スコップ・鍬・鎌類とは
スコップ・鍬(くわ)・鎌(かま)は、土を掘る、耕す、土を寄せる、雑草を削る・刈る、作物を収穫するなどの農作業に使用する手工具です。
動力を使わない農具が中心で、小規模な作業だけでなく、機械が入りにくい畝間や株元、ハウス内、圃場の端部などでも使用されます。
形が似ていても用途は同じではありません。
土質、作業深さ、雑草や作物の状態、作業者の体格によって適する形状が変わります。
「万能型」という名称だけで選ばない方が安全です。
スコップ・ショベル
スコップやショベルは、土を掘る、すくう、移動する、混ぜる、ならすといった作業に使用します。
農業では植穴づくり、土壌改良資材の混和、排水溝の掘削、堆肥や培土の移動など用途が広くあります。
一般に、先端が丸いタイプは土へ差し込みやすく、掘削作業に向きます。
角形は土や資材をすくう、混ぜる、表面をならす作業に使いやすい形状です。
苗の植え付けや鉢・育苗容器などの細かな作業には移植ゴテが使われます。
「スコップ」「ショベル」の呼び方は製品や地域によって異なる場合があります。
名称だけではなく、刃先形状、刃幅、全長、柄の形状を確認して選びます。
鍬(くわ)
鍬は、土を起こす、砕く、ならす、畝をつくる、土を寄せる、雑草を削るなどの作業に使います。
耕起から中耕、培土まで、形状によって用途が大きく異なります。
代表的なものには平鍬、備中鍬、唐鍬、片手鍬、草削りなどがあります。
地域の土質や農法に合わせて発達した農具も多く、同じ名称でも刃幅、刃角度、爪の本数、柄の長さが異なる場合があります。
例えば、硬く締まった土を薄い平鍬で無理に起こすと、作業効率が落ちるだけでなく刃や柄へ大きな負荷がかかります。
硬い土を崩す作業では、土質と作業深さに合った鍬を選びます。
鎌(かま)
鎌は、雑草や作物の茎葉を刈るほか、株元の草削り、収穫などに使用します。
草の太さや硬さ、刈り方に合わせて刃の厚さや形状を選びます。
薄鎌、中厚鎌、厚鎌、鋸鎌、草削り鎌、ねじり鎌、立鎌など多くの種類があります。
柔らかな草を刈る用途と、硬い茎や密生した草を処理する用途では適する刃が異なります。
鋸刃も万能ではありません。
対象物に合わない鎌を無理に使用すると、切れ味の低下や刃欠け、作業負担の増加につながります。
農具を選ぶときの確認点
農具は「軽いほど使いやすい」「ステンレスなら高性能」と単純には判断できません。
軽量化しすぎると土へ刃を入れるために余計な力が必要になる場合があり、刃材も切れ味、耐摩耗性、研ぎやすさ、耐食性の組み合わせで評価します。
- 作業:掘削、耕起、中耕、土寄せ、草削り、草刈り、収穫など
- 土質:砂質、粘質、石の多い圃場、締まった土など
- 刃:形状、幅、厚さ、材質、研ぎ直しの可否
- 柄:長さ、重量、握りやすさ、交換の可否
- 作業場所:畝間、株元、ハウス内、露地など
狭い株間や作物の近くでは、刃幅の大きな農具ほど作業しやすいとは限りません。
作物の根を切らないよう、作業幅と深さを調整します。
使用前の点検と手入れ
鍬や鎌は、刃だけでなく柄と刃部の固定状態を確認します。
柄の割れ、腐食、緩み、抜けかけは危険です。
そのまま使用しないでください。
鎌や鍬を振る作業では、人や作物を刃の軌道へ入れないようにします。
作業後は土や植物汁を落として乾燥させ、必要に応じて刃を研ぎます。
炭素鋼など錆びやすい刃は、乾燥後の防錆処理も行います。
スコップ・鍬・鎌類取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 主な製品・分野 | 特徴 |
|---|---|---|
| 浅香工業株式会社 | 金象印 ショベル・スコップ | 丸形・角形・菜園用・プロ用などショベル、スコップを幅広く製造。農業・造園用途にも対応 |
| 株式会社相田合同工場 | SENNARI 鍬・草削り・ジョレン・手鍬など | 新潟県三条市の農具メーカー。平鍬、備中鍬、唐鍬、草削り、ジョレンなどを展開。鍬の修理にも対応 |
| 株式会社浅野木工所 | 鎌・鍬・ホー・ジョレン・ショベル | 鎌、鍬、中耕・除草用ホー、根切り、ジョレンなど農業用手工具を幅広く展開 |
| 株式会社ホウネンミヤワキ | 豊稔鎌・本職用鍬 | 草刈鎌、鋸鎌、収穫鎌などの鎌類と、本職用鍬・片手鍬などを製造 |
| キンボシ株式会社 | 金星 鎌類 | 草刈鎌、草削鎌、稲刈鎌、鋸鎌などを展開する園芸・農業用具メーカー |
| 株式会社富田刃物 | 仁作 鎌・ホー・草削り | ステンレス製園芸刃物を中心に、鎌、立鎌、ホー、鋸鎌などを製造 |
| 株式会社向井工業 | 中耕除草機 たがやす | 鍬の代わりに押し引きして使用する手押し式中耕除草機。中耕、除草、溝切り、土寄せに対応 |