暖房機省エネ・排熱回収機器とは
暖房機省エネ・排熱回収機器とは、
施設園芸で使用する
ハウス暖房機(ハウス加温機)や
ボイラーから失われる熱の一部を利用したり、
暖房機からハウス内への熱伝達を補助したりすることで、
暖房に使用する燃料の削減を図る機器・資材です。
このページでは、
主に排ガス熱を回収するタイプと、
暖房機の缶体からの伝熱を促進するタイプを扱います。
この2方式は同じ原理ではありません。
排ガス熱回収型は、
煙道などから排出される高温の排ガスが持つ熱を
熱交換器によって回収します。
缶体伝熱促進型は、
暖房機本体の外周などにフィンを追加して伝熱面積を増やし、
暖房機周囲を流れる空気への熱移動を促進する方式です。
排ガス熱を回収するタイプ
燃油暖房機では、
燃焼によって発生した熱のすべてを
ビニールハウス内の加温に利用できるわけではなく、
一部は排ガスとともに屋外へ排出されます。
排熱回収装置は、
この排ガスが持つ熱の一部を熱交換器で回収し、
温風や温水などとして暖房に利用する設備です。
ここでいう排熱回収装置は、
燃焼排ガスそのものをハウス内へ送り込む装置ではありません。
排ガス側とハウス内へ送る空気や水との間で熱交換を行い、
熱を取り出します。
回収した温風を
ダクトで
ハウス内へ送る方式もあります。
缶体からの伝熱を促進するタイプ
暖房機の缶体外周にフィンなどを取り付け、
熱交換に使われる表面積を増やす方式があります。
暖房機へ戻る空気や周囲の空気が
缶体から熱を受け取りやすくすることで、
暖房設備からハウス内への熱利用を補助します。
この方式は、
煙道を流れる排ガスから熱を回収する
排ガス熱回収装置とは区別して考える必要があります。
既設暖房機へ比較的追加しやすい製品もありますが、
暖房機の構造や型式によって取り付け条件が異なります。
燃料削減率だけで製品を選ばない
例えば、製品資料に「燃料を○%削減」と記載されていても、
その数値を自分のハウスへそのまま当てはめることはできません。
実際の削減量は、
暖房機の熱効率、燃料、排ガス温度、
年間運転時間、設定温度、外気温、
ハウスの保温性能などによって変わります。
すでに熱効率の高い暖房機では、
旧型暖房機と比べて回収できる熱が少ない場合もあります。
製品の燃料削減率だけで投資判断をしないでください。
導入費、年間の燃料削減額、
電力消費、清掃や部品交換などの維持費を含めて
投資回収期間を確認します。
既設暖房機へ後付けするときの確認
排ガス熱回収装置を既設暖房機へ取り付ける場合は、
暖房機の型式だけでなく、
燃料、排ガス温度、排ガス量、煙道径、
設置スペース、熱交換器による通風抵抗などを確認します。
熱交換器を追加すると、
排ガスの流れにも影響します。
煙道へ任意の熱交換器を追加してはいけません。
暖房機メーカー、排熱回収装置メーカー、
または施工業者へ適合を確認した上で選定します。
排ガスから熱を多く回収すればよいとも限りません。
排ガス温度を下げすぎると、
燃料や設備条件によっては結露や腐食が発生する場合があります。
導入前に暖房設備そのものを点検する
古い暖房機で燃料使用量が増えた場合、
排熱回収装置を追加する前に
燃焼室や煙管の汚れ、バーナー、
温度センサー、送風状態などを確認します。
燃焼カスやすすが熱交換部へ付着していると、
暖房機本来の熱交換性能が低下します。
また、
ハウス内に大きな温度ムラがある場合は、
ダクトの配置や
循環扇による
空気循環を先に見直した方がよい場合があります。
設備の不調を排熱回収装置で補おうとしないこと。
排熱回収装置の保守
排ガスを通す熱交換器では、
使用に伴ってすすや燃焼生成物などが付着し、
熱交換性能が低下することがあります。
製品ごとに指定された方法で、
熱交換部、排ガス通路、ドレン、
ダクトなどを点検・清掃します。
腐食、変形、詰まりなどが確認された場合は、
そのまま使用を続けず、
メーカーや施工業者へ点検を依頼します。
排熱回収設備も
環境制御や暖房設備全体の一部として考え、
暖房機の運転状態とあわせて管理します。
暖房機省エネ・排熱回収機器取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 髙橋産業株式会社 | エコ・ステンフィン2 | 加温機の缶体外周にフィンを取り付け、熱交換面積を増やして空気への伝熱を補助する省エネ資材。排ガス熱を直接回収する装置ではありません。 |
| 株式会社HINO-TEC | オイルヘラーズA | ハウス加温用ボイラーの排ガス熱を熱交換器で回収し、温風として利用する排熱回収装置。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |