防虫ネットとは
防虫ネット(ぼうちゅうネット)とは、
害虫の侵入や移動を物理的に抑えるために使用する
網状の農業資材です。
「防虫網」と呼ばれることもあります。

施設園芸では、
ハウスのサイド、天窓、妻面、出入口などの開口部に設置します。
露地ではトンネル被覆などにも使用されます。
防虫ネットは、害虫を殺す資材ではありません。
対象害虫より侵入しにくい目合いのネットを設置し、
物理的な障壁を作ることで侵入を抑えます。
目合いだけで防虫性能は決まらない
防虫ネットでは、
網目の大きさを示す「目合い」が重要な選定条件になります。
対象害虫の大きさに対して目合いが大きすぎれば、
ネットを通過される可能性があります。
しかし、
「細かいネットほど必ず防虫性能が高い」とだけ考えるのは適切ではありません。
実際の侵入抑制性能は、
対象害虫の体の大きさや形、
ネットの糸径、織り方、開口率、
施工状態などによっても変わります。
ネットとフィルム止め部、
地際、出入口などに隙間があれば、
細かなネットを使用してもそこから侵入されます。
細かなネットほど換気に注意する
施設のサイドや天窓に防虫ネットを設置すると、
ネットが空気の流れに抵抗を与えます。
一般に細かな目合いになるほど、
自然換気量が低下しやすくなります。
同じ目合いでも、
糸の太さや織り方などによって通気性は異なります。
微小害虫対策を優先して細かなネットへ変更した結果、
晴天時にハウス内温度が以前より高くなることがあります。
高温障害が問題になる施設では、
対象害虫だけでなく、
開口面積、ネットの通気性、
天窓や強制換気などを含めて判断します。
施設への設置で確認する場所
施設内への侵入を抑えるには、
サイドだけをネットで覆えばよいとは限りません。
天窓、妻面、出入口、
フィルムとの取り合い部、
地際などに侵入経路が残っていないか確認します。
破れや固定部の隙間も定期的に確認してください。
また、すでに施設内へ侵入している害虫や、
苗・資材などと一緒に持ち込まれた害虫を
防虫ネットで除去することはできません。
防虫ネットを選ぶポイント
対象害虫を最初に決めます。
そのうえで、
目合い、糸径、通気性、耐候性、
光透過性、ネットの色や付加機能、
設置場所に適した規格を確認します。
害虫によって必要な目合いは異なります。
対象害虫を決めずに
「できるだけ細かなネット」を選ぶ方法は適切ではありません。
細目化による換気量低下と、
施設内温度上昇も同時に評価してください。
防虫ネットと農薬
防虫ネットによって害虫の侵入を減らせれば、
結果として薬剤防除の回数を減らせる場合があります。
しかし、防虫ネットを設置しただけで
農薬が不要になるとは限りません。
ネットを通過した害虫、
出入口から侵入した害虫、
施設内部で増殖した害虫などには
別の防除が必要になる場合があります。
防虫ネットは、
他の防除方法と組み合わせて利用する資材です。
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