電気牧柵(電気柵・電気さく)とは
電気牧柵(電気柵・電気さく)は、圃場の周囲に張った柵線へ瞬間的な電流を流し、接触したイノシシ、シカ、サルなどの野生動物に電気刺激を与えることで、農地への侵入を防ぐ設備です。
単に動物を物理的に押し返す柵ではなく、一度柵線に触れて電気刺激を受けた動物に「ここへ近づくと危険」と学習させる心理的な侵入防止効果を利用します。
電源には乾電池、蓄電池、ソーラー式、AC電源式などがあり、商用電源を確保しにくい中山間地や離れた圃場にも設置できます。ただし、対象となる動物によって適切な柵線の高さ・段数・間隔が異なるため、対象獣種に合わせた設計が必要です。
また、柵線へ雑草や枝などが触れると漏電して電圧が低下し、防除効果が著しく低下することがあります。設置後も草刈り、柵線のたるみや断線の確認、アース状態の確認、テスターによる電圧確認などの維持管理が重要です。
電気柵を設置する際の安全対策
電気柵は高電圧の電気を使用する設備であるため、正しい電気さく用電源装置を使用し、法令やメーカーの施工方法に従って設置する必要があります。
特に、人が確認しやすい場所への危険表示、適切な電気さく用電源装置の使用、電源条件や設置場所に応じた漏電遮断器、容易に電源を切ることのできる開閉器など、安全対策が必要です。
家庭用コンセントなどから独自に配線して柵線へ直接電気を流すことは非常に危険です。必ず電気柵専用として設計された電源装置を使用してください。
金属柵・金網フェンスとは
金属柵・金網フェンスは、ワイヤーメッシュ、溶接金網、メッシュフェンスなどを圃場の周囲に設置し、野生動物の侵入を物理的に防止する防護柵です。
電気柵のように通電を必要としないため、電源や漏電管理を必要としないことが特徴です。一方、対象となる動物に対して柵の高さ、網目、線径、支柱間隔、地際の固定方法などが適切でなければ、柵を押し倒す、飛び越える、下部を掘る、隙間から侵入するといった問題が発生します。
特にイノシシ対策では地際からの侵入、シカ対策では飛び越え、サル対策では登攀を考慮する必要があります。サルは一般的な金網柵を登ることができるため、金網だけでは十分な侵入防止効果が得られない場合があり、上部への電気柵の追加など複合的な対策が利用されます。
金属柵・金網フェンスの設置費用は、柵の高さ・延長・地形・支柱・基礎・施工方法などによって大きく変わります。そのため、電気柵より安価または高価と一律に判断することはできません。
電気柵・金属柵を選ぶ際のポイント
| 方式 | 特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 電気柵 | 比較的軽量で設置・撤去しやすく、対象獣種に合わせて柵線の高さや段数を変更できる | 電源、アース、電圧確認、雑草による漏電対策など継続的な管理が必要 |
| 金属柵・金網フェンス | 物理的に侵入を防止し、通電を必要としない | 地際の隙間、掘り返し、飛び越え、登攀、破損などへの対策が必要 |
| 複合柵 | 金網・ネットなどの物理柵と電気柵を組み合わせて侵入防止効果を高める | 対象獣種の行動特性に合わせた配置と維持管理が必要 |
電気牧柵・金属柵・金網フェンス取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品・シリーズ | 種別 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 電気柵 | 電気さく用電源装置、柵線、支柱等。乾電池・ソーラー・AC電源など用途に応じた機種を展開 | ||
| 電気柵 | イノシシ・シカなどの鳥獣害対策用電気柵。電気柵本器や関連資材を展開 | ||
| 電気柵・恒久柵 | Gallagher社製電気柵、ソーラー式電源装置、フィールドフェンスなどを取り扱う | ||
| 電気柵用支柱 | 移動・固定がしやすい碍子付き電気柵用支柱 | ||
| 防獣柵 | 金属線と樹脂線を組み合わせた防獣柵。シカ向け・イノシシ向け仕様を設定 | ||
| 金網防獣柵 | 特殊な金網構造を使用した獣害防止柵。掘り返し防止網などにも対応 | ||
| 金網+電気柵 | 金網に通電部を組み合わせた複合型防獣柵。イノシシなどの侵入対策向け |