お茶用資材とは
お茶用資材とは、チャの栽培管理、被覆、防霜、
施肥、防除、摘採、整枝・剪定などに使用する
資材や農業機械の総称です。
茶園では、一般的な露地作物にも使われる肥料、農薬、灌水資材などに加え、
茶樹の形状や栽培体系に合わせた被覆資材、茶摘機、裾刈機、
茶園管理機、防霜設備などが利用されています。
特に、てん茶、玉露、かぶせ茶などでは、
収穫前に茶樹を覆って光量を調整する被覆栽培が行われます。
この場合は単に「遮光率が高い資材」を選べばよいわけではありません。
茶種、品種、被覆方法、被覆時期、期間、茶樹の樹勢、
地域の気象条件まで含めて判断します。
本ページでは、主として茶園で使用する栽培資材・管理機械を紹介します。
摘採後の生葉処理、蒸熱、揉捻、乾燥などに使用する製茶工場設備とは区別しています。
お茶用資材の主な種類
茶園用被覆資材
茶園用の被覆資材は、
茶樹を直接覆う直掛けや、棚などを利用した被覆で使用されます。
主な目的は遮光による光環境の調整です。
製品によっては遮熱性、通気性、耐久性、
軽量性、機械展張への適性なども異なります。
茶の被覆栽培では、遮光率だけで資材を選定するのは適切ではありません。
同じ遮光率でも、資材の構造、色、反射特性、通気性、重量が異なれば、
茶樹や作業性への影響も変わります。
また、長期間または強度の高い被覆を続ければ、
必ず品質が高くなるわけではありません。
光不足による樹勢低下や、その後の収量への影響も考慮します。
防霜資材・防霜設備
萌芽後の新芽は低温や霜の被害を受けることがあります。
茶園では、防霜ファン、散水用スプリンクラー、
温度センサー、制御盤などが防霜対策に利用されます。
防霜ファンと散水防霜は同じ仕組みではありません。
園地の地形、冷気の流れ、水源、気象条件、
電源や設備能力を確認して方式を選びます。
特に散水方式は、十分な水量・水圧を確保できることが前提です。
「防霜設備を設置したから霜害を防げる」と考えるのは危険です。
設備能力と園地条件が合っているかを確認します。
摘採機・茶園管理機
茶葉の収穫には、一人用・二人用の可搬式茶摘機や、
乗用型摘採機などが使用されます。
茶園管理では、裾刈り、中刈り、
剪定、整枝、
肥料散布、耕うん、防除などを行う専用機や複合管理機も利用されています。
機械を選ぶ際は処理能力だけでは判断できません。
畝幅、樹冠の幅と高さ、枕地、傾斜、段差、進入路、
トラックへの積載方法、作業者数まで確認します。
大型機械では、既存茶園の形状が機械化に適していないことがあります。
機械を先に決めて茶園へ合わせようとすると、旋回できない、
畝に入れない、安全に走行できないといった問題が起こります。
施肥・土壌管理用機械
茶園では、
施肥や
耕運に使用する肥料散布機、
カルチ、深耕・土壌管理用機械なども利用されます。
茶樹の根が存在する位置や畝間の幅を無視して、
一般畑作用の機械をそのまま導入するのは適切ではありません。
機体幅、作業深さ、作業部の位置を確認します。
施肥量そのものは、機械の能力ではなく、
土壌条件、生育、収量、施肥履歴などを踏まえて決めます。
防除・灌水資材
茶園でも
農薬、
薬剤散布機器、
灌水・かん水設備などが利用されます。
防除機はタンク容量や散布幅だけではなく、
茶樹内部への薬液到達性、散布量、ノズル構成、
圃場形状、ドリフト対策を含めて検討します。
農薬を使用する場合は、使用時点の農薬登録内容を確認し、
対象作物、対象病害虫、使用量・希釈倍数、使用時期、
使用回数などを守る必要があります。
お茶用資材を選ぶときの確認点
茶園用資材では、まず栽培する茶の種類と栽培体系を整理します。
煎茶主体の露地茶園と、てん茶・かぶせ茶などの被覆茶園では、
必要となる設備構成が大きく異なります。
次に圃場条件を確認します。
特に乗用型機械では、畝幅、樹冠形状、傾斜、
枕地、園内道路、搬入経路が導入可否を左右します。
被覆資材は遮光率だけで比較しません。
重量、通気性、耐久性、展張・巻取り方法、
固定方法、機械化への対応まで確認します。
機械類では、購入価格だけでなく、
消耗刃、ベルト、フィルターなどの部品供給、
修理拠点、販売店、保守対応も確認します。
茶の摘採期は作業できる期間が限られるため、
故障時に長期間停止する機械は経営上の損失が大きくなります。
お茶用資材で起こりやすい選定ミス
遮光率だけで被覆資材を決める
遮光率は重要な指標ですが、それだけでは資材の適否は決まりません。
被覆期間、被覆方法、品種、樹勢、通気性、
重量、作業方法まで含めて判断します。
防霜ファンと散水防霜を同じものとして考える
両者は作用原理が異なります。
既存設備や近隣茶園で使用されている方式だけを理由に採用せず、
園地の地形、気象条件、水源、電源を確認します。
機械の能力だけを比較する
刈幅が広い、馬力が大きい、作業速度が速いという理由だけで
茶園管理機を選ぶと、実際の茶園で旋回や走行ができない場合があります。
茶園の寸法を測定してから機械を選びます。
旧型式を現行製品として扱う
茶園機械は型式変更やモデルチェンジがあります。
中古機として流通している型式と、
メーカーが現在案内している製品を混同しないようにします。
購入や部品調達を検討する場合は、
メーカーの現行製品情報と販売店で確認します。
お茶用資材取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小泉製麻株式会社 | バロンスクリーン | 茶園への直掛けにも使用できる黒色被覆資材。カラミ織で、遮光率の異なる規格を設定 |
| 小泉製麻株式会社 | バロンスクリーンB&S | 表面にアルミ蒸着材を使用した茶用被覆資材。遮光に加え日射による熱負荷の軽減を目的とする |
| 株式会社イーエス・ウォーターネット | 防霜用コントローラー COM-ECFP | 茶畑などの散水防霜用制御装置。設定温度による灌水開始・停止、連続・間断灌水に対応 |
| 落合刃物工業株式会社 | エンジン茶摘機 HV-10B | 一人用茶摘機。乗用機で作業しにくい場所などの摘採にも対応 |
| 落合刃物工業株式会社 | 茶摘機 AM-120V | 背負い式エンジンAM-120Eを動力源とする一人用茶摘機。有効刈幅385mm |
| 落合刃物工業株式会社 | 自走式両面裾刈機 EW-25D | 茶樹の両側の裾刈りを行う自走式管理機 |
| 落合刃物工業株式会社 | 自走式片面裾落し機 E7-DX2 | 茶樹の片側裾刈りに使用する自走式管理機 |
| 落合刃物工業株式会社 | 自走式肥料散布機 SR-18C / SR-18CT | 茶園・果樹園などに使用できる自走式肥料散布機。ホッパー容量約60L |
| 落合刃物工業株式会社 | 自走式肥料散布機 IR-8A | 狭い畝間で使用しやすいスリム型の自走式肥料散布機 |
| 落合刃物工業株式会社 | クランクカルチ MC-12 | 茶園などで使用できる3輪型自走式クランクカルチ |
| 落合刃物工業株式会社 | クランクカルチ KR-35A | 自走式クランクカルチ。前進2段・後進1段の走行速度に対応 |
| 落合刃物工業株式会社 | 複合管理機 OMR-6 | アタッチメント交換により裾刈、防除、肥料散布、深耕、剪枝など複数の茶園管理作業に対応 |
| カワサキ機工株式会社 | KJ4CNPlus | コンテナ型複合摘採機 |
| カワサキ機工株式会社 | KJ10CSJ(R) | コンテナ型乗用摘採機 |
| カワサキ機工株式会社 | KJS8Ⅱ | 茶園用乗用型防除機。低重心設計で複数の茶園形状への対応を想定 |
| カワサキ機工株式会社 | KJST8 | ボイラーで発生させた蒸気を畝間へ吹き付ける乗用型除草機 |
| カワサキ機工株式会社 | KJM8 | 肥料散布、堆肥散布、サブソイラー、深耕などに対応する乗用型茶園管理機 |
| カワサキ機工株式会社 | 被覆資材 展開・巻取装置 | 乗用型摘採機に装着し、茶園の直掛け被覆資材の展開・巻取り作業を機械化するアタッチメント |