硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)

硝酸態窒素とは

硝酸態窒素とは、硝酸イオン(NO3−)の形で存在する窒素を、
窒素量として表したものです。
畑作物や野菜が利用する主要な無機態窒素の一つです。

土壌中では、有機物や肥料由来のアンモニア態窒素が
微生物の働きによる硝酸化成を受けることで硝酸態窒素へ変化します。

硝酸態窒素の特徴

硝酸イオンは陰イオンであり、多くの農耕地土壌では土壌粒子に保持されにくく、
土壌水とともに移動しやすい性質があります。
降雨や過剰な灌水によって根域より下へ移動することもあります。

土壌中の硝酸態窒素量は一定ではありません。
作物による吸収、施肥、灌水、降雨、地温、土壌水分、
有機物の分解や硝酸化成などによって変化します。

土壌診断での硝酸態窒素

施設園芸では、土壌に残存する窒素量を把握するため、
硝酸態窒素を測定することがあります。
残存量が多い圃場へ基肥窒素を慣行量のまま施用すると、
養分過剰やEC上昇につながる場合があります。

ECも土壌中のイオン濃度を把握する指標ですが、
ECだけでは硝酸態窒素の量を特定できません。
塩化物、硫酸塩など他のイオンによってECが高くなる場合もあります。
必要に応じて硝酸態窒素を直接分析します。

硝酸態窒素の測定値を見るときの注意

測定値だけを見て追肥の要否を決めてはいけません。
作物、生育段階、根域深、採土位置、採土時期、
施肥履歴、灌水・降雨条件を併せて確認します。

簡易試験紙や携帯測定器は迅速な判断に利用できますが、
抽出方法や土壌と水の割合が異なる測定値を、
別の分析法による診断基準へそのまま当てはめることはできません。

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