薬剤散布とは
薬剤散布とは、農業では主に農薬などの薬剤を作物、土壌、施設などへ散布する作業を指します。
噴霧器、動力噴霧機、スピードスプレーヤー、ブームスプレーヤー、無人航空機など、作物や栽培方法に応じた散布機器が利用されます。
農業現場では「農薬散布」とほぼ同じ意味で使われる場合がありますが、
「薬剤」という言葉そのものがすべて農薬取締法上の農薬を意味するわけではありません。
農薬はすべて散布して使うわけではない
農薬には茎葉への散布だけでなく、土壌処理、粒剤施用、種子処理、灌注、塗布、くん蒸などさまざまな使用方法があります。
したがって、「農薬使用=薬剤散布」ではありません。
使用方法は製品ごとの登録内容で決められています。
対象作物や病害虫が同じでも、別の農薬と同じ方法で使用できるとは限りません。
薬剤散布前に確認する項目
散布前には、対象作物、対象病害虫・雑草、使用時期、使用量・濃度、
希釈倍率、使用液量、使用回数、使用方法を確認します。
散布機のタンク容量だけを基準に薬量を決めるのは誤りです。
登録された希釈倍率と使用液量を確認し、必要な散布液量から薬量を計算します。
散布精度と飛散を確認する
同じ薬液量でも、ノズル、圧力、走行速度、散布距離、作物の葉量などによって付着状態は変わります。
必要以上に高い圧力で散布すると細かな液滴が増え、周辺への飛散が増える場合があります。
風が強い条件では散布を避け、周辺作物、住宅、水路、養蜂などへの影響も確認します。
散布機器ではノズルの摩耗や詰まり、左右の吐出量の違いも散布むらの原因になります。
散布者の防護装備を確認する
農薬の調製・散布時には、使用する農薬のラベルに記載された被害防止方法を確認します。
農薬用マスク、保護メガネ、不浸透性手袋、防除衣などが指定されている場合は、その指示に適合する製品を使用します。
一般的な衛生用マスクやUVカットマスクは、農薬用の呼吸用保護具の代用品ではありません。
また、軍手や一般作業用手袋も、不浸透性手袋が指定されている作業には適しません。
散布後の洗浄にも注意する
散布作業が終わっても、農薬取扱作業は終わりではありません。
タンク、ホース、ノズルなどの洗浄時にも残液へ接触する可能性があります。
洗浄水や残液を水路や河川へ流してはいけません。
使用した農薬のラベルや散布機器の取扱説明に従い、適切に処理します。
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