パイプハウス部品

パイプハウス部品

パイプハウス部品とは

パイプハウス部品とは、
ビニールハウスを構成する
農業用鋼管・ハウスパイプを接続・固定したり、
被覆資材を展張・固定したりするための金具、レール、スプリング、補強材、基礎部材、谷樋、ドア部材などです。

同じ外径のパイプを使用していても、すべての金具が共通して使えるわけではありません。
パイプ外径、金具の規格、フィルム止めレールの形状、取付位置、荷重方向などを確認して選定します。

部品を強化すればハウス全体が自動的に強くなるわけではありません。
耐風・耐雪性能は、パイプ径や部品単体だけでなく、
アーチ間隔、母屋、筋交い、妻面、基礎、接合方法などを含む構造全体で決まります。

パイプハウスを構成する主な部品

パイプ接続・固定金具

アーチパイプと直管パイプを交差させるクロス金具、
パイプ同士をT字・平行・直線方向に接続するジョイント、
妻面や補強部材を固定する金具などがあります。

例えば、クロス金具には線材で固定するタイプ、クサビを打ち込むタイプ、
ボルトで締結するタイプなどがあります。
施工方法だけでなく、対応するパイプ外径と使用方向を確認してください。

サイズが近い金具を無理に流用してはいけません。
固定不足だけでなく、パイプの局部変形や金具の脱落につながります。

フィルム止めレール・スプリング

ハウスの被覆フィルムを固定するため、
レール状のフィルム止め材とスプリングを組み合わせる方式が広く利用されています。
東都興業の「ビニペット®」は、この種のフィルム止め材の商品名です。

製品によって溝の深さ、使用できるスプリング本数、材質、表面処理、
軟質フィルム・硬質フィルムへの適合が異なります。
農POなどを多重張りする場合も、メーカーが示す対応枚数や使用方法を確認します。

レールへフィルムを固定することと、フィルムへ適切な張力を与えることは別です。
固定具だけでフィルムのばたつきや風害を防げるとは限りません。

アンカー・基礎杭

アンカー、らせん杭、スクリュー杭などは、
ハウスや補強部材を地盤へ固定するために使用します。

引抜き抵抗は杭の形状や長さだけでは決まりません。
砂質土、粘性土、軟弱地盤などの土質、水分状態、施工深さによって性能は変化します。

例えば、軟らかい地盤で保持力を期待して大きならせん杭へ交換しても、
地盤自体の抵抗が不足していれば十分な固定力を得られません。
アンカーは地盤条件とセットで選定します。

補強部材

ダブルアーチ用金具、タイバー、斜材、耐雪支柱、
妻面補強材など、既設ハウスへ追加できる補強部材があります。

補強方法によって抵抗する荷重方向が異なります。
積雪による鉛直荷重への補強と、強風による横方向・引抜き方向への補強は同じではありません。

既設ハウスを補強する場合も、
ハウスパイプ、
接合部、基礎、妻面などを含めて弱点を確認します。

谷樋・谷部材

連棟ハウスでは、棟と棟の間に谷部が形成されます。
谷樋や谷シートは、屋根から流れ込む雨水を集めてハウス外へ排水するための部材です。

排水能力が不足すると、大雨時に谷部から水があふれる可能性があります。
ハウスの奥行き、集水面積、谷樋断面、排水口の位置や数まで含めて確認します。

結露水を受けて外部へ排水する機能を持つフィルム止め材もありますが、
雨水排水と結露水排水は必要流量が大きく異なります。
用途を混同しないでください。

ドア・妻面部材

パイプハウスの出入口には、引戸、吊り戸、アンダーキャスター式などのドアがあります。
確認すべき点は、開口寸法、ドア枠の強度、レール方式、ロック方法、
農機や台車が通過できる有効幅などです。

加温ハウスでは隙間からの熱損失も問題になりますが、
一般的なパイプハウスのドアすべてに高い断熱性能が必要なわけではありません。
栽培方式と施設仕様に合わせて選定します。

擦れ・フィルム損傷を防ぐ保護部材

巻き上げパイプ、フィルム止め材、妻面部材などが
被覆フィルムへ繰り返し接触すると、
擦れによって局所的にフィルムが傷む場合があります。

専用カバーやチューブ、保護材を取り付けることで、
金属部材とフィルムの直接接触を減らせます。
フィルム交換時には、金具の突起、バリ、さびも確認します。

パイプハウス部品取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名・製品群用途分類特徴・注意点
ファーマーズサポートネットオーケータニ®シート連棟ハウス谷部透明タイプの谷用シート。連棟部の雨水処理に使用。
東都興業株式会社ビニペット®EXフィルム止め材軟質フィルム用の代表的なレール型フィルム止め材。深溝構造で多重張りにも対応。ビニペット®は東都興業の登録商標。
東都興業株式会社ビニペットシリーズ・フィルム止めスプリングフィルム止め材スエジタイプ、深溝タイプ、アルミ製、各種スプリングなどを展開。材質・使用環境・重ね張り条件に応じて選定。
東都興業株式会社ビニペット部品・パイプ部品・MEパイプ部品接続・固定金具パイプとフィルム止め材の接続、パイプ同士のクロス固定、T字固定などに用いる部品群。対応径と組み合わせを確認。
東都興業株式会社カチックス®パイプ接続金具パイプ同士を交差固定する金具。対応する本体・クサビとパイプ径の組み合わせ確認が必要。
東都興業株式会社トートラス®ハウス補強ダブルアーチ・ダブル直管用補強部材。トラス構造を形成する。メーカー指定の配置・対応パイプ径で使用。
東都興業株式会社スノポー®耐雪補強峰パイプへ取り付けて支柱を設置する簡易耐雪補強金具。支柱・ジャッキは別途用意。所定の設置間隔を守る。
東都興業株式会社レインペット®連棟ハウス谷部連棟谷部の雨水・結露水を排水する谷樋。ハウス規模と排水能力を確認して選定。
東都興業株式会社テイペット®ドアEX出入口吊り戸式のハウス用ドア。規格・開口寸法・レール構成を確認。
大竹オール株式会社大型農業ハウス用部材構造・谷部材メッキアングル、C型鋼、谷樋、ZAM・アルミ製レールなどを製造。別寸法・穴あけ加工にも対応する製品あり。
大竹オール株式会社パイプトビラ・金具・杭類接続・出入口・基礎パイプドア、ジョイント、らせん杭、スクリューアンカーなどを展開。杭類は土質に応じて選定。
佐藤産業株式会社ビニバーα®フィルム止め材複数本の被覆スプリングを保持できるフィルム止め材。材質・長さ・使用場所を確認。
佐藤産業株式会社ボンバーB2フィルム止め材軟質フィルムと硬質フィルムの張り分けに対応。旧掲載「ボンバーB」は現行のB2へ更新。
佐藤産業株式会社パイプクロスパイプ接続金具直交するパイプをクサビで固定。対応径を確認して使用。
佐藤産業株式会社ダブルアーチ補強金具ハウス補強既存アーチ内側へ追加パイプを並列設置する補強金具。風雪対策はハウス全体の構造確認が必要。
佐藤産業株式会社スノーレジスト耐雪補強鋼管パイプと組み合わせてハウス内側から支える耐雪支柱ユニット。
佐藤産業株式会社トリプルソックス補修腐食したアーチパイプ地際部を補修する部材。腐食範囲や残存強度の確認が必要。
佐藤産業株式会社スクリュースティックL620基礎・アンカーパイプハウス用杭。メーカー試験では高い引抜き強度を示すが、地盤状態により性能は変化する。
佐藤産業株式会社アマノガワ連棟ハウス谷部連棟ハウス用谷樋資材。雨水処理量と施工条件を確認。
佐藤産業株式会社ハイブリッドドア出入口下レールに丸パイプを使用したハウス用ドア。泥詰まり対策を考慮した構造。
文明農材株式会社ビニペットカバーフィルム保護フィルム止め材に取り付け、巻き上げパイプなどとの擦れからフィルムを保護。シート素材で曲面にも対応。
日新化学工業株式会社スプリングチューブフィルム保護フィルムと固定スプリングの間に入れ、スプリングによる擦れ・傷付きを軽減。
日泉ポリテック株式会社ユーシートVA連棟ハウス谷部農業用ハウスの谷部張り用シート。
株式会社アコークロスバンド・ロックマン・ホック接続・固定金具パイプ固定や谷シート等の固定に使用。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。
株式会社東和すれ帽子くん・ツマ帽子くんフィルム保護谷部や妻面でパイプ・部材とフィルムが擦れる箇所を保護。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。

パイプハウス部品の選び方

パイプ外径だけで判断しない

19.1mm、22.2mm、25.4mm、31.8mmなど、
パイプ外径に対応した金具が多数あります。
同じ呼び径でも、組み合わせる部材や取付方向によって適合製品は変わります。

購入前に、使用するパイプ径、相手側部材、固定方向、必要個数を確認します。
既設ハウスでは、現物測定だけでなく既存部材の製品名・規格が分かれば照合してください。

構造部材と設備部材を分けて考える

接続金具、補強材、アンカーはハウス構造に関係する部材です。
サイド換気用巻き上げ器、天窓開閉器などは設備機器であり、役割が異なります。

換気設備を探す場合は、
サイド換気、
妻面換気・天井換気・天窓
などの専用分類から選定する方が適切です。

フィルムと固定材の適合を確認する

軟質フィルム、硬質フィルム、多重張りでは適した固定方式が異なります。
スプリングの線径や被覆、レールの溝形状も製品ごとに違います。

特に長期展張フィルムでは、
金属スプリングとの摩擦を抑える被覆材や保護チューブが指定される場合があります。
メーカーの施工条件を確認します。

腐食環境を確認する

結露が続く場所、谷部、地際部、肥料や農薬が付着しやすい場所では、
金属部材の腐食が進みやすくなります。
亜鉛系めっき、アルミ、ステンレス、樹脂被覆など、
部材によって防食方法は異なります。

「めっき品ならさびない」という判断は誤りです。
切断部、傷、異種金属との接触、薬剤、湿潤状態によって腐食状態は変わります。

よくある選定ミス

強い金具へ交換すればハウス全体が強くなると考える

接合部を強化しても、アーチパイプ、妻面、基礎など別の箇所が弱ければ、
施設全体の耐風・耐雪性能はそこで決まります。
補強は構造全体で考えます。

らせん杭ならどの地盤でも強く固定できると考える

アンカーの保持力は地盤条件によって大きく変わります。
製品比較時の引抜き試験値も、試験した地盤や施工条件を確認してください。

ビニペットをフィルム止め材の一般名称として扱う

「ビニペット®」は東都興業の商品名です。
一般的には「フィルム止めレール」「フィルム止め材」などと表現します。

換気装置まで同じ部品として選ぶ

巻き上げ器や天窓開閉装置は、単純な接続金具とは異なります。
開閉距離、減速比、巻き取り軸径、フィルム重量、自動化の有無など、
設備としての仕様確認が必要です。

点検する場所

台風や積雪の前後には、接続金具の緩み、クサビやボルトの脱落、
フィルム止めスプリングの浮き、レールの変形、
アンカー・基礎部の浮きや沈下、谷樋の腐食や詰まりを確認します。

地際部、谷部、接続部は腐食を見落としやすい箇所です。
著しいさび、変形、亀裂がある部品は、再使用せず交換を検討します。

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