捕獲器

捕獲器

捕獲器とは

捕獲器(わな)とは、イノシシ、ニホンジカ、サル、ハクビシンなどの野生獣や、特定外来生物に指定されているアライグマ・ヌートリアなどを捕獲するために使用する器具です。
農作物被害の軽減や個体数管理などを目的として、箱わな、囲いわな、くくりわななどが利用されています。

捕獲は鳥獣被害対策の一つですが、捕獲だけで被害を解決できるとは限りません。
電気柵・金網・防獣ネットなどによる侵入防止、放任果樹や収穫残さなど野生動物を引き寄せる要因の除去、追払いなどと組み合わせて対策することが重要です。

捕獲器を使用する前に許可・資格を確認する

野生鳥獣の捕獲は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)によって原則として禁止されています。
捕獲を行う場合は、狩猟として行う場合と、農林業被害の防止などを目的とした許可捕獲として行う場合で必要な手続きが異なります。

狩猟期間中に法定猟法としてわなを使用する場合は、原則として「わな猟免許」を取得し、捕獲を行う都道府県で狩猟者登録を行う必要があります。
一方、農作物被害の防止や個体数調整などを目的とする許可捕獲では、捕獲許可を受け、許可された鳥獣、期間、区域、捕獲方法などの条件に従って実施します。

捕獲許可の権限は原則として環境大臣または都道府県知事にありますが、多くの都道府県では一部の権限が市町村へ移譲されています。
捕獲器を購入・設置する前に、都道府県または市町村の鳥獣被害対策担当部署へ、対象鳥獣、捕獲目的、使用するわなの種類を伝えて必要な手続きを確認してください。

なお、法律上の例外や地域独自の捕獲制度、認定鳥獣捕獲等事業、外来生物法に基づく防除などが適用される場合もあります。
自己判断で捕獲を開始せず、地域の行政機関が示す手続きに従ってください。

アライグマ・ヌートリアなどの外来生物を捕獲する場合

アライグマやヌートリアは、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されています。
地域によっては、自治体などが作成した防除計画に基づいて箱わなによる捕獲を実施している場合があります。

特定外来生物は、捕獲だけでなく捕獲後の取扱いや運搬などにも外来生物法上の規制が関係します。
自治体の防除事業へ参加する場合も含め、地域の手順に従ってください。

主な捕獲器・わなの種類

箱わな

箱わなは、金属製の檻などの内部へ対象動物を誘導し、仕掛けが作動すると扉が閉じて動物を檻内へ捕獲する方式です。
イノシシ・シカなどの大型獣から、アライグマ・ハクビシンなどの中型獣まで、対象に応じたさまざまな大きさの製品があります。

対象動物の体格に合った寸法や強度だけでなく、扉方式、仕掛け方式、移動・組立方法、安全装置なども確認して選定します。

囲いわな

囲いわなは、柵などで広い範囲を囲い、その内部へ侵入した野生獣をゲートによって捕獲する方式です。
イノシシ、シカ、サルなどを対象とし、複数頭を同時に捕獲するために利用される製品もあります。

箱わなより大型になるため、設置面積、地形、搬入方法、ゲート構造、捕獲後の対応まで含めて計画する必要があります。

くくりわな

くくりわなは、動物が仕掛けを踏むなどした際にワイヤーなどで脚を捕らえる方式です。
設置場所を選びやすい一方、対象外の動物を誤って捕獲する「錯誤捕獲」や、人・ペットとの接触事故などに十分注意する必要があります。

狩猟でイノシシ・ニホンジカなどを対象として使用するくくりわなには、輪の大きさ、ワイヤー径、締付け防止金具などについて法令上の制限があります。
また、許可捕獲では許可条件が別途定められる場合があります。
製品が市販されていることだけを理由に使用可能と判断せず、使用地域と捕獲方法に適用される条件を確認してください。

ICT・自動捕獲システムを組み合わせた捕獲

現在では、センサーやカメラ、通信機器を箱わな・囲いわなと組み合わせ、野生獣の侵入確認、捕獲通知、遠隔監視、自動捕獲などを行うシステムも利用されています。

ICT機器を利用することで見回り作業の省力化や捕獲状況の把握がしやすくなりますが、ICT機器そのものが鳥獣被害対策を完結させるものではありません。
対象獣の行動把握、わなの設置場所、餌付け、見回り、安全管理などの基本的な捕獲管理と組み合わせて利用します。

捕獲器を選ぶポイント

  • 対象となる鳥獣の種類と体格を確認する
  • 箱わな、囲いわな、くくりわななど適切な方式を選ぶ
  • 使用地域で必要な捕獲許可・狩猟免許・登録を確認する
  • 対象外の動物を捕獲する錯誤捕獲のリスクを確認する
  • クマ類など大型動物が生息する地域では特に行政機関や専門家へ相談する
  • 捕獲後の対応方法まで事前に決めておく
  • 箱わなでは対象獣に適した寸法・強度・扉構造を確認する
  • 大型製品では運搬・組立・移動に必要な人数や機械を確認する
  • ICT機器を利用する場合は通信環境・電源・通知方法も確認する

錯誤捕獲と安全管理に注意する

捕獲器には目的とする動物以外の鳥獣が入る場合があります。
特に複数の野生動物が生息する地域では、対象外の動物や保護対象の鳥獣が捕獲される可能性を考慮する必要があります。

捕獲器の設置場所では、人、子ども、ペットなどが不用意に近づかないよう安全対策を行い、許可条件や自治体の指示に従って見回り・管理してください。

大型の野生獣を捕獲した場合は、檻の外からでも人へ危害を及ぼすことがあります。
不用意に近づかず、捕獲後の処置や放獣などは、捕獲許可の条件や自治体の指示に従い、必要に応じて経験のある捕獲従事者へ対応を依頼してください。

捕獲器は侵入防止対策と組み合わせる

捕獲によって一時的に個体数を減らしても、農地に餌となる作物や収穫残さが残り、侵入しやすい状態が続けば、別の個体が再び侵入することがあります。

電気柵、金属柵、防獣ネットなどで農地への侵入を防ぎ、放任果樹、廃棄作物、収穫残さなど野生動物を誘引するものを管理するとともに、必要に応じて捕獲を組み合わせることが重要です。

捕獲器取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名方式・主な対象主な特徴
株式会社アイエスイー楽おり箱わな/イノシシ・シカなどパイプ連結式の箱わな。高強度剛板ゲート、安全ストッパーなどを備え、設置場所や対象獣に応じた仕様変更にも対応
株式会社アイエスイーアニマルセンサー2自動捕獲支援/箱わな等獣の大きさを判別してゲート作動を制御するセンサー式自動捕獲システム。捕獲檻本体は製品に含まれない
有限会社協和リクレイムはこわな NBシリーズ箱わな/イノシシ・シカ・サルなど対象獣や設置条件に応じて片開き・両開きなど複数の仕様を展開。NB10RS、NB18RSなど
有限会社協和リクレイム囲いわな BSシリーズ囲いわな/イノシシ・シカ・サルなどBS23・BS24、BS44・BS46、BS100Rなどを展開。複数頭捕獲に対応する大型捕獲柵を含む
株式会社三生Newスーパーマグナム足くくりわな本体アームとワイヤーを分離した構造。踏み荷重を調整でき、NSMD-00型・NSMD-0型を設定。使用地域の法令・許可条件に適合する仕様を確認して使用
有限会社栄工業栄ヒルズ E type NO.601箱わな/イノシシ・シカ片開き大型箱わな。組立式で、脱出防止・足挟み防止などの安全機構を備える
有限会社栄工業栄ヒルズ F type NO.608くくりわな/イノシシ・シカ筒式のくくりわな。ワイヤー径5.0mm、長さ約3.7m。使用地域の法令・許可条件を確認して使用
株式会社ミフジミフジトラップ 大型獣用箱罠箱わな/イノシシ・シカ標準・コンパクト、片面落とし・両面落としなど複数仕様を展開。分割組立式
株式会社ミフジミフジトラップ MF1250・MFT1250箱わな/サル・タヌキ・アライグマなど中型獣用箱わな。MF1250は踏み板式、MFT1250は脚付きタイプを設定

鳥獣被害対策の参考情報

農林水産省:鳥獣被害対策コーナー

鳥獣被害対策に関する制度、マニュアル、捕獲・侵入防止技術、ICT機器、支援制度などの情報が掲載されています。

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