施設園芸・施設栽培(しせつえんげい・しせつさいばい)

施設園芸・施設栽培とは

施設園芸(しせつえんげい)・施設栽培とは、
ビニールハウスやガラス温室などの施設を利用して、
野菜、花き、果樹などを栽培する生産方式です。
露地栽培と比べて、雨、風、低温などの影響を軽減しながら、
作期の拡大や生育環境の調整を行うことができます。

施設を利用すれば外部環境の影響を受けなくなるわけではありません。
太陽光を利用するハウスでは、日射、外気温、風、積雪などの影響を受けます。
設備内容によって制御できる環境要因の範囲も異なります。

「温室栽培」と近い意味で使われることがありますが、完全な同義語ではありません。
施設園芸には、加温を行わないハウス、雨よけ施設なども含まれます。

施設園芸で調整できる主な環境

施設では、換気、暖房、遮光、保温、灌水などによって栽培環境を調整できます。
さらに環境制御設備を導入した施設では、
日射量、温度、
相対湿度、
飽差、CO₂濃度などを測定し、
換気、暖房、カーテン、灌水、CO₂施用などを連動させる場合があります。

施設園芸だから自動的に環境制御されるわけではありません。
単純な雨よけハウスから、高度な複合環境制御を行う施設まで設備水準には大きな差があります。

施設園芸の主な利点

施設を利用することで、降雨の遮断、保温、換気、遮光などを行いやすくなり、
露地栽培より作期を前後へ拡大できる場合があります。
作物や設備によっては、収量や品質の安定、生産期間の延長にもつながります。

これらの効果は施設を建てるだけで得られるものではありません。
温度、光、水分、施肥、湿度、病害虫などの管理が不適切であれば、
施設内でも収量低下や品質低下が発生します。

施設園芸の主な課題

施設建設には初期投資が必要で、暖房、換気、灌水、環境制御設備などを導入すれば、
設備費と維持管理費も増えます。
加温栽培では燃料・電力費が経営へ大きく影響する場合があります。

夏季には高温、冬季には暖房費、台風や積雪時には施設損傷・倒壊のリスクがあります。
施設内へ病害虫が侵入した場合、好適な温湿度条件によって被害が拡大することもあります。
施設栽培そのものに病害虫を減らす効果が保証されているわけではありません。

施設園芸と環境制御

近年はセンサーで施設内外の環境を測定し、
換気窓、暖房機、カーテン、灌水装置、CO₂施用装置などを連動制御する
複合環境制御も利用されています。

環境制御の目的は設定値を一定に保つことだけではありません。
作物の生育段階、日射、外気条件、蒸散、水分状態などに応じて、
光合成と生育に適した環境へ近づけるために利用します。

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