心土破砕(しんどはさい)

心土破砕とは

心土破砕(しんどはさい)とは、作土の下にある締まった土層へ作業機を通し、亀裂や空隙を形成して土壌を物理的に破砕する作業です。
サブソイラーなどの作業機が使用されます。

主に、緻密な土層によって水や根の移動が妨げられている圃場で行われます。
土を全面的に反転・混和することよりも、下層へ亀裂を形成することを目的とする施工です。

心土破砕を行う目的

例えば、水田から畑作へ転換した圃場で、作土の下に水を通しにくい層があり、降雨後に作土付近へ水が滞留する場合があります。
この層を破砕し、下方や暗渠方向へ水が移動できる経路をつくるのが心土破砕の利用例です。

心土破砕は、次のような目的で検討されます。

  • 締まった下層へ亀裂を形成する
  • 水が下方や排水施設へ移動する経路を増やす
  • 根の伸長を妨げる物理的な抵抗を小さくする
  • 下層土を大きく反転せずに物理性を改善する

これらは期待される作用であり、施工すれば必ず得られる効果ではありません。

心土破砕と深耕の違い

深耕は、通常より深い土層まで耕す作業です。
プラウなどを用いる場合には土を反転・混和します。

心土破砕では、爪やチゼルを下層へ通して亀裂を形成し、下層土を大きく表面へ持ち上げない方式があります。
このため、深耕と心土破砕は同じ意味ではありません。

下層土の性質が作土と大きく異なる圃場では、両者の違いが特に重要です。
下層土を作土へ混ぜたくない場合は、作業機による土の動きまで確認します。

心土破砕とサブソイラーの違い

心土破砕は作業・施工方法の名称です。
サブソイラーは、その施工に使用する代表的な作業機です。

サブソイラー以外にも、破砕幅を広げた作業機や、下層土を大きく持ち上げずに亀裂を形成する方式などがあります。
「心土破砕=サブソイラー」と完全に同一視する必要はありません。

心土破砕だけでは排水できない場合がある

亀裂をつくることと、圃場外へ排水することは別です。

破砕した部分へ水が集まっても、その水を受ける暗渠排水、明渠、排水路などが機能していなければ、水が圃場外へ十分に排出されない場合があります。

排水対策として心土破砕を行う場合は、
「どこから水を集め、どの経路を通し、どこへ排出するのか」
を確認します。

施工方向も排水効果に影響する

排水を目的とする場合、施工方向を適当に決めるべきではありません。
心土破砕で形成した亀裂が、明渠や暗渠などの排水経路へ水を導ける配置になっているかを確認します。

圃場の傾斜や排水施設の配置によっては、施工方向を変えるだけで排水効果が異なる場合があります。
圃場形状まで含めて設計します。

弾丸暗渠との違い

サブソイラーなどへモールを装着して土中へ連続した通水孔を形成する方法を、弾丸暗渠と呼びます。

心土破砕が主に土層へ亀裂や空隙をつくるのに対し、弾丸暗渠は連続した孔を形成して水の通路をつくります。
両者を組み合わせる施工もあります。

効果が長期間続くとは限らない

心土破砕によってできた亀裂は永久には残りません。
降雨、土壌の膨潤・収縮、農機の走行などによって閉じていきます。

特に亀裂が閉じやすい土壌では、排水効果の持続期間が短くなる場合があります。
籾殻などの疎水材を利用する補助暗渠が検討されるのは、このような条件で排水経路を維持するためです。

「数年ごとに施工する」と一律に周期を決めることはできません。
排水状態や土壌硬度を確認して再施工を判断します。

施工時の土壌水分

亀裂を形成するには、土壌が適切に破砕される水分状態で施工する必要があります。
過湿時には土が変形しやすく、十分な亀裂が形成されない場合があります。

施工時期は土質によって変わります。
暦だけで決めず、圃場の土壌状態を確認します。

心土破砕が必要か確認する

根の生育が悪い、雨後に水が残るというだけで心土破砕を選ばないでください。
原因が別にある場合があります。

施工前には、少なくとも次の点を確認します。

  • 作土と下層土の厚さ
  • 締まった層の位置と硬さ
  • 土質と土壌水分
  • 根が止まっている深さ
  • 地下水位
  • 暗渠・明渠・排水口の位置
  • 圃場の傾斜

締まった層の存在や排水不良の原因が確認できなければ、心土破砕が適切かどうかは判断できません。

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