葉面散布剤

葉面散布剤

葉面散布剤とは

葉面散布剤とは、作物の葉や茎などの地上部へ散布し、肥料成分などを葉面から取り込ませる目的で使用する資材の総称として使われる言葉です。

農材ドットコムでは、主に肥料、液肥、微量要素を含む肥料、葉面散布型のバイオスティミュラントなど、作物の栄養管理や生育管理を目的として葉面へ施用する資材を扱います。

農薬も葉や茎へ散布されますが、このページでは病害虫防除を目的とする農薬は対象としていません。

「葉面散布剤」という名称だけで、成分や作用を判断しないでください。

製品によって、窒素・リン酸・カリなどを補給するもの、鉄・マンガン・ホウ素などの微量要素を補給するもの、アミノ酸や海藻由来成分などを含むものがあり、目的は大きく異なります。

葉から養分が吸収される仕組み

葉面散布した肥料成分の一部は、葉表面のクチクラや気孔周辺などを介して植物体内へ取り込まれます。

どの経路がどの程度関与するかは、作物、葉齢、葉面構造、肥料成分、濃度、温度、湿度、散布液の乾き方などによって変わります。

葉面に散布した成分がすべて吸収されるわけではありません。

葉面散布後すぐに乾燥した場合、葉面で結晶化した場合、降雨などで流された場合には、期待した量が吸収されないことがあります。

葉面散布が利用される場面

葉面散布は、養分欠乏に対して速やかな補給が必要な場合や、過湿、根傷み、低地温などによって一時的に根からの養分吸収が低下している場面で利用されます。

特に微量要素は作物の必要量が少ないため、葉面散布によって補給できる場合があります。

現場では、長雨後に根の活力が低下して葉色が薄くなった作物へ葉面散布を行うことがあります。
ここで注意したいのは、葉面散布だけで根の障害そのものが改善するわけではないことです。

根傷み、過湿、高いEC、養分バランスの崩れなどが原因なら、その原因を残したまま葉面散布を繰り返しても根本的な解決にはなりません。

葉面散布は根からの施肥の代わりではない

葉面散布は施肥方法の一つですが、一般的な作物栽培では根から吸収する養分が栄養管理の中心です。

葉面から供給できる肥料成分量には限界があります。
窒素、リン、カリウムなど作物が比較的多量に必要とする養分を、葉面散布だけで長期間まかなうことを前提にした肥培管理は適切ではありません。

葉面散布は、根からの施肥を補完する方法として考えます。

カルシウムなど移動しにくい養分には注意

肥料成分は、葉から吸収された後の植物体内での移動性も異なります。

カルシウムは植物体内で再移動しにくい成分です。
葉へカルシウムを散布しても、そのカルシウムが果実や新しい葉へ十分移動するとは限りません。

果実や生長点で発生するカルシウム関連の生理障害では、葉面散布剤だけでなく、根からの吸収、水分管理、蒸散、生育速度、養分バランスなども確認します。

濃度と散布条件

葉面散布では、濃度を高くすれば効果も高くなるとは限りません。

濃すぎる散布液は、葉面の塩類濃度を高め、葉焼けや生育障害を起こすことがあります。
高温時、強日射下、乾燥している作物、障害を受けた直後の作物では、製品によって薬害リスクが高くなる場合があります。

製品ごとの希釈倍率、散布量、散布時期を優先してください。

「朝夕なら必ず安全」「曇天なら濃くしてよい」といった一律の判断も避けます。

農薬・展着剤との混用

防除作業と同時に葉面散布剤を混用すると作業回数を減らせる場合があります。

しかし、すべての肥料と農薬を混用できるわけではありません。

pHの変化、沈殿、凝集、成分同士の反応、浸透性の変化などによって、肥効の低下や薬害につながることがあります。

展着剤についても、「加えれば葉面吸収が必ず良くなる」というものではありません。
葉面散布剤自体に展着・浸透を助ける成分が含まれている製品もあります。

農薬と混用する場合は、農薬の登録内容と葉面散布剤メーカーの混用情報の両方を確認してください。

葉面散布剤の選び方

製品名や「活力」「ストレス対策」といった表示だけで選ばず、まず何を補給する資材なのかを確認します。

確認したいのは、肥料としての保証成分や配合成分、対象作物、生育ステージ、希釈倍率、散布量、使用間隔、農薬との混用可否です。

養分欠乏を疑う場合は、症状だけで判断せず、根の状態や施肥履歴、必要に応じて土壌・培地・植物体の分析結果も合わせて判断します。

葉面散布剤取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名特徴
味の素ヘルシーサプライ株式会社Tecamin Max(テカミン マックス)
ファーマーズサポートネット掲載ページ
窒素6.0%、遊離アミノ酸類約12%を含む葉面散布用液体肥料。メーカーでは500~1000倍を目安とした葉面散布方法を案内。
サンアグロ株式会社葉面散布肥料(グロースター・ヨーゲン・バイトール等)窒素・リン酸・カリ・苦土・微量要素などを配合した葉面散布肥料を展開。生育段階や目的に応じて処方を選択。
OATアグリオ株式会社サンピ シリーズ窒素・リン酸・カリ・苦土・微量要素等を配合した葉面散布用肥料。サンピ833neo、アミノサンピ、サンピプラスを用途別に展開。
株式会社生科研メリット青・黄・赤の3処方を生育状況に応じて使い分ける葉面散布肥料。窒素・リン酸・カリと複数の微量要素を配合。
アグリワークス株式会社プリベンタME亜リン酸カリとマンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン等を含む液肥。メーカーでは500~1000倍での葉面散布を案内。
株式会社パルサー・インターナショナルオルガミン魚・糖蜜などの発酵抽出液をベースに、マグネシウム、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン等を配合した葉面散布肥料。農業WEEK東京2026出展製品。
日本曹達株式会社リーフフェラー水溶性リン酸32%、水溶性カリ22%を保証する葉面散布肥料。亜リン酸とフィチン酸を含む。旧ニッソーグリーン製品。
トヨタネ株式会社アイアンチャージ二価鉄12,000ppmを含む葉面・根部施用資材。葉面散布はメーカー指定5,000倍。過酸化水素との混用不可。
トヨタネ株式会社フレッシュサンソ液剤即効的に土壌に酸素を供給し、根張りが向上します

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