脇芽(わきめ)とは
脇芽(わきめ)とは、植物の茎や枝と葉の付け根にあたる葉腋(ようえき・葉えき)に形成される芽のことです。「わき芽」とも表記され、植物学では腋芽(えきが)と呼ばれます。英語では「Axillary bud」といいます。
脇芽は伸長すると側枝となり、新たな葉や枝、場合によっては花を形成します。トマトやナスなどの果菜類では、脇芽を残すか取り除くかによって、枝の本数や着果位置、草姿が変わります。
脇芽は植物が自然に形成する芽であり、不要な芽という意味ではありません。栽培では、作物の種類や仕立て方に応じて管理します。
脇芽が発生する位置と特徴
脇芽は通常、茎と葉の付け根の内側に形成されます。トマトでは、主茎と葉柄の間から小さな芽が伸び始め、成長すると側枝になります。
脇芽の形成と、形成された芽が伸長することは別の現象です。植物によっては脇芽が形成されてもすぐには伸びず、休眠状態や伸長が抑制された状態にある場合があります。
脇芽の伸長には、頂芽優勢と呼ばれる性質や植物ホルモン、生育環境などが関係しています。主茎の先端を摘心すると、脇芽の伸長が促される場合があります。
脇芽の役割と農作物での利用
トマトの脇芽
トマトでは、主茎と葉の付け根から脇芽が発生します。
主茎1本仕立てでは、基本的に脇芽を取り除き、主茎を伸ばして栽培します。この作業を芽かきと呼びます。
2本仕立てなどでは、選んだ脇芽を伸ばして側枝として利用する場合があります。脇芽を残すことで着果する枝を増やせますが、栽植密度や草勢、養水分管理との調整が必要です。
ナスの脇芽
ナスでは、1番花の付近から伸びる脇芽を利用して、主枝を複数本に仕立てる方法があります。
例えば3本仕立てでは、主茎のほかに勢いのよい脇芽を2本残して伸ばします。残す脇芽の位置や、その後の側枝管理は栽培方式によって異なります。
ナスの脇芽を一律に取り除くと、必要な主枝まで失うおそれがあります。
キュウリなどのつる性作物
キュウリでは、脇芽が伸びて子づるとなり、着果や草姿の形成に関わります。
子づるを伸ばす位置や摘心する節位は、品種や仕立て方によって異なります。親づるを主体とする栽培と、子づるを利用する栽培とでは、脇芽の扱いが変わります。
脇芽の芽かきと摘心の違い
脇芽を取り除く作業は「芽かき」または「摘芽(てきが)」と呼ばれます。
これに対して「摘心(てきしん・摘芯)」は、主茎や側枝の先端にある成長点を取り除く作業です。
- 芽かき・摘芽:不要な芽を取り除き、枝数や草姿を調整する作業。
- 摘心・摘芯:茎や枝の先端を取り除き、伸長や分枝などを調整する作業。
- 整枝:芽かき、摘心、枝の切り戻しなどを組み合わせ、枝数や配置を調整する栽培管理。
脇芽を取り除くことと、主茎や側枝の先端を摘み取ることは、作業する部位も生育への影響も異なります。
脇芽を管理する際の注意点
必要な脇芽を取り除かない
芽かきの前に、栽培する作物の仕立て方と残す枝の位置を確認します。
脇芽をすべて取り除く管理が適切な作物や栽培方式もありますが、側枝を利用して着果させる場合には、必要な脇芽を残さなければなりません。
芽かきの時期と傷口
除去対象の脇芽は、小さいうちに取り除くと、一般に傷口を小さくできます。大きく伸びてから取り除くと、切除部分が大きくなり、株への負担や病原体の侵入リスクが増す場合があります。
作業は、植物体が濡れている時間帯を避け、傷口が乾きやすい条件で行うことが基本です。作物や生育段階に適した方法を選びます。
病害の伝搬に注意する
トマトなどでは、一部の植物ウイルスやウイロイドが、作業者の手指や器具を介して伝搬することがあります。
芽かきに使用する手指や器具の衛生管理を行い、病徴が疑われる株から健全株へ病原体を広げないよう注意します。消毒方法は対象となる病原体に応じて判断します。
芽かきを行うこと自体が病害虫防除になるわけではありません。過繁茂を抑えて通風や受光を改善する効果と、芽かきによって生じる傷口や接触伝染のリスクは、分けて考える必要があります。
脇芽の参考動画
脇芽は、茎と葉の付け根に形成されるため、実際の植物で発生位置を確認すると理解しやすくなります。
次の動画では、JAの営農指導員がミニトマトの芽かきと葉かきについて解説しています。脇芽の見分け方や、実際の管理作業を確認するための参考になります。
【農作業】スーパー指導員が教える!ミニトマト編~芽かき・葉かき~
JAふくしま未来「みらいろチャンネル」
スーパー指導員が教える!ミニトマト編~芽かき・葉かき~(YouTube)を見る
動画について:
この動画は、ミニトマトの脇芽と芽かき作業を理解するための参考資料として紹介しています。農材ドットコムが制作・管理している動画ではありません。動画の内容、公開状況、URLなどは、公開元の都合により変更または削除される場合があります。実際の芽かき方法や残す側枝の数は、品種、仕立て方、栽培方式、生育段階などによって異なります。また、動画には葉かきの説明も含まれますが、葉かきと芽かきは異なる管理作業です。
関連する資材分類・農業用語
参考資料
- JA全農長野 JAファーム「トマトのわき芽摘み」
- 農研機構「トマトの1段どり栽培における腋芽利用苗、2本仕立て苗の評価」
- タキイ種苗「ナス栽培マニュアル」
- 農林水産省 植物防疫所「Tomato brown rugose fruit virusの解説」
- JAふくしま未来「みらいろチャンネル」
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