ハウスバンド固定具・ハウスバンド関連部材とは
ハウスバンド固定具・ハウスバンド関連部材とは、
ハウスバンドを
ハウスパイプ、
フィルム止めレール、
番線などへ固定したり、張力を調整したりするための部材と、
ハウスバンドの施工・回収作業を補助する器具の総称です。
固定具には、パイプへ直接取り付けるもの、
フィルム止めレールへ掛けるもの、
番線やより線へ取り付けるもの、
施工後に増し締めできるものなどがあります。
関連部材には、ハウスバンドをハウスの反対側へ通す投げ具、
バンドをねじれにくく繰り出す器具、
使用後のバンドを巻き取る器具などがあります。
固定具と施工補助具では役割が異なります。
ハウスバンド固定具は、ハウス本体を地盤へ固定するアンカーではありません。
ハウスバンドに生じた張力を、パイプ、レール、番線などの固定先へ伝える部材です。
ハウスバンド固定具の主な種類
パイプ取付タイプ
地際付近の横通しパイプなどへ取り付け、
ハウスバンドの端部を固定する方式です。
結束作業を簡略化したり、製品によっては施工後の増し締めを行ったりできます。
19~25mm用、32mm用など、
対応するパイプ外径を指定した製品があります。
対応径の異なる固定具を無理に装着してはいけません。
固定不足、変形、脱落につながります。
フィルム止めレール取付タイプ
フィルム止めレールへフックなどを取り付け、
ハウスバンドを固定する方式です。
東都興業のマイカシリーズなどがあります。
フィルム止めレールの商品には、東都興業の「ビニペット®」シリーズなどがあります。
「ビニペット®」は商品名であり、一般名称としてはフィルム止めレールなどと表現します。
固定具の突起やフックが
被覆フィルムへ接触すると、
風による振動で擦れ傷を生じる場合があります。
取付位置と向きを確認し、フィルムへの干渉を避けます。
番線・より線取付タイプ
ハウス側へ設置した番線やより線と、
ハウスバンドを接続する固定具です。
細幅バンド用と幅広バンド用では構造が異なる製品があります。
幅広バンドを細幅バンド用の固定具へ無理に取り付けないでください。
バンドが折れたり、荷重が狭い範囲へ集中したりして、
幅広バンド本来の使用状態から外れます。
増し締め機能付き固定具
施工後にハウスバンドが緩んだとき、
固定具を回転・操作して張力を調整できる製品があります。
佐藤産業の「クルピン」や清水樹脂工業の「クルクルバンド」などが該当します。
増し締めできることと、強く締め続けてよいことは別です。
ハウスバンドへ過大な張力を加えると、
フィルムとの接触部で摩擦や局部的な荷重が増える場合があります。
ハウスバンド位置保持部材
ハウスバンドが風で横方向へ移動し、
アーチパイプを乗り越えたり所定位置からずれたりするのを抑える部材もあります。
この種の部材はハウスバンドの位置を保持するためのもので、
増し締めや張力調整を行う固定具とは役割が異なります。
ハウスバンド施工を補助する関連部材
ハウスバンド投げ具
パイプハウスの反対側へハウスバンドを通す作業では、
専用の投げ具を利用できます。
佐藤産業の「大リーグボール」は、
ハウスバンドを取り付けてハウス上へ投げ渡すための専用器具です。
投げる方向に人や障害物がないことを確認して使用します。
繰り出し器
巻かれたハウスバンドを回転式ボビンなどへ載せ、
施工しながら繰り出すための器具です。
長尺のハウスバンドを地面へ置いたまま引き出すと、
ロールが転がったり、バンドがねじれたり絡んだりすることがあります。
繰り出し器は、このような作業を省力化するために使用します。
巻き取り器
撤去したハウスバンドを回収し、
ロール状に巻き取るための器具です。
再利用を予定する場合は、巻き取りながら
バンドの摩耗、切れ、伸び、被覆樹脂の劣化などを確認します。
明らかに劣化したハウスバンドは再使用しません。
固定具を選ぶときの確認事項
固定先を確認する
ハウスバンドをどこへ固定するかで、必要な固定具が変わります。
パイプ、フィルム止めレール、番線、より線など、
固定先を最初に確認します。
ハウスバンドの幅を確認する
ハウスバンドには、
10mm前後の細幅タイプから、
農PO向けなどに使用される数十mm~100mmを超える幅広タイプまであります。
固定具にも対応できるバンド幅があります。
例えばタキロンシーアイの「プルプルワイドEX」は、
同社の農PO専用ハウスバンド「スカイコートバンドEX」専用の固定具です。
固定具へ通ることと、適合していることは同じではありません。
専用品が指定されている場合は、その組み合わせを使用します。
対応するパイプ径・番線径を確認する
パイプ取付式ではパイプ外径、
番線取付式では使用できる番線径が製品ごとに設定されています。
例えば幅広バンド用固定具には、
「パイプ径○mmまで」「番線径○mmまで」と使用範囲を指定した製品があります。
メーカー仕様を確認して選定します。
異なるメーカーの部材を組み合わせる場合は適合を確認する
専用品として設計された固定具では、
特定のハウスバンドやフィルム止めレールとの組み合わせを前提にしている場合があります。
寸法だけが近い別製品へ流用すると、
固定不足、脱落、バンドの変形、
被覆フィルムとの干渉などが起こる可能性があります。
メーカーが組み合わせを指定している場合は、その仕様を優先します。
ハウスバンド固定具・ハウスバンド関連部材取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名・製品群 | 用途分類 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| 柿本興産株式会社 | Jバンド | パイプ取付・増し締め | ハウスバンドの固定・増し締め用。19~25mm用と32mm用の規格が確認できる。製造元は農業資材部品の製造を継続しているが、現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |
| タキロンシーアイ株式会社 | プルプルワイドEX | 農PO幅広バンド固定 | スカイコートバンドEX専用固定具。パイプ用はパイプ径40mmまで、番線用は番線径10mmまで。専用品のため他の幅広バンドへの適合は別途確認する。 |
| タキロンシーアイ株式会社 | ハウスセントメ・カカリ金 | フィルム押さえ線固定 | 農業用ハウスのフィルム押さえ留め具。ハウスセントメは外径4.0mm・長さ700mm、カカリ金は外径4.5mm・長さ480mm。ハウスバンド専用固定具とは用途が異なるため分類を明確にする。 |
| アイクス株式会社 | マードメ・マードメL・マードメⅡ・マーストッパー | ハウスバンド接続固定 | マードメはより線と細幅ハウスバンド、マードメLはより線と幅広バンド、マードメⅡはパイプとハウスバンド、マーストッパーはビニペット・ビニエースとハウスバンドの接続用。用途を取り違えない。 |
| 東都興業株式会社 | マイカEX・マイカシリーズ | フィルム止めレール用フック | ビニペットシリーズ等へ取り付けるハウスバンドフック。マイカEXは従来マイカシリーズの機能を集約した現行代表製品。フックと被覆フィルムの干渉を避けて施工する。 |
| 東都興業株式会社 | ハウスバンド振れ止めマイカ | ハウスバンド位置保持 | 風による振動でハウスバンドがアーチパイプを乗り越えたり、適正位置からずれたりすることを抑える部材。ミネ部のビニペットEXへ取り付ける。 |
| 清水樹脂工業株式会社 | クルクルバンド・ビニバンド | 固定・増し締め | ハウスバンドをワンタッチで止め・締めできる樹脂製固定具。メーカー公表の引張試験値は固定具単体の試験値であり、ハウス全体の耐風性能を示す値ではない。 |
| 株式会社槍木産業 | ごく楽 | ハウスバンド掛け・作業補助 | マイカ線・フィルム掛けや散水チューブ吊りなどに使用される作業補助具。メーカーは2026年版総合カタログを公開しているが、現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |
| 株式会社槍木産業 | マイカマン | ハウスバンド掛け | ハウスバンドを掛けるための金具。施工位置・使用方法を確認して使用する。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |
| 株式会社槍木産業 | テープパートナー | 繰り出し補助 | 回転式ボビンを使用し、ハウスバンドのねじれを抑えて繰り出す専用器。現行流通と2026年版メーカー総合カタログの存在を確認しているが、現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |
| 株式会社槍木産業 | テープリル | 繰り出し・巻き取り | ハウスバンドをねじれにくく繰り出し、使用後は専用ボビンへ巻き取る器具。現行流通と2026年版メーカー総合カタログの存在を確認しているが、現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |
| 佐藤産業株式会社 | クルピン | 固定・増し締め | 増し締め機能付きハウスバンド固定具。締める・緩める調整が可能。増し締め可能でも過度な張力を掛けない。 |
| 佐藤産業株式会社 | 大リーグボール | ハウスバンド投げ具 | 温室ハウス上へハウスバンドを投げ渡すための専用ボール。10~120mm幅に対応。人へ向けず、周囲の安全を確認して使用する。 |
施工・点検時の注意点
固定具だけを強化しない
強度の高い固定具へ交換しても、
ハウスバンド、固定先のパイプ、番線、
フィルム止めレールなどが先に損傷すれば、
固定系統全体として機能しません。
固定具から固定先まで一体で確認します。
既設ハウスでは、地際付近のパイプや金属部材の腐食も確認してください。
ハウスバンドを張り過ぎない
増し締め機能があっても、
フィルムのばたつきが完全になくなるまで強く締め続けるのは適切ではありません。
風によって被覆フィルムが動くと、
フィルムとハウスバンドの接触部で繰り返し摩擦が生じます。
張力が過大であれば、固定具が外れなくてもフィルム側が損傷する場合があります。
フック・固定具の変形や腐食を確認する
金属製の固定具では、
さび、曲がり、摩耗、亀裂、フック部の開きなどを確認します。
著しく変形した部品を曲げ戻して再使用した場合、
元の性能が維持されているか外観だけでは判断できません。
交換を検討します。
フィルム交換時も固定具を点検する
被覆フィルムを交換するときは、
フィルム止めレール、
フィルム止めスプリング、
ハウスバンド固定具も同時に確認します。
フィルムだけを新品へ交換しても、
固定部品に変形や腐食が残っていれば、
新しいフィルムを傷付けたり固定不足を起こしたりする可能性があります。
台風・強風前は固定部まで確認する
台風や強風が予想される場合は、
ハウスバンドの緩みだけでなく、
固定具の脱落・変形、固定先の腐食、
パッカー、
パイプハウス部品、
被覆フィルムの破れやたるみも確認します。
よくある誤判断
「増し締めできるだけ締めれば安全」
誤りです。
過大な張力は、ハウスバンドや被覆フィルムへ負荷を集中させます。
固定具の調整範囲ではなく、使用する資材の施工条件に合わせます。
「固定具が外れなければ問題ない」
固定具が残っていても、
ハウスバンド、被覆フィルム、番線、パイプ、レールなどが
先に破損する場合があります。
荷重が伝わる一連の部材を確認します。
「どの固定具でも幅広バンドを固定できる」
製品によって対応するバンド幅や構造が異なります。
専用固定具が指定されている場合は、その製品を使用します。
「ハウスバンド固定具はハウスのアンカーになる」
役割が異なります。
ハウスバンド固定具はバンドを保持・調整する部材で、
ハウス本体を地盤へ固定するアンカーや基礎部材ではありません。
関連する資材分類・農業用語
- ハウスバンド(資材・製品)
- ハウスバンドとは
- パッカー
- パイプハウス部品
- 農業用鋼管・ハウスパイプ
- ハウス被覆資材
- 農業用ビニール(農ビ)
- 農業用ポリオレフィン(農PO)
- フィルム止めレール
- フィルム止めスプリング
- ビニールハウス
- 被覆資材