ハウス暖房機(ハウス加温機)

ハウス暖房機(ハウス加温機)
「農業を守る」しなやか、強靭 大和鋼管の農芸用鋼管

ハウス暖房機(ハウス加温機)とは

ハウス暖房機(ハウス加温機)とは、農業用温室やビニールハウス内の気温を一定範囲に維持するための加温設備であり、 作物の生育促進そのものを保証する装置ではありません。 主な役割は低温障害の回避、夜間や寒波時における温度の下支えです。

冬季や寒冷地では不可欠な設備ですが、暖房機を導入しただけで収量や品質が自動的に向上するわけではありません。 実際の効果は、ハウス構造、断熱性、換気・湿度管理、送風設計、温度制御設定といった 周辺条件との組み合わせによって大きく左右されます。

近年は省エネルギー性能を高めた機種や再生可能エネルギーを利用した方式も登場していますが、 地域の気象条件やハウス規模によっては成立しないケースも多く、 導入効果を一律に評価することはできません。 同意語としては「ハウス加温装置」「温室暖房装置」などがあります。

製造元・発売元及び製品名

製造・発売元 製品名 特徴

石村工業株式会社

ゴロン太

長時間燃焼強力薪ストーブ 長い薪が8時間以上連続燃焼

石村工業株式会社

スーパーゴロン太

約200kgの薪を一気に投入が可能 10-12時間の連続燃焼も可能。

有限会社エコテック

ぽかぽか EK-120A

過熱水蒸気式ハウス暖房機 100℃以上で気化した沸騰水(飽和蒸気)を更に過熱して、170℃以上の気体にした乾いた蒸気 電気と水だけを利用

エスケイ工業有限会社

もみ殻連続炭化暖房装置 モミちゃん

もみ殻の燃焼熱を利用して農業ハウスや工場等の暖房を行うと同時に炭を製造する炭化暖房装置 炭を土壌改良に利用

株式会社桂精機製作所

LPガス施設園芸用暖房機 KOH型

一台二役 暖房と炭酸ガス供給  炭酸ガス供給管は手動で供給量調節が簡単 炭酸ガス供給管は炭酸ガスコントローラーによって自動化も容易

三州産業株式会社

ハウス暖房機

新型バーナ(分割炎燃焼方式)の採用により高効率燃焼を実現 低燃費でカーボン付着も低減

株式会社タケザワ

温風暖房機 FOH-20S型シリーズ

コンビネーションコントロールの採用による缶体の保護 安全機能充実
株式会社タケザワ

温風暖房機 FOH-20T型シリーズ

多段サーモにより、6%以上の省エネ効果 安全機能充実 フリー吹き出し口4方向の吹き出し可能

フルタ電機株式会社

フルタハウスヒーター FESシリーズ

燃焼効率・耐久性が更に向上 クロス吹出し口

ネポン株式会社

ハウスカオンキ

安定した燃焼 缶体10年保証 メンテナンス性を重視

ネポン株式会社

4段サーモヤコン HKN-250HN

ハウス内を4段変温管理しながらハウス内のモヤ・霧・温度ムラを予防・解消 同社のハウスカオンキ25・27型専用
三菱重工サーマルシステムズ株式会社 園芸暖房機 MHSシリーズ 独自のリバース燃焼方式の燃焼炉採用 メンテナンス性に優れたヒンジ形バーナー 四段サーモが標準装備

効率的な利用と環境対策

ハウス暖房機の効率化とは、暖房機単体の性能向上だけを指すものではありません。 多くの圃場では、ハウス外へ逃げる熱量(熱損失)が支配的であり、 設備を更新しただけで燃料費が大幅に下がるケースは限定的です。

適切な設置とメンテナンス

暖房機の運用では、燃焼効率だけでなく安全性(不完全燃焼・一酸化炭素・失火)の確保が不可欠です。 以下は最低限確認すべき項目です。

  • 熱交換器の清掃:汚れの蓄積は燃焼効率低下だけでなく、不完全燃焼の原因になります。
  • 燃料供給部の点検:ストレーナー詰まりは失火・黒煙・異臭の原因となります。
  • 安全装置・燃焼センサー:警報履歴や停止履歴がある場合、原因究明を優先します。
  • 給排気・換気経路:燃焼に必要な空気が確保されていない設置は危険です。

ハウス構造の改善

暖房効率を左右する最大要因は暖房能力そのものではなく、熱を逃がさない構造です。 以下は暖房機更新より優先されることが多い対策です。

  • 内張りカーテン・複層被覆:熱損失低減効果が最も大きい。
  • 隙間風対策:妻面・出入口・被覆端部の処理不足は燃料浪費につながります。
  • 断熱資材の適所使用:全面断熱が必ずしも最適とは限りません。

環境負荷を軽減する新技術

  • 水素燃料:実用化は限定的で、現時点では一般農家向けとは言い難い技術です。
  • 排熱利用システム:熱源、回収効率、制御設計が成立しないと効果は出ません。
  • ヒートポンプ技術:外気温、必要能力、電力契約条件によっては成立しない場合があります。

ハウス暖房機のメンテナンス:重要部品とその役割

ハウス暖房機を長期間にわたり効率的かつ安全に使用するためには、 以下の主要部品の点検と清掃が欠かせません。

バーナー

  • 役割 燃料を燃焼させて熱を供給する暖房機の心臓部です。
  • メンテナンス内容
    • 点火装置の清掃:点火プラグや電極部の汚れを除去。
    • 燃焼室の点検:スス・カーボンの付着確認と清掃。
    • 摩耗確認:劣化が進んでいる場合は交換。

ノズル

  • 役割 燃料を微粒化し、燃焼効率を左右する重要部品です。
  • メンテナンス内容
    • 詰まりの除去:専用洗浄液やブラシで清掃。
    • 摩耗確認:噴霧パターンが乱れた場合は交換。
    • フィルター点検:ノズル詰まり防止のため併せて確認。

ディフューザー

  • 役割 燃焼ガスを均一に分配し、熱効率を安定させます。
  • メンテナンス内容
    • 汚れ・腐食の点検:ブラシや布で清掃。
    • 歪み・破損確認:異常があれば交換。
    • 装着状態:正しく固定されているか確認。

ストレーナー(燃料フィルター)

  • 役割 燃料中の異物を除去し、燃焼トラブルを防ぎます。
  • メンテナンス内容
    • 定期清掃:ゴミ・スラッジを除去。
    • フィルター交換:目詰まりが深刻な場合は交換。
    • タンク点検:水分混入・沈殿物の有無を確認。

ヒートポンプ暖房の活用

ヒートポンプは空気や地中の熱を利用して加温する装置で、 化石燃料暖房機とは特性が異なります。

  • 環境負荷の低減:燃焼を伴わずCO₂排出を抑制。
  • 多機能性:冷暖房・除湿などを兼ねる機種もあります。
  • 省エネルギー性:条件が合えば高効率で運用可能。

課題と併用の必要性

ヒートポンプは厳冬期に能力不足となる場合があり、 重油・灯油暖房機との併用が現実的な運用となるケースが少なくありません。 また、初期導入費用や電気料金の基本料金を含め、 長期的なコスト試算を行ったうえで導入判断する必要があります

メンテナンスの頻度と推奨スケジュール

以下は一般的な目安であり、 稼働時間・燃料品質・設置環境によって調整が必要です。 異音・異臭・黒煙・警報履歴がある場合は、時期を問わず点検を優先します。

  • 毎月:外観確認、異音・異臭の有無、ストレーナー簡易清掃。
  • 半年:燃焼部・ノズル・安全装置の点検。
  • 年1回:専門業者による燃焼調整・総合点検。

ハウス暖房機の今後の展望

ハウス暖房機は今後も農業生産を支える基幹設備であり続けますが、 単独で省エネや増収を実現する万能装置ではありません

再生可能エネルギーや高効率技術の進展は期待されますが、 実際の導入効果は地域条件、ハウス構造、既存設備との併用設計に強く依存します。

暖房機の選定では「新しい」「環境に良い」という印象だけで判断せず、 成立条件が揃っているかを冷静に見極めることが、 結果として燃料コスト削減と安定した作物生産につながります。

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