ピートモス(ぴーともす)は泥炭由来の培地原料です。単体で生育改善を断定できず、粒度・乾燥撥水・灌水履歴を含めて根域条件で判断します。
ピートモスの概要
■ピートモスとは
ピートモスとは、ミズゴケやヨシなどの植物が湿地帯で長期間堆積し、腐植化した泥炭(でいたん)を乾燥・粉砕した土壌改良資材のことです。
多孔質でスポンジのような構造を持ち、保水性・通気性・保肥力(CEC)を高める効果に優れています。
原産地では強酸性(pH3.5〜4.5程度)を示しますが、製品には石灰等で中和されたものと、酸性のままのものが存在します。
■現場での判断・注意点
物理性の改善や酸度調整に有効ですが、使用にあたっては以下の性質を理解し、資材の規格を確認する必要があります。
- 製品規格(pH)の確認が必須
「酸度無調整」と「酸度調整済み」では用途が正反対になります。
パッケージの記載を必ず確認し、一般的な野菜・花卉には「調整済み」、ブルーベリー等の好酸性作物には「無調整」を選択します。
- 乾燥時の撥水性(水を弾く性質)
一度完全に乾燥すると水を弾きやすくなり、再吸水させるのが困難になる性質があります。
使用前にはあらかじめ水を含ませておくか、土壌とよく混和させて、乾燥によるドライスポット(不透水層)の発生を防ぐ管理が重要です。
- 分解速度と持続性
堆肥に比べて繊維が分解されにくいため、物理性の改良効果が比較的長く続きます。
ただし、有機物としての肥料成分はほとんど含まれていないため、元肥としての効果は期待できません。
「酸度無調整」と「酸度調整済み」の違い
ピートモスは加工段階での処理により、明確に用途が異なります。
混同して使用すると、pH障害や生育不良の直接的な原因となるため注意が必要です。
- 酸度無調整(pH3.5〜4.5)
採掘・乾燥させたそのままの状態です。
強い酸性を示すため、ブルーベリー、サツキ、ツツジなどの酸性土壌を好む植物の植え付けや、アルカリ性に傾いた土壌のpH矯正に使用します。
- 酸度調整済み(pH6.0〜6.5)
石灰などを加えて、多くの作物が育ちやすい弱酸性〜中性に調整されたものです。
一般的な野菜の育苗培地、花壇の土壌改良、ハンギングバスケットの軽量土壌として広く使用されます。
ピートモス