深耕とは
深耕(しんこう)とは、通常行っている耕起や耕運よりも深い土層まで耕す作業です。
作土層の拡大、硬く締まった層の改善、根域の確保、排水対策などを目的として行われます。
「何cm以上なら深耕」という全国共通の固定された深さがあるわけではありません。
通常の耕深、作土の厚さ、土壌断面、作物、使用する作業機によって判断します。
深耕を行う主な目的
例えば、毎年同じ深さでロータリー耕を繰り返している圃場で、その下層が強く締まり、根や水の移動を妨げている場合があります。
このような圃場では、締まった層の位置や厚さを確認したうえで、通常より深い耕起を検討します。
深耕の主な目的には、作土層を広げること、根が伸長できる土層を確保すること、土壌の物理性を改善することなどがあります。
排水不良圃場では、ほかの排水対策と組み合わせて利用される場合もあります。
深耕すれば排水性が改善するとは限らない
深く耕せば水はけが良くなるとは限りません。
深耕した層のさらに下に難透水層がある場合や、圃場外へ水を排出する経路がない場合は、深く耕した部分へ水が集まることがあります。
排水不良の原因が地下水位、地形、暗渠、明渠などにある場合、深耕だけでは解決できません。
圃場全体の排水系統を確認します。
下層土を作土へ混ぜるリスク
深耕で特に注意したいのが、下層土の性質です。
下層土のpH、塩基状態、肥沃度、土性などが表層と大きく異なる場合、深く反転・混和することで作土の化学性や物理性が変化します。
深く耕す前に、土壌断面を確認してください。
必要に応じて深さ別に土壌診断を行います。
深耕と硬い土層の破砕は同じではない
圃場の下層に硬い層がある場合でも、必ず土全体を深く反転・混和する必要があるとは限りません。
硬い層へ亀裂を入れて破砕する方法と、下層土まで反転・混和する深耕では、土の動かし方が異なります。
改善したい層の深さと原因を確認し、作業方法を選びます。
「深く耕せる機械だから使う」という判断は避けます。
深耕を行うときの土壌水分
過湿な粘質土を無理に深く耕すと、土を練ったり、大きな土塊を形成したりする場合があります。
機械への負荷も増えます。
施工時期は、土壌水分と使用する作業機の適用条件を確認して決めます。
作業可能な水分状態は土質によって異なります。
深耕深を決める方法
深耕深は「30cm」「40cm」と数値だけで決めません。
少なくとも次の点を確認します。
- 現在の作土深と通常の耕深
- 根がどの深さまで伸びているか
- 硬く締まった層の位置と厚さ
- 下層土の土性や化学性
- 地下水位や排水経路
- 作物の根系と栽培体系
問題となる層が確認できなければ、深耕が必要かどうかは判断できません。
深く耕すこと自体を目的にしないでください。
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