防塵(農業用フィルム)とは
防塵(ぼうじん)とは、
農業用の被覆フィルムにおいて、
主にフィルム外面への塵、ホコリ、汚れなどの付着を抑えたり、
付着した汚れを雨水などで流れ落ちやすくしたりする性能です。
ビニールハウスの外張りフィルムは、
長期間使用すると表面に汚れが付着し、
透明性や光線透過が低下する場合があります。
防塵処理は、このような汚れによる採光性の低下を抑える目的で利用されます。
ここでいう「防塵」は、ハウス内部への粉じんの侵入を防ぐという意味ではありません。
防塵マスクや防塵設備などで使われる一般的な「防塵」とは対象が異なり、
農業用フィルム表面の防汚性能に近い意味で使われています。
防塵処理の仕組み
防塵機能を持つ農業用フィルムでは、
フィルム外面へのコーティングや表面処理などによって、
ホコリや汚れを付きにくくした製品があります。
付着した汚れが雨水によって流れ落ちやすくなるよう設計された製品もあります。
具体的な表面処理方法や使用される材料は製品によって異なります。
防塵農ビの表面処理を一律に「アクリル樹脂」と説明するのは適切ではありません。
メーカーが示す製品仕様を確認します。
防塵性と採光性の関係
外張りフィルムにホコリや汚れが蓄積すると、
フィルムを透過してハウス内へ入る光が減少する場合があります。
防塵処理によって汚れの付着を抑えることは、
フィルムの透明性や光線透過性能を維持しやすくすることにつながります。
ただし、防塵フィルムを使用すれば
ハウス内の日射量や
作物の光合成が一定に保たれるわけではありません。
施設内へ入る光は、天候、季節、太陽高度、フィルムの種類、
経年変化、施設構造などの影響も受けます。
防塵は「汚れない」という意味ではない
防塵処理があってもフィルムは汚れます。
土ぼこりが多い地域、交通量の多い場所、
周辺で粉じんが発生する環境などでは、
防塵処理品でも汚れが蓄積する場合があります。
カビ、藻、薬剤などによる付着物も、
防塵性能だけですべて防げるものではありません。
また、雨が直接当たりにくい部分では、
雨水による洗浄効果を得にくい場合があります。
防塵性は「完全な防汚性能」ではなく、
汚れの付着や蓄積を抑えるための機能として理解します。
防塵性と耐久性は別の性能
防塵農ビの中には、耐候・耐久性も高めた製品があります。
このため「防塵農ビ=長期展張用」と誤解されることがありますが、
防塵性と耐久性は別の性能です。
防塵性は主に表面への汚れ付着に関係し、
耐久性は紫外線、熱、風、摩擦などに対して
フィルムの強度や機能をどの程度維持できるかに関係します。
使用可能期間は、防塵性の有無だけでは判断できません。
フィルムの材質、厚さ、耐候設計、地域の気象条件、
施設構造、施工状態などを含めて製品ごとに確認します。
防塵・防滴・防霧の違い
| 機能 | 主な対象 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 防塵 | 主にフィルム外面の塵・ホコリ・汚れ | 汚れの付着を抑え、透明性・採光性を維持しやすくする |
| 防滴 | 主にフィルム内面の結露水 | 結露水を水滴として残りにくくし、膜状に広げて流れやすくする |
| 防霧 | 施設内に発生する霧・もや | 微細な水滴が空中に漂う状態を抑える |
同じ農業用フィルムに、防塵、防滴、防霧など複数の機能を持たせた製品もあります。
名称が似ていても機能する場所と目的は異なります。
防塵フィルムの表裏と施工方向
防塵処理品には、フィルムの表裏が指定されている製品があります。
防塵処理面をハウス外側へ向ける必要がある製品では、
表裏を逆に展張すると本来の防塵性能を発揮できません。
メーカーによっては、
フィルムに印刷された文字がハウスの外側から正しく読める方向を
正しい展張方向として指定しています。
表裏を推測して施工してはいけません。
製品表示とメーカーの施工条件を確認してください。
防塵農業用フィルムを選ぶときの確認点
- フィルムの種類:農ビ、農POなど、使用する被覆材を確認する。
- 使用部位:屋根、側面、サイド巻き上げ部など、メーカーが指定する適用部位を確認する。
- 表裏:防塵処理面と展張方向を確認する。
- 耐久性:防塵性能とは別に、想定展張期間や耐候性を確認する。
- その他の機能:防滴、防霧、UVカット、散乱光などの有無を確認する。
「防塵」の表示だけでフィルムを選ばないでください。
作物、作型、使用期間、施設構造、必要な光学特性を含めて選定します。
関連する資材分類・農業用語
見つからない用語・製品の登録をリクエスト
個人情報の入力は不要です。掲載してほしい名称だけをお知らせください。