育成剤・活性剤

育成剤・活性剤

育成剤・活性剤とは

育成剤・活性剤とは、
作物の生育、発根、養分利用、環境ストレスへの対応などを補助する目的で利用される資材を、
流通上まとめて呼ぶ場合に使われる名称です。

「育成剤」「活性剤」という名称自体が、
肥料や農薬のような一つの法的な資材区分を示しているわけではありません。

製品によって原料、成分、作用、使用目的は大きく異なり、
バイオスティミュラントとして扱われるもの、
肥料として登録・届出されているもの、
微生物、アミノ酸、腐植物質、ケイ酸などを利用した資材などがあります。

「活性剤」という名称だけで、作用や法的位置づけを判断しないでください。

育成剤・活性剤とバイオスティミュラント

バイオスティミュラントは、
農作物または土壌に施用し、
作物やその周辺土壌が本来持つ機能を補助することで、
養分の利用性や利用効率、
高温、乾燥、塩類などの非生物的ストレスへの対応を助ける資材です。

育成剤・活性剤として流通している製品の中には、
この考え方に該当する製品があります。

しかし、
育成剤・活性剤と表示されている製品が、すべてバイオスティミュラントに該当するわけではありません。

反対に、
バイオスティミュラントとして利用される製品が、
肥料など別の法的区分に該当する場合もあります。

名称ではなく、
製品の使用目的、作用、成分、登録・届出の状況を確認します。

肥料との関係

育成剤・活性剤として販売されている製品でも、
植物へ養分を供給することなどを目的とし、
肥料の定義に該当するものは肥料として扱われます。

例えば、
アミノ酸、微量要素、窒素、加里などを含む製品でも、
含まれている成分名だけでは資材の位置づけは判断できません。

肥料として使用する場合は、
保証成分、登録・届出の内容、
施用量や使用方法を確認します。

液体肥料や
バイオスティミュラントと
用途が重なる製品もあります。

農薬・植物成長調整剤との区別

「生育促進」「発根促進」「活力向上」などの表現だけを見て、
すべて同じ種類の資材と判断するのは誤りです。

農作物の生理機能を直接増進または抑制する目的で使用される剤は、
原材料、含有成分、使用方法などによって
植物成長調整剤として農薬に該当する場合があります。

病原菌や害虫などの防除を目的とする場合も、
農薬との区分確認が必要です。

高温、乾燥、塩類などの非生物的ストレスへの対応と、
病原菌や害虫などによる生物的ストレスへの防除は分けて考えます。

「病害に効く」「殺菌する」などの表示がある資材は、農薬への該当性を確認してください。

製品を選ぶときの確認点

同じ「根張りを良くする」「生育を助ける」と説明される製品でも、
作用する仕組みや適する使用条件は同じではありません。

製品を選ぶときは、
原料名や商品説明だけでなく、
対象作物、
使用目的、
使用量、
希釈倍率、
施用時期、
施用回数、
施用方法、
試験条件などを確認します。

比較試験が示されている場合は、
無処理区など適切な比較対象があるか、
どの作物・品種・栽培条件で試験されたものかも確認します。

「活性」「生育促進」という言葉だけでは、効果の大きさや再現性は判断できません。

施設園芸で使用するときの考え方

例えば夏季の施設栽培で生育が低下している場合、
育成剤・活性剤を投入する前に、
高温障害、
環境制御、
灌水、
EC、
飽差
などを確認します。

換気不足、
根域温度の上昇、
灌水不足、
高EC、
根傷みなどが生育低下の主因であれば、
育成剤・活性剤を追加しても原因そのものは解消しません。

まず栽培環境と根域管理を修正し、
必要に応じて補助的に資材を利用します。

バイオスティミュラントを使用する場合も、
自園で問題になっているストレスと、
製品で効果が確認されている条件が一致しているかを確認します。

液体資材を使用するときの注意

液体や水溶性の育成剤・活性剤では、
希釈倍率だけでなく、
他の肥料や農薬との混用可否、
原液のpH、
沈殿や結晶化の有無なども確認します。

灌水設備から施用する場合は、
フィルターへの影響、
点滴チューブや灌水チューブの目詰まり、
処理後の配管洗浄や押し水についても製品の使用方法を確認します。

葉面散布する製品では、
高温時の散布、
高濃度使用、
他資材との混用によって薬害や葉面障害が生じないか確認します。

メーカーが少量での事前試験を指定している場合は、
本処理前に確認してください。

育成剤・活性剤取り扱いメーカー・代理店

製造元・発売元製品名特徴・確認事項
3H・育土研究所複合生物発酵液 ソイルスープ乳酸菌・酵母菌・納豆菌、糖蜜、植物ミネラル、アミノ酸などを含む微生物系資材。育苗期の葉面散布、土壌灌水、定植時の根部浸漬などに使用されます。病害・殺菌に関する効能は農薬との区分確認が必要なため、本表では転載していません。
3H・育土研究所エネルギー補給資材 トレスタートレハロース、クエン酸、ビタミン、ミネラルを含む葉面散布用資材。メーカー資料には「光合成代行」との表現がありますが、光合成そのものを代行する意味に受け取れるため、本表では使用していません。使用倍率・混用条件は製品資料を確認してください。
味の素ヘルシーサプライ株式会社アミハート®
ファーマーズサポートネット掲載情報
核酸を含む肥料。公式情報では保証成分は窒素3.6%、その他成分として核酸3.0%以上。灌注、どぶ漬け、葉面散布に対応します。灌水チューブを使用する場合はフィルターの使用と処理後の押し水が案内されています。
3H・育土研究所水溶性ケイ酸資材 マグマSi水溶性ケイ酸資材。葉面散布・灌水で使用されます。原液はpH11~12程度とされ、原液同士の混用では結晶化のおそれがあります。高濃度使用や酸性を好む植物への使用は、メーカー資料に従って事前確認してください。
株式会社美創技研植物活性酵素 大地の友メーカー資料ではパン酵母由来の酵素溶液を主とし、主に土壌への灌水・散水で使用する資材として案内されています。肥料表示では「たい肥」と記載されています。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
株式会社美創技研MITAKA1000メーカー資料ではパン酵母由来の酵素溶液を主とし、主に葉面散布で使用する資材として案内されています。肥料表示では「たい肥」と記載されています。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
OATアグリオ株式会社バイオスティミュラント製品群炎天マスター、リダバイタル、アルガミックス、フルボディ、ポテトール、鉄力トレプラス、サンピシリーズなどを展開。登録肥料を含み、高温・低温・低照度などの非生物的ストレス対策や養分利用など、目的は製品ごとに異なります。登録内容・保証成分・使用方法を個別に確認してください。
株式会社カネカカネカファーティライザー™・カネカ ペプチド®酸化型グルタチオン(GSSG)を主体とする高機能性肥料。メーカー公式情報で「肥料」と明示されています。生育補助を目的として利用する場合も、肥料としての位置付けを確認して選定します。

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