脱穀(だっこく)

脱穀
脱穀とは、収穫した穀類から穀粒を分離する作業。

脱穀とは

脱穀(だっこく)とは、
収穫したイネやムギなどから穀粒を穂や茎などから分離する作業です。
大豆などの豆類でも、成熟した莢や茎から豆を分離する工程を
「脱穀」または「脱粒」と呼ぶことがあります。

イネでは、穂から籾(もみ)を外す作業を脱穀といいます。
昔は千歯扱きや足踏み脱穀機などが使用され、
現在の一般的な水稲栽培では、
コンバインが刈取りと脱穀を連続して行います。

脱穀は、籾殻を取り除く籾摺り(もみすり)とは別の工程です。
脱穀によって穂から取り外された時点では、
米粒はまだ籾殻に包まれた籾の状態です。

脱穀と籾
脱穀と籾

イネの脱穀と籾摺りの違い

  • 脱穀:穂から籾を分離する。
  • 籾摺り:籾から籾殻を取り除いて玄米にする。
  • 精米:玄米から主に糠層や胚を取り除いて白米にする。

イネでは、外側の外頴・内頴が成熟して籾殻となり、
その内部に頴果に相当する玄米があります。

脱穀によって籾殻が取り除かれるわけではありません。

コンバインでは脱穀と選別などが機械内部で連続して行われますが、
作業工程としての「脱穀」「選別」「籾摺り」は別のものです。

大豆の脱穀・脱粒と枝豆の脱莢

成熟した大豆では、
莢や茎から大豆粒を分離する工程を
脱穀または脱粒と呼びます。

大豆対応のコンバインや脱粒機では、
刈り取った株や莢から豆を分離し、
茎葉や莢などを選別して回収します。

これに対して枝豆では、
食用となる莢を株や枝から外す作業を
脱莢(だっきょう)と呼びます。

枝豆の脱莢は、莢の中から豆粒を取り出す作業ではありません。
株から商品となる莢を分離する工程です。

成熟大豆の脱穀・脱粒と、
枝豆の脱莢は目的と収穫物の状態が異なります。

脱穀機

脱穀機は、
回転する扱胴や扱歯などによって、
穂や莢などから籾や穀粒・豆類を分離する機械です。

イネ用では、足踏み式、小型電動式、
風力選別機構を備えた定置型機械などがあります。

現在の一般的な水稲栽培では
コンバインに脱穀機構が組み込まれているため、
独立した大型脱穀機を使用する場面は少なくなっています。

採種、坪刈り、品種試験、小規模栽培などでは、
少量の試料を処理できる小型の定置型脱穀機が現在も使用されています。

大豆やムギなどでは、
作物に対応した普通型コンバインや
専用の脱粒機・脱穀機が使用される場合があります。

「脱穀機」であればすべての作物に使用できるわけではありません。
対象作物、処理量、穀粒の大きさ、
含水状態、機械の構造などを確認して選定します。

脱穀後の選別・調製

脱穀した籾や穀粒には、
わら屑、枝梗、莢、茎葉、未熟粒などが混入することがあります。

イネでは唐箕などによる風力選別、
ふるい、選別機などを利用して
不要物を除去することがあります。

大豆では、粗選、粒径選別、形状選別、
色彩選別などを組み合わせて
出荷用途に応じた調製を行います。

これらの処理が脱穀機やコンバインの内部で
脱穀と連続して行われる場合もあります。

風力選別、粒径選別、色彩選別そのものを「脱穀」と呼ぶわけではありません。

機械の中で同時に行われている処理と、
農作業としての工程名を分けて理解します。

脱芒との違い

脱芒(だつぼう)は、
主に種籾などに残る芒(のぎ)や枝梗などを除去する作業です。

穂から籾や穀粒を分離する脱穀とは目的が異なります。

脱芒によって種籾の流動性が改善され、
選別や播種を行いやすくなる場合があります。

脱穀機と脱芒機を組み合わせた機械もありますが、
脱穀と脱芒は別の作業です。

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