露点(ろてん)

露点とは

露点(ろてん)または露点温度とは、空気中の水蒸気圧をほぼ一定に保ったまま空気を冷却したとき、相対湿度が100%となり、水蒸気が凝結し始める温度です。
英語では Dew Point または Dew-point Temperature といいます。

露点は、施設園芸で結露や葉濡れの発生条件を判断する際に重要な指標です。
現在の気温だけを見るのではなく、葉、果実、被覆材、配管などの表面温度が露点に近づいているかを確認する必要があります。

露点と相対湿度の関係

相対湿度は、現在の水蒸気圧がその温度での飽和水蒸気圧に対してどの程度であるかを割合で示します。

空気中の水蒸気量がほぼ変わらない状態で温度が低下すると、相対湿度は上昇します。
さらに冷却して相対湿度が100%となる温度が露点です。

反対に、温度だけを上げると相対湿度は低下しますが、水蒸気を除去していなければ露点は大きく変化しません。

このため、「加温して相対湿度を下げたこと」と「除湿して空気中の水蒸気量を減らしたこと」は同じではありません。

露点と結露

周囲の空気が相対湿度100%に達していなくても、葉や被覆材などの表面温度が露点まで低下すれば、その表面付近では空気が飽和し、結露が生じやすくなります。

例えば施設内の温湿度センサーが相対湿度90%を示していても、葉温や被覆材表面温度が露点を下回れば、その部分では結露する可能性があります。

したがって、ハウス内に設置した1台の湿度計が100%を示していないことを理由に「結露しない」と判断することはできません。

施設園芸で露点が重要な理由

施設園芸では、夜間から早朝にかけて外気温が低下したり、放射冷却などによって葉や被覆材の表面温度が低下したりすることがあります。

表面温度が露点付近まで低下すると、葉や果実、被覆材などに結露が発生しやすくなります。
葉が濡れた状態が長時間続き、温度などの条件も病原菌に適した状態になると、病害発生のリスクが高まる場合があります。

ただし、「露点に達した=病気になる」という意味ではありません。
病害発生には病原菌の存在、温度、葉濡れ時間、作物の感受性など複数の条件が関係します。
露点はあくまで結露や葉濡れを予測するための重要な判断材料の一つです。

露点を利用した環境管理

露点を利用すると、単に相対湿度を見るだけでは分からない結露リスクを把握しやすくなります。

例えば、気温、相対湿度、露点、葉温などを記録し、葉温と露点との差が小さくなってきた場合には、結露が生じやすい状態へ近づいていると判断できます。

その際の対策としては、施設や作型に応じて換気、加温、循環扇による空気混合、除湿などが検討されます。
ただし、外気条件や設備能力によって効果は異なるため、一律の制御方法を設定することはできません。

加温と露点の注意点

施設を加温すると相対湿度は低下するため、一見すると空気が乾燥したように見えます。
しかし、水蒸気そのものを施設外へ排出していなければ、露点は大きく低下しません。

加温が結露防止に役立つのは、相対湿度の数字を下げることだけが理由ではありません。
葉や被覆材などの表面温度を露点より高く保ち、結露しにくい状態を作ることにも意味があります。

水蒸気量そのものを減らすには、外気条件を確認したうえでの換気や、除湿機などによる除湿が必要になります。

よくある誤解

  • 「露点は外気温のこと」:
    誤りです。露点は、現在含まれている水蒸気量に対応して決まる、凝結が始まる温度です。
  • 「相対湿度が100%でなければ結露しない」:
    誤りです。施設全体の空気が100%未満でも、葉や被覆材などの表面温度が露点まで下がれば局所的に結露する場合があります。
  • 「暖房すると露点が下がる」:
    加温だけで空気中の水蒸気量を減らしていなければ、露点は大きく変わりません。主に変化するのは気温と相対湿度です。
  • 「露点を測れば病害発生を予測できる」:
    露点だけでは判断できません。葉濡れ時間、温度、病原菌、作物の状態などを併せて判断します。

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