選別機・選果機

選別機・選果機

選別機・選果機とは

選別機・選果機は、
収穫した農産物を重量、大きさ、形状、色、外観品質、内部品質などの基準によって分ける機械です。

青果物を対象とする機械は「選果機」と呼ばれることが多く、
重量や大きさを中心に分ける機械では「選別機」「重量選別機」などの名称も使われます。

収穫後の調製から箱詰めまでを連続した設備として構成する場合は、
選果機だけでなく、供給装置、コンベア、計測装置、振分装置、箱詰め設備などを組み合わせます。

選別機は農産物そのものの品質を高める機械ではありません。

生産された農産物を設定した基準で測定し、
出荷規格や販売方法に応じて分類するための設備です。

例えばトマトでも、
重量だけで規格を分ける場合と、
大きさ、着色、形状、糖度などまで判定する場合では必要な機械が異なります。

先に決めるべきなのは機械の価格ではなく、
何を測定し、何段階に分け、どの程度の量を処理する必要があるかです。

選別機・選果機の主な方式

重量による選別

ロードセルなどを使用して農産物の重量を測定し、
設定した重量区分ごとに振り分けます。

果実、根菜類、果菜類など幅広い農産物で使用されています。

構造が比較的単純な機械から、
自動供給・自動振分けを行う高速機まであります。

同じ「重量選別機」でも処理能力、選別段数、供給方法、作物への衝撃は大きく異なります。

大きさ・形状による選別

農産物の直径、長さ、面積、形状などを基準に分ける方式です。

ローラー間隔や穴径によって機械的に選別する方式のほか、
カメラや画像処理によって寸法・形状を測定する方式があります。

タマネギやバレイショのような作物では機械式の形状選別が使われる場合があり、
トマトや果実などでは画像計測と組み合わせる設備もあります。

画像処理による外観選別

カメラで農産物を撮影し、
色、大きさ、形状、表面の傷などを判定する方式です。

人の目による外観選別を補助・自動化できますが、
何をどの精度で判定できるかは機種、撮影方法、照明、作物によって異なります。

画像処理を搭載しているだけで、すべての傷や障害を検出できるわけではありません。

検出対象と判定条件を確認して機種を選びます。

光センサーによる内部品質選別

近赤外光などを利用して、
果実や野菜を切らずに内部品質を推定する選果機があります。

対象機種では糖度、酸度、熟度、蜜、褐変、すあがりなどを測定・判定できる場合があります。

ここで注意が必要です。

測定できる項目は、作物と機種によって異なります。

「光センサー選果機だから糖度、酸度、熟度、内部障害をすべて測れる」
とは判断できません。

同じ機械でも、
ミカンでは糖度と酸度を測定できても、
別の作物では酸度や特定の内部障害を測定対象としていない場合があります。

導入時は、
対象作物・品種と測定項目の組み合わせをメーカーに確認します。

また、ライン用光センサーによる糖度測定と、
果汁を採取して測定する糖度計(糖度測定器)では
測定原理や使用方法が異なります。

糖度と酸度の関係を評価する場合には、
糖酸比が利用されることもあります。

等級と階級を分けて考える

青果物の選別では、
品質面の区分と、大きさ・重量による区分を分けて考える必要があります。

一般に、
色、形、傷など品質に関する区分は「等級」、
大きさや重量による区分は「階級」として扱われます。

例えば、
人が外観を見て等級を判定し、
機械で重量を測定してL・M・Sなどの階級に分ける方法があります。

カメラや各種センサーを組み合わせ、
等級と階級の両方を機械側で判定するシステムもあります。

出荷規格を決めてから機械を選ぶ

選別段数が多い機械ほど適しているとは限りません。

出荷先が必要としていない細かな規格まで機械で分ければ、
排出口、箱、作業スペース、設定、管理作業が増えます。

既存の出荷規格をそのまま機械化するのではなく、
販売先が必要とする規格を確認してから設備仕様を決めます。

不要な規格まで自動化すると、設備費と作業量の両方を増やします。

個別経営向けと共選施設では設備構成が異なる

個別経営では、
重量選別機や比較的小型の選果機を使用し、
人が投入・外観確認・箱詰めを行う構成があります。

必要な部分だけを機械化できるため、
作物や出荷量によっては合理的です。

大規模な共選施設では、
荷受け、整列供給、外観・内部品質計測、重量計測、振分け、箱詰め、搬送、出荷情報管理までを
一つのラインとして構成することがあります。

ここでは選果機単体の最大処理能力だけを比較しても判断できません。

前工程から供給できる量、
人による目視確認能力、
箱詰め能力、
排出側の処理能力のいずれかが不足すれば、
ライン全体の処理能力はそこで制限されます。

選別機・選果機を選ぶときの確認事項

  • 対象作物・品種:重量、形状、表面状態などが機械の対応範囲に入るか。
  • 選別基準:重量、大きさ、色、形状、糖度、酸度、内部障害など、何を測る必要があるか。
  • 処理能力:収穫最盛期の1時間当たり・1日当たり処理量に対応できるか。
  • 選別段数:現在の出荷規格ではなく、実際の販売先に必要な区分数になっているか。
  • 農産物への衝撃:投入、搬送、排出時の落差や転がりによって傷が増えないか。
  • 作業人数:供給、目視確認、箱交換、箱詰めまで含めて何人必要か。
  • 設置条件:機械寸法、動線、電源、圧縮空気、排水、清掃スペースなどを確保できるか。
  • 保守:収穫期の故障時に修理対応できるか。消耗品や制御部品を継続して入手できるか。

メーカーが示す処理能力は、
作物の大きさ、形状、供給状態、設定などによって変化する場合があります。

カタログ上の最大処理能力を、そのまま実作業能力として計算しないでください。

中古の選別機・選果機を導入するときの注意

中古機では機械本体の摩耗だけでなく、
センサー、カメラ、光源、制御用パソコン、制御ソフト、交換部品の供給状況まで確認します。

特に画像処理や内部品質センサーを搭載した機械では、
機械が動くことと、
現在必要な精度で測定できることは別です。

対象作物への対応、
校正や調整の可否、
メーカーによる保守対応まで確認してから判断します。

安価な中古機でも、
制御装置やセンサーの更新が必要なら総投資額は大きくなります。

補助事業を利用する場合

選別機・選果機が国や自治体などの補助事業の対象となる場合があります。

対象となる事業、補助率、要件、募集時期は年度や地域によって異なります。

補助対象になることを理由に設備仕様を大きくするのではなく、
必要な処理量と選別基準から設備を決めます。

選別機・選果機取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名特徴
シブヤ精機株式会社AGP 選別システムPK式、FT式、バケット式、キャリアローラー式、形状選別機などを構成。対象品目や処理量に応じて外観計測・内部品質計測・重量計測などを組み合わせる選果システム
ヤンマーにんじん選別機 SN107X・SN212X重量による6階級選別。最大処理能力はSN107X約7,000本/時、SN212X約12,000本/時。処理能力は使用条件によって変動
ヤンマー透過型光センサ搭載連続選果機 ひかり庵桃・リンゴ・梨・トマトなどに対応。糖度・熟度・酸度・蜜・水果・褐変など、測定可能項目は対象作物によって異なる
ヤンマーSMART-SORTERミニ・ミディトマト、温州系柑橘などに対応する自動供給付き光センサー選果機。内部品質と大きさを計測し用途に応じて排果
三井金属計測機工株式会社SMART-SELECTOR(BK)バケット搬送式手載せタイプ。桃、リンゴ、梨、柑橘、トマト、馬鈴薯、玉ねぎなどに対応。糖度・熟度・酸度・内部障害等の対応項目は作物・仕様により異なる
三井金属計測機工株式会社SMART-SELECTOR(FT)トレイ搬送タイプ。リンゴ、桃、ブドウなどに対応。果実を転がしにくい搬送方式で、糖度・熟度・褐変・水果などを対象に選別
三井金属計測機工株式会社SMART-SORTER(PK)ピアノ鍵盤方式の自動供給型。温州系柑橘やトマト類などに対応。糖度・酸度・すあがり・浮皮・サイズなどを対象に選別
三井金属計測機工株式会社SMART-SORTER(BT)ベルト搬送式自動供給タイプ。ミニトマト・ミディトマトなどに対応し、糖度・酸度・熟度・サイズを測定
株式会社横崎製作所さくらんぼ大将 DLF1600ロードセル式重量選別。サクランボを4ランク+規格外に選別
株式会社横崎製作所じゃがいも大将 DVG3800Sロードセル式重量選別。5ランク+規格外、最大14,400個/時
株式会社横崎製作所ピーマン大将 DSG2000ロードセル式重量選別。ピーマンなどを3ランク+規格外に選別
株式会社横崎製作所大根大将 JRT7000ロードセル式重量選別。大根を3ランク+規格外に選別。処理能力3,000~3,600本/時
株式会社宝計機製作所TW-6 果実・野菜用画像処理選別機CCDカメラによって長さ、大きさ、色、傷などを判定。最大8階級、最大4,400個/時
株式会社宝計機製作所UVeye 画像処理腐敗検出装置紫外線による蛍光を画像処理し、果実の傷や腐敗部位を検出。スケルトンコンベヤで上下方向から撮影
株式会社宝計機製作所分太Ⅲ TBシリーズ重量を測定し音声とオプション表示ランプで選別ランクを案内する重量選別機。最大20ランク設定
株式会社ミツワ枝豆用色彩選別機 UDH-1-4E-EMシリーズカラーCCDカメラで枝豆の変色、黒点、虫食いなどを判定し不良莢をエアー排出。最大約400kg/時
株式会社ミツワえだまめ選別機 GS-300型未熟莢・一粒莢を機械的に除去。最大約350kg/時。品種や前後設備によって能力は変動
株式会社エトバスマイコンセンカキ くだもの用ロードセルを用いた重量選別機。梨、リンゴ、柿、桃、マンゴー、イチゴ、柑橘類など対象作物に応じた機種を設定
株式会社エトバスマイコンセンカキ やさい用トマト、サツマイモ、ジャガイモ、ナス、ニンジン、ピーマン、キュウリなどに対応する重量選別機
株式会社エフ・イー選別機・選果設備大根、馬鈴薯、ニンジン、タマネギ、南瓜、サツマイモなどを対象に、重量選別機、マルチセレクター、内部障害検査装置、選果施設を展開
トミタテクノロジー株式会社選果機サイズ、重量、色、糖度などを対象とした選果設備。対象作物や必要な計測方式に応じて構成

その他選果作業に役立つ機器取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名特徴
三井金属計測機工株式会社QSCOPE-DT 卓上型内部品質センサ梨、リンゴ、桃、すもも、マンゴー、トマト、柿などを対象とした卓上型内部品質センサ。糖度・酸度・熟度・水果・褐変など、測定可能項目は作物によって異なる
みのる産業株式会社リンゴ蜜検知機「蜜の調べ」AM-10LED光を利用してリンゴの蜜の有無を目視判定する補助器具。旧AM-1からAM-10へ更新

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