。 |
| デンカアヅミン株式会社 | アヅミン | 腐植酸を含む腐植酸苦土肥料。肥料であると同時に土づくり用途でも利用される資材で、施用量は作物や土壌条件によって調整します。 |
| ジークライト株式会社 | スーパーZ・Z-13 | 天然ゼオライトを利用した農業用製品。地力増進法の政令指定土壌改良資材であるゼオライトとして、主に保肥力改善用途に利用されます。 |
| カサネン工業株式会社 | 農業用ベントナイト・土衛門 | ベントナイトを利用した農業用土壌改良資材。ベントナイトは吸水・膨潤性を持ち、水田の漏水防止などにも利用されます。 |
| 池澤加工株式会社 | くん炭ペレット | もみ殻くん炭を散布しやすい粒状に加工した農業用資材。2026年J-AGRIにも農業用資材として出展しています。 |
関連する資材分類・農業用語
- 肥料・土壌改良材・活性剤
- 有機質肥料
- バイオスティミュラント
- 土壌診断
- 土壌改良材・土壌改良剤
- 土壌改良
- 土壌酸度
- CEC
- EC
- 団粒構造
- 単粒構造
- 土性
- 作土
- 心土
- 鋤床層
- 心土破砕
- 暗渠排水
- 施肥