マルチフィルム(まるちふぃるむ)

マルチフィルム
マルチフィルム(まるちふぃるむ)

マルチフィルムとは

マルチフィルムとは、
マルチ(マルチング)に使用するフィルム状の農業資材です。
畝や作物周辺の地表面を覆い、地温調整、雑草抑制、
土壌表面からの水分蒸発の抑制、泥はね軽減などを目的に使用します。

一般的にはポリエチレン(PE)製が広く使用されていますが、
土壌中の微生物によって分解される生分解性樹脂を使用した製品もあります。
紙マルチなど、フィルムではないマルチ資材もあるため、
「マルチ」と「マルチフィルム」は完全な同義語ではありません。

また、農ポリとマルチフィルムも同義語ではありません。
農ポリは農業用ポリエチレンフィルムの製品区分として使われる名称で、
トンネル被覆などマルチ以外の用途にも使用されます。

色・構造による主な違い

マルチフィルムの作用は、色そのものではなく、
光の透過・吸収・反射特性やフィルム構造によって変わります。

  • 透明マルチ:太陽光を透過し、地温を上昇させやすいタイプです。光も地表へ届くため、雑草抑制を主目的とする用途には適しません。
  • 黒マルチ:地表への光を遮ることで雑草の生育を抑制します。フィルム表面は日射によって高温になる場合があります。
  • 白黒マルチ:一般に白色面を上、黒色面を下にして使用し、日射の反射と遮光を利用します。高温期の地温上昇抑制を目的とした製品があります。
  • シルバー・銀色系マルチ:反射光を利用し、アブラムシやアザミウマ類など一部害虫の飛来・定着を抑える目的で使用される製品があります。すべての害虫を防除できる資材ではありません。
  • 生分解性マルチ:栽培終了後に土壌へすき込み、土壌中で分解させることを前提とした製品です。分解速度は製品、温度、土壌水分、微生物活性などによって変わります。

マルチフィルムの主な役割

黒色など遮光性の高いフィルムでは雑草抑制、
透明タイプでは地温上昇、
白色・銀色系では日射反射を利用した地温・光環境の調整など、
製品によって目的が異なります。

フィルムで地表面を覆うことで土壌表面からの水分蒸発を抑えたり、
降雨による土の跳ね返りを軽減したりする効果もあります。
これらの効果は作物、季節、土壌、フィルムの種類によって変わります。

選定時の注意点

「黒なら夏向き」「透明なら雑草が生えない」「銀色なら害虫を防げる」
といった色だけの判断は誤りです。
必要な地温、栽培時期、雑草発生量、害虫の種類、灌水方法、
フィルムの厚さ・耐候性などを合わせて確認します。

ポリエチレン製マルチフィルムなど、農業生産から排出される使用済みプラスチックは、
農業者が適正に回収・処理する必要があります。
圃場での野焼きや不法投棄は行えません。

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