アワヨトウ(あわよとう)

アワヨトウ(あわよとう)
アワヨトウ(あわよとう)は、トウモロコシやイネなどの葉を集団で食害し、農作物に深刻な被害をもたらす

アワヨトウ(あわよとう)とは、チョウ目ヤガ科に属する昆虫で、学名はMythimna separata(ミティムナ・セパラータ)です。

主にトウモロコシやイネなどの穀物類を加害することで知られており、日本各地の畑や水田で発生し、農業における代表的な害虫の一種とされています。

ふ化直後の幼虫は葉の裏に集団で付着し、短時間で大量の葉を食害します。老齢幼虫になると色が黒くなり、非常に活動的となり、夜間を中心に激しく作物を加害します。ときには大量発生し、大規模な移動(飛来)によって広範囲に被害が拡大することがあります。

同意語としては「ヨトウムシ」「夜盗虫(よとうむし)」と呼ばれることがあります。

 

アワヨトウの概要

アワヨトウは、幼虫期に強い加害性を持つことで知られており、特に集団で活動する初期段階と分散して活発に動く後期段階の両方で注意が必要です。

卵は主に作物の葉裏に産み付けられ、1卵塊あたり50~300個ほど含まれます。孵化した幼虫は最初は群生しながら葉を削るように食べ、その後成長とともに分散し、一晩で畝全体を丸坊主にしてしまうほどの勢いで加害を行います。

成虫は体長20mm前後で、灰褐色の前翅(ぜんし)に薄い斑紋があり、飛翔能力に優れるため、大量移動も可能です。夜行性であり、昼間は雑草や作物の根元に潜んでいることが多く、発見や早期対策が難しい一因となっています。
アワヨトウの成虫イメージ

アワヨトウの詳細説明

アワヨトウは、アジア全域を中心に分布し、日本では北海道から沖縄まで広く見られます。被害が特に深刻になるのは、夏から秋にかけての高温多湿な時期であり、トウモロコシ、スイートコーン、イネなどの重要作物に大打撃を与えることがあります。

生活環と加害行動


  • 葉の裏に産み付けられ、淡黄色で直径約0.5mm。孵化まで3〜5日。

  • 幼虫
    ふ化直後は集団で食害。成長とともに分散し、夜間に活発に葉・茎・花などを加害。


  • 地中に潜って蛹化し、約1週間後に成虫になる。

  • 成虫
    飛翔能力に優れ、数百kmの移動も可能。夜間に交尾・産卵を行う。
    アワヨトウの成虫

識別のポイント

  • 幼虫は灰緑色~黒緑色で、成長に伴って体色が暗くなる。
  • 体表に縦筋模様があり、特に頭部は円筒形で光沢を持つ。
  • ヨトウガやツマジロクサヨトウと混同されやすいため、正確な識別が必要。

アワヨトウの課題と対策

課題1:短期間での大量加害による収穫損失

幼虫の摂食量は極めて多く、一晩で畝の作物全体を枯死させることもあります。とくにトウモロコシなど背丈のある作物では葉の被害だけでなく、茎の芯への食入も見られます。
対策:捕殺や早期発見による物理的防除、被害初期での登録農薬の散布が効果的です。

課題2:発見の遅れによる防除の失敗

日中は地面や株元に潜んでいるため発見が遅れやすく、加害が進行してからの対応では効果が薄れます。 
対策:フェロモントラップや黄色粘着シートなどの誘引資材を用いた発生予察が有効です。また定期的な巡回観察が基本です。

課題3:農薬抵抗性のリスク

アワヨトウは繰り返しの薬剤使用により、一定の農薬に対して抵抗性を獲得する可能性が高い害虫です。 
対策:作用機作の異なる農薬を輪番で使用し、耐性発現を防ぎます。また天敵やBt剤(バチルス・チューリンゲンシス=昆虫に特異的な殺虫性タンパク質を産生する土壌細菌)など生物的防除資材の併用も推奨されます。

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