団粒構造(だんりゅうこうぞう)

団粒構造とは

団粒構造(だんりゅうこうぞう)とは、砂・シルト・粘土などの土壌粒子や有機物が結び付き、大小の集合体である「団粒」を形成し、その団粒と団粒の間や内部にさまざまな大きさの孔隙ができている土壌構造です。

団粒の形成には、粘土鉱物、有機物や腐植、植物根、菌糸、土壌微生物がつくる粘着物質など、複数の要因が関係します。

団粒構造が発達すると大小の孔隙が共存しやすくなり、水や空気の移動、水分保持、根の伸長などに関係します。
ただし、団粒構造だけで圃場全体の排水性や保水性が決まるわけではありません。

「ふかふかした土」と団粒構造は同じではない

トラクターやロータリーで耕起すると、一時的に土が砕けて柔らかくなります。
この状態を見ただけで「団粒構造ができた」と判断することはできません。

耕起によってできた土塊と、土壌粒子が結合して形成された安定した団粒は別のものです。
特に過湿時の耕起や過度な砕土、踏圧などは、土壌構造を悪化させる場合があります。

団粒と孔隙の関係

団粒構造では、団粒内部の比較的小さな孔隙と、団粒間の比較的大きな孔隙が存在します。

大きな孔隙は水や空気が移動する経路となり、小さな孔隙には水分が保持されます。
このような孔隙構成が、土壌の水分移動や空気交換に影響します。

団粒構造が発達した黒ボク土などでは、水分特性が単純な一種類の孔隙だけでは説明できないことも確認されています。

団粒構造と単粒構造

単粒構造は、土壌粒子が団粒として集合せず、個々の粒子が独立した状態を示す土壌構造です。

団粒構造と単粒構造は、単純に「良い土」と「悪い土」に分ける言葉ではありません。
砂質土のように粒子が独立していても透水性が高い場合があります。

土壌の水分や空気の状態は、土性、土壌構造、孔隙、緻密層、地下水位などを合わせて判断します。

団粒構造と排水性

団粒構造が発達すると、団粒間に比較的大きな孔隙が形成され、水が移動しやすくなる場合があります。

団粒構造があれば圃場の排水不良が解消するわけではありません。

作土の下に透水性の低い層がある場合や、地下水位が高い場合、排水路へ水を逃がせない場合には、作土が団粒化していても水が滞留することがあります。
その場合は心土破砕や暗渠排水など、原因に応じた対策を検討します。

団粒構造と保水性

団粒内部や団粒間にさまざまな大きさの孔隙が形成されることで、排水に関わる孔隙と水分を保持する孔隙が共存しやすくなります。

だからといって、「団粒構造なら乾燥しない」とは言えません。
実際に作物が利用できる水分量は、土性、有機物量、孔隙構成、根域深、土壌水分状態などによって変わります。

水分状態を把握する場合は、必要に応じて体積含水率やpF値なども利用します。

団粒の形成に関わる有機物と生物

有機物や腐植は、粘土粒子などを結び付ける要因の一つです。
植物根、菌類の菌糸、土壌微生物が生産する物質なども団粒形成や安定化に関係します。

堆肥や緑肥などの有機物施用によって団粒形成が促進される場合があります。
効果は土壌、資材、施用量、栽培管理によって異なります。

有機物を多く入れれば団粒構造が良くなる、と単純には判断できません。
養分を含む資材では過剰施用による養分蓄積やEC上昇にも注意します。

団粒構造が崩れる要因

団粒の安定性は一定ではありません。
降雨による衝撃、過湿時の耕起、強い踏圧、農業機械の走行、過度な土壌攪乱などによって土壌構造が変化することがあります。

特に土が湿った状態で大型機械が走行すると、団粒だけでなく孔隙そのものが圧縮され、緻密化する場合があります。

団粒構造をどう評価するか

見た目が「ふかふかしている」だけでは判断できません。
土壌断面や土塊の状態、根の分布、水の浸透状況、硬さなどを総合して確認します。

研究・土壌物理性評価では、団粒の粒径分布や水に対する安定性などを測定する方法もあります。
農研機構では、土塊の大きさを利用して土壌物理性を簡易評価する方法も開発されています。

団粒構造を目的化しない

農業では「団粒構造をつくること」自体が最終目的ではありません。
作物の根が必要な水・空気・養分を利用でき、農作業にも適した根域環境をつくることが目的です。

排水不良なら排水不良の原因、土壌の硬さが問題なら緻密層の位置、養分過剰なら土壌診断の結果を確認します。
団粒構造だけで土壌の良否を評価しないでください。

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