防獣忌避材とは
防獣忌避材とは、イノシシ・シカ・サル・ハクビシンなどの野生鳥獣が嫌がるとされる臭い・味・触覚・光などの刺激や、動物が歩きにくい・侵入しにくい構造を利用して、農地や施設への接近・侵入を抑えるための資材です。
製品には、臭気成分を利用するもの、視覚的な刺激を利用するもの、ジェルなどの触覚刺激を利用するもの、地面や侵入経路に設置して動物が通過しにくくするものなどがあります。
ただし、防獣忌避材だけで野生鳥獣の侵入を完全に防げるとは限りません。特に臭い・光・音などを利用した資材は、対象動物の個体差や周辺環境によって効果が異なり、刺激に慣れることで効果が低下する場合があります。
そのため、農地で継続的な鳥獣害が発生している場合は、防獣忌避材だけに依存せず、電気柵・金属柵・防獣ネットなどの侵入防止設備、侵入経路の管理、放任果樹や収穫残渣など野生動物を誘引する要因の除去などと組み合わせて対策することが重要です。
防獣忌避材の主な種類
- 臭気・成分を利用するタイプ:動物が嫌うとされる臭いや刺激成分を利用し、対象区域への接近を抑える資材。
- 視覚・光を利用するタイプ:光、色、反射、揺れなどによる刺激を利用して警戒させる資材。
- 触覚を利用するタイプ:ジェルなど、動物が触れることを嫌がる性質を利用した資材。
- 歩行・侵入を抑制するタイプ:蹄を持つイノシシやシカなどが歩きにくい形状や構造を侵入経路へ設置する資材。
- 複合タイプ:臭気・視覚・触覚など複数の刺激を組み合わせた資材。
防獣忌避材を選ぶ際の注意点
対象となる動物を確認する
イノシシ、シカ、サル、ハクビシン、鳥類などでは行動特性が異なります。対象動物が製品の用途に含まれているかを確認してください。
効果の持続期間だけで判断しない
臭気や成分を利用する資材では、雨、風、気温、設置場所などによって効果や持続期間が変化します。メーカーが表示する持続期間は、使用環境によって変わる場合があります。
「慣れ」が生じる可能性を考える
光・音・臭いなど、動物に直接的な不利益を与えない刺激は、繰り返し経験することで警戒しなくなる場合があります。長期間の侵入防止を目的とする場合は、防獣ネット、金属柵、電気柵などとの併用を検討してください。
「忌避剤(農薬)」と「忌避資材」を区別する
農林水産省では、農薬取締法に基づいて登録された「忌避剤」と、一般に販売されている臭気・光・ジェルなどを利用した「忌避資材」を区別しています。農作物へ使用する農薬は、登録された対象作物・対象鳥獣・使用方法などを守って使用する必要があります。
防獣忌避材取り扱いメーカー・代理店
| メーカー・取扱先 | 製品名 | 種別・主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 臭気・成分利用/イノシシ・シカ・サル・ハクビシン等 | 寿産業有限会社のヒトデ由来原料を使用した忌避資材。対象動物、使用方法、持続期間は使用環境によって異なるため製品説明を確認 | ||
| 物理的侵入抑制/イノシシ・シカ | 蹄を持つ動物が通過しにくい構造を利用したグレーチング付きU字溝。農道などの出入口対策向け | ||
| 物理的侵入抑制/イノシシ・シカ | ハニカム構造を利用した侵入抑制資材。軽量化されたユニットを連結して設置 | ||
| 物理的侵入抑制/イノシシ・シカ | 地面から少し浮かせたネット状資材を侵入経路へ設置し、蹄を持つ動物が通過しにくい状態をつくる資材 | ||
| 臭気・視覚利用/シカ・イノシシ・イノブタ等 | カプサイシンを含む資材と色・揺れを利用する忌避資材。メーカーもネット・柵など他の対策との併用を推奨 | ||
| ジェル型忌避資材/ハト | ハトが止まる場所などへ施工するジェル状の鳥類飛来防止用忌避資材 | ||
| ジェル型忌避資材/ネコ | 侵入口や通路などへ塗布して使用する猫用ジェル状忌避資材 | ||
| 臭気利用/シカ・イノシシ・クマ等 | オオカミの尿を利用した臭気型忌避資材。効果は対象動物の個体差や周辺環境によって異なる |