温度計・地温計・湿度計

温度計・地温計・湿度計

温度計・地温計・湿度計とは

農業用の温度計・地温計・湿度計は、圃場や施設内の気温、土壌・培地の温度、空気の相対湿度などを測定し、発芽・育苗、生育管理、換気、加温、加湿・除湿などの判断に用いる計測機器です。

施設園芸では、温度と湿度を組み合わせて飽差を確認することで、作物の蒸散や気孔の開閉に関係する栽培環境を評価する材料になります。
ただし、温度や湿度の測定値はセンサーの設置場所によって大きく変わるため、機器の精度だけでなく、設置位置や測定条件を適切にそろえることが重要です。

気温・地温・湿度で確認できること

  • 気温:
    施設内や圃場の空気温度を測定します。換気、暖房、保温、育苗管理などの基本的な判断材料になります。
    ただし、直射日光を受けたセンサーは周囲の空気より高温になることがあり、その値をそのまま「気温」と判断することはできません。
  • 地温:
    土壌や培地の温度を測定します。発芽、育苗、根の生育、根域加温などの管理に利用します。
    地温は測定深さによって値が異なるため、比較する場合は測定深度をそろえる必要があります。
  • 相対湿度:
    空気中の水蒸気量を、その温度で保持できる最大水蒸気量に対する割合として表した値です。
    相対湿度は温度によって変化するため、湿度だけを見るのではなく、施設園芸では温度と組み合わせて飽差を確認する方法が有効です。
  • 積算温度:
    一定期間の温度を積み上げた指標で、作物の発育や成熟時期などを予測する際に利用されます。
    作物・品種・計算方法・積算開始時点によって基準が異なるため、特定の積算温度だけで収穫適期を一律に判断することはできません。

温度計・湿度計の主な種類

  • アナログ温度計:ガラス製温度計、バイメタル式など。電源を必要としない製品が多く、簡易な確認に使用されます。
  • デジタル温度計:温度を数値表示するタイプで、外部プローブを使用して地温、培地温、液温などを測定できる製品もあります。
  • 最高最低温度計:一定期間の最高温度と最低温度を記録し、夜間の低温や日中の高温を確認できます。
  • 温湿度計:温度と相対湿度を同時に測定します。施設園芸の環境確認に広く利用されています。
  • データロガー:温度・湿度を一定間隔で自動記録し、時間変化を確認できます。長期間の環境把握や異常の検証に適しています。
  • 遠隔監視型センサー:無線通信やインターネットを利用して温湿度を記録・確認するタイプです。警報通知や環境制御システムと組み合わせる製品もあります。
  • 飽差計:温度と湿度から飽差を算出・表示し、施設内の蒸散環境を確認するために使用します。

選定時に確認するポイント

  • 測定範囲:冬季の低温から夏季の施設内高温まで、実際に使用する環境を測定できる範囲か確認します。
  • 測定精度:表示桁数の細かさと測定精度は同じではありません。必要な精度を仕様書で確認します。
  • センサー形状:気温、地温、培地温、液温など、測定対象に適したプローブ形状や長さを選びます。
  • 防水・防塵性能:施設内では灌水、水滴、結露、細霧設備などの影響を受けるため、本体だけでなくセンサー部の保護性能も確認します。
  • 記録機能:最高・最低値、データロギング、クラウド保存、警報通知など、目的に必要な機能を確認します。
  • 校正・センサー交換:長期間使用する場合は、校正の可否やセンサー交換、メーカーサポートの有無も重要です。

設置・測定時の注意点

  • 温度センサーへ直射日光を当てない:
    日射を受けたセンサー自体が加熱され、実際の気温より高い値を示す場合があります。
    気温測定では適切な通風と日射遮蔽を確保します。
  • 暖房機や換気口の近くを代表値にしない:
    温風、外気、側窓、天窓などの影響を強く受ける場所では、施設全体を代表する温度になりません。
  • 作物から離れすぎた位置だけで判断しない:
    施設園芸では作物群落付近と施設上部で温湿度が異なる場合があります。栽培管理を目的とする場合は、作物周辺の環境を把握できる位置が基本になります。
  • 地温の測定深度を統一する:
    地表付近と根域では温度変化が異なります。継続比較する場合は、測定位置と深さをそろえます。
  • 湿度センサーを直接ぬらさない:
    結露や細霧、灌水水がセンサーへ直接付着すると、異常値や応答遅延、センサー劣化の原因になる場合があります。
  • 大きな施設を1か所だけで判断しない:
    長いハウスや連棟ハウスでは、方位、換気状態、暖房、日射などによって温湿度分布が生じます。必要に応じて複数地点で測定します。

よくある測定上の間違い

  • 「湿度70%なら適正」と固定的に判断する:
    相対湿度は温度によって意味が変わります。同じ70%でも温度が異なれば飽差は異なるため、施設園芸では温度と併せて評価します。
  • 直射日光を受けた温度計の値を気温と考える:
    測っているのは周囲の空気温度ではなく、日射で暖められたセンサー温度に近くなる場合があります。
  • 地表面の温度をそのまま地温と考える:
    地温は深さによって大きく異なります。根域管理を目的とする場合は、対象となる深さで測定します。
  • 表示桁数が多い機器ほど正確だと判断する:
    0.1℃まで表示できても、測定精度が±0.5℃などであれば0.1℃単位の表示がそのまま測定精度を意味するわけではありません。
  • 積算温度だけで収穫日を決める:
    積算温度は有用な予測指標ですが、品種、積算開始時点、日射、着果状態などによって実際の成熟は変化します。

温度計・地温計・湿度計取り扱いメーカー・代理店

製造・発売元製品名特徴
株式会社佐藤計量器製作所地温・気温用温度計 No.0520-00地温と気温の測定に対応する温度計。農業・園芸での地温確認に使用
株式会社佐藤計量器製作所防滴型デジタル温度計 PC-9225農業・施設園芸などに対応するデジタル温度計。最高・最低温度表示機能付き
株式会社佐藤計量器製作所防水型デジタル温度計 PC-9215Ⅱ防水性能を備えたセンサ一体型デジタル温度計
シンワ測定株式会社積算温度計 防水型 73480積算温度、平均温度などを確認できる防水型温度計。作物管理などに利用
シンワ測定株式会社地温計 O-2 ホワイト 72622発芽・育苗・鉢植えなどの地温確認に使用する地温計
株式会社アイシーサーモ230 ニュー地温計農業・園芸用途の地温測定用温度計
株式会社アイシー育苗用・堆肥用温度計育苗床や堆肥など用途に応じた長尺温度計を展開
株式会社テクネ計測EE210 温湿度計温度・相対湿度のほか露点などを演算。農業・植物工場用途にも対応
Kemy Creative 合同会社ケミオット IoTシステム/温湿度センサハウス内の温度・湿度などを計測・記録し、遠隔確認に対応するIoT計測システム
株式会社チノーハンディ形飽差計 MH500園芸施設の飽差管理向け。温度・湿度を測定し飽差を表示
株式会社ティアンドデイおんどとり TR72A2-S高精度温湿度センサを使用したデータロガー。無線通信・クラウドによる記録や監視に対応

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