パッカー

パッカー

パッカーとは

パッカーとは、
ビニールハウスやトンネルなどで、
被覆フィルム、ネット、シート類をパイプへ挟み込んで固定する部材です。
一般的には樹脂製の本体をパイプ外周へはめ込み、被覆材をパイプとの間に保持します。

製品には、農業用ハウスのフィルムを固定する標準タイプのほか、
サイド換気などの巻き上げパイプ用、トンネル支柱用、
48.6mm単管パイプ用などがあります。
外観が似ていても用途と適合径は同じではありません。

パッカーはフィルムへ穴を開けずに固定できる利点があります。
製品によっては金属製のバネやピンを組み込み、保持力を高めたものや、
POM、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂特性を利用して金属部品を使わないものもあります。

パッカーの主な種類

ハウスフィルム固定用

農業用鋼管・ハウスパイプへ
農ビや農POなどのフィルムを固定するタイプです。
19.1mm、22.2mm、25.4mm、31.8mmなど、
農業用パイプの外径に合わせて複数のサイズが用意されています。

例えば22.2mmパイプには、原則としてその径に適合するパッカーを使用します。
「22mm前後だから入る」という理由だけで別規格を流用すると、
固定不足や過度な締め付けによるフィルム損傷につながります。

巻き上げパイプ用

サイド換気などで、
フィルムと巻き上げパイプを固定する用途に設計されたパッカーです。
通常のハウス固定用とは、材質、長さ、締め付け特性などが異なる場合があります。

固定用パッカーと巻き上げ用パッカーを同一用途として選ばないでください。
巻き上げ時にはパッカー自体も繰り返し回転し、
フィルムと部材に継続して曲げ・摩擦が加わります。

トンネル用・小径支柱用

小型トンネルでは5mm前後から16mm程度までの細い支柱を使用するため、
専用の小径パッカーがあります。
一般的なパイプハウス用パッカーを小径支柱へ流用することはできません。

脱着しやすい取っ手付き、2連形状、バネ入りなど、
トンネルでの作業性を考慮した製品もあります。

単管パイプ用

48.6mmなどの単管パイプへシート類を固定する大型パッカーもあります。
通常の農業用ハウスパイプとは径が大きく異なります。

パッカーの材質と構造

パッカー本体には、ポリエチレン(PE)、
ポリエチレン系樹脂、
ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)などが利用されています。
製品ごとに硬さ、弾性、耐候性、耐薬品性、脱着性が異なります。

バネ入り製品では、金属バネやステンレス部材を利用して保持力を補うものがあります。
金属を使用せず、樹脂形状だけで保持力を確保する製品もあります。

材質名だけで耐用年数は判断できません。
紫外線、温度、薬剤、繰り返し脱着、保管状態などによって劣化速度は変わります。

被覆材との適合を確認する

パッカーを選ぶ際は、パイプ径だけでなく固定する
被覆資材との適合も確認します。
農ビ、農PO、ネット、シートでは、厚さ、伸び、表面性状が異なります。

農POだからパッカーを使用できない、またはどのパッカーでも使用できる、
という一律の判断はできません。
メーカーが農POへの使用を明示している製品もあります。
使用する被覆材とパッカー双方の仕様を確認してください。

フィルムへ局所的に強い圧力がかかると、
擦れ、白化、切れ、穴あきが発生することがあります。
特に巻き上げ部や振動する場所では定期的に状態を確認します。

適合パイプ径を確認する

パッカーには「19」「22」「25」などの表示がありますが、
実際の適合寸法は製品仕様で確認します。
例えば農業用鋼管では19.1mm、22.2mm、25.4mmなどの外径が使用されています。

小さ過ぎるパッカーを無理に装着しないでください。
締め付け過多による被覆材の傷やパッカー破損につながります。
大き過ぎれば十分な保持力を得られません。

パッカーの取り付けと取り外し

取り付け方法は製品によって異なります。
一般的なタイプでは、開口部をパイプへ当てて押し込み、
被覆材をパイプとの間に挟み込みます。
取っ手付きやクサビ式など、構造が異なる製品もあります。

取り外しに大きな力が必要な製品では、
メーカー指定の取り外し工具が用意されている場合があります。
ドライバーなどを無理に差し込み、フィルムを傷付けないよう注意します。

パッカー取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名・製品群用途分類特徴・注意点
タキロンシーアイ株式会社カセットストロングハウスフィルム固定19.1・22.2・25.4・31.8mmパイプ用。ステンレスピンを使用し、さびにくくグリップ力を維持する構造。使用パイプ径に合う規格を選定する。
タキロンシーアイ株式会社カセットミニトンネル・小径支柱用5mmから16mmまで複数規格を展開。取っ手付きで脱着しやすく、トンネル骨材の曲線部にも使用できる。ダブル、バネ付き、シングルなど仕様が分かれる。
アイクス株式会社スーパーパッカーSハウスフィルム固定19・22・25mm。柔軟性を持たせた本体にバネ2本を使用。
アイクス株式会社スーパーパッカーHBハウスフィルム固定19・22mm。中央部に幅40mmのバネ1本を使用し、脱着性を考慮した製品。
アイクス株式会社スーパーパッカーEハウスフィルム固定19mm。PP製の金属部品を使用しないタイプ。
アイクス株式会社マキトリパッカー巻き上げ用19・22mm。POM系樹脂を使用した巻き上げ用途向け。通常固定用と用途を混同しない。
アイクス株式会社トンネルパッカートンネル・小径支柱用5・5.5・8.5・11・13mm。2連形状。11・13mmにはバネ入り・バネなしの仕様がある。
アイクス株式会社AAパッカー4848.6mm単管用48.6mm単管パイプ用のシートクリップ。一般的な農芸用パイプ向けパッカーとは用途・径が異なる。
株式会社愛星特発大阪HGパッカーハウスフィルム固定13~48mmまで幅広い径が流通しているバネ付きパッカー。製品自体の現行流通は確認できるが、現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
株式会社愛星特発大阪Sパッカー小型・内張り等小型のパッカーで、内張りフィルムなどにも流通実績がある。複数のパイプ径を展開。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
株式会社愛星特発大阪ワンタッチパッカーハウスフィルム固定ワンタッチ式のパッカー。現行流通は確認できるが、現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
石本マオラン株式会社マイカパッカーハウスフィルム固定11・12.7・16・19・22・25・32・42.7mmを展開。PP製。メーカーは農ビ・農POなどのフィルム固定用途を明記。
石本マオラン株式会社強力マイカパッカーハウスフィルム固定19・22・25mm。PP製。通常のマイカパッカーと規格を分けて選定する。
株式会社加賀鉄工所カガパッカーハウスフィルム固定19・22・25mm。HDPE製本体とバネを組み合わせた固定用パッカー。
株式会社加賀鉄工所ロールパッカー巻き上げ用19・22mm。POM製の巻き上げ専用品。通常固定用カガパッカーとは用途が異なる。
株式会社加賀鉄工所パッカンプーラー・パッカン取り外し工具カガパッカー、ロールパッカーを取り外すための専用工具。パッカー本体ではないため用途分類を分けて掲載。
コトコ株式会社コーワパッカー固定・巻き上げ用13・16・19・22・25mm。POM製、金属不使用。フィルム・ネット・シート固定に使用でき、メーカーはサイド換気・谷換気の巻き上げ用途にも適するとしている。
コトコ株式会社コーワパッカーミニ小径・ネット・シート固定コンパクトタイプ。ネット・シート類の固定にも使用される。使用径と対象資材を確認する。
コトコ株式会社エコパッカーハウスフィルム・ネット固定19・22・25mm。POM製で金属不使用。リブと返し形状で保持力と脱着性を確保。
コトコ株式会社クサビッカー強力固定用クサビを利用してパイプへ固定する方式。一般的なはめ込み式パッカーとは構造が異なる。
株式会社マルフジマルフジパッカーハウスフィルム固定19・22・25・31.8mm等の現行流通を確認。ステンレスバネを本体内部に組み込んだタイプ。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
有限会社ミネパッカー19.1mm・22.2mm・25.4mmハウスフィルム固定PP製本体にメッキ処理したバネ2個を使用。ハウスビニール等をパイプへ固定する製品。
有限会社ミネパッカー42.7mm・48.6mm大型パイプ・単管用大型径用パッカー。一般的な19.1~25.4mm農芸用パイプ向け製品とは区別して選定する。
積水樹脂株式会社マキアゲパッカー巻き上げ専用パイライン®巻き上げパイプ専用。特殊樹脂を使用し、高温時の締め付け力低下や薬品への耐性を考慮した製品。
積水樹脂株式会社マイクロパッカー亜鉛パイプ用メーカーが亜鉛パイプ専用として設定するパッカー。マキアゲパッカーとは用途が異なる。
積水樹脂株式会社パイライン®パッカー固定用金属を使用しないリブ付き構造。軽量で脱着しやすく、耐候・耐衝撃・耐薬品性を特徴とする。
佐藤産業株式会社ビニクリップ・パッカー類フィルム・シート固定公式製品分類で「パッカー、樹脂製品」としてビニクリップ等を展開していることを確認。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。

パッカー選定で起こりやすい失敗

パイプ径だけで製品を選ぶ

同じ適合径でも、通常固定用、巻き上げ用、トンネル用など用途が異なります。
径と用途の両方を確認します。

締め付けが強いほど安全だと考える

保持力が強過ぎれば、風や巻き上げ動作によってフィルムへ応力が集中する場合があります。
パッカーが外れなくても、フィルム側が先に破れることがあります。

古いパッカーを外観だけで再使用する

樹脂製品は紫外線や熱によって劣化します。
変色、亀裂、著しい硬化、変形、保持力低下が確認できるものは交換します。
バネ入り製品では、バネの腐食や脱落も確認します。

農POには使えないと一律に判断する

農POへの適合は製品ごとに異なります。
実際に農ビ・農PO双方への使用を明示しているパッカーもあります。
フィルムメーカーとパッカーメーカーの使用条件を確認します。

パッカーだけで耐風対策になると考える

パッカーは被覆材を局所的に固定する部材です。
ハウス全体の耐風性能は、
ハウスパイプ、
接続・補強部品、
ハウスバンド、基礎、被覆材の展張状態などを含めて決まります。

点検と交換

台風など強風が予想される前には、
パッカーの脱落、割れ、変形、バネの腐食、
フィルムの擦れや切れを確認します。

巻き上げ部分では、フィルムとパッカーが繰り返し動くため、
固定部周辺の摩耗も確認してください。
フィルム交換時は、パッカーも同時に点検すると効率的です。

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