日向土の概要
日向土(ひゅうがつち)とは、宮崎県南部を中心に産出される火山噴出物由来の軽石質粒状資材であり、溶解する土ではなく、粒の内部に多数の空隙(くうげき)を持つ多孔質構造によって通気性・排水性を確保する無機質の用土資材です。
園芸・施設栽培では、鉢底石、培養土の物理性改良材、通気確保用骨材として利用されます。一般に「軽石」と総称される資材群に含まれますが、日向土は粒が比較的硬く崩れにくいため、使用中に粉化しにくいという特性を持ち、根域の通気性を安定して維持しやすい点が特徴です。そのため、山野草や洋蘭など、根の健全性を重視する作物で多く用いられます。
日向土の詳細説明
日向土は、火山活動によって生成された軽石質堆積物を原料とする無機質の用土資材です。最大の特徴は、粒内部に連続した微細孔を持つ点にあり、これにより空気と水の通り道を同時に確保する「物理性改善資材」として機能します。ここで重要なのは、日向土が保水材ではないという点です。内部に孔はありますが、腐植質のように水分を保持する性質は弱く、排水性・通気性を優先する用途に限定して評価すべき資材です。
pHは一般に弱酸性〜中性域に収まり、施肥設計に大きな影響を与える可溶成分は少ないため、化学的に安定した資材といえます。ただし「中性だから万能」という理解は誤りで、日向土は養分供給機能をほぼ持たないため、単用では生育不良を招きます。必ず培養土・腐植資材・肥料と組み合わせて使用することが前提です。
現場で特に問題になりやすいのは粒径管理です。細粒分が多すぎる日向土は、使用中に粉化・沈降して目詰まりを起こし、通気性を著しく低下させます。逆に粒が粗すぎる場合は、保水不足や根の活着不良を招きます。用途に応じて粒径(小粒・中粒・大粒)を明確に選別することが、日向土を「使える資材」にする最低条件です。
また、安価な類似軽石では、輸送や袋詰め時の破砕により粉塵が多く混入している例があります。使用前に水洗いし、洗浄後も白濁が沈静化せず、上澄みが透明にならない場合は不良ロットと判断するのが実務的です。この状態では空隙構造が機能せず、通気資材としての価値は大きく低下します。
日向土(ひゅうがつち)
日向土の役目と役割
日向土は「栄養を与える土」ではなく、根域に空気と水の通り道を確保し、培土の物理構造を安定させるための無機質構造材(培土の骨格を担う資材)として位置づけられます。
- 通気性の確保:根圏に酸素が供給されやすい状態を維持し、嫌気障害や根腐れの発生を抑える
- 排水性の改善:過剰な水分を速やかに排出し、過湿状態の長期化を防ぐ
- 培土構造の安定化:有機物主体の培土が沈下・圧密するのを防ぎ、根域環境の劣化を抑制する






