農サクビ(農業用酢ビフィルム)とは
農サクビ(農業用酢ビフィルム)とは、
主にエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を原料とする農業用の軟質フィルムです。
被覆資材として、主にハウスの内張りやトンネル栽培などに利用されてきました。
「酢ビ」という名称から酢酸ビニル単独の樹脂と誤解されやすいものの、農サクビのEVAはエチレンと酢酸ビニルを共重合した樹脂です。
農ポリや農POと同じポリオレフィン系の農業用フィルムに分類されます。
農サクビの特徴
農サクビは、農業用ポリエチレンフィルム(農ポリ)より柔軟性があり、
低温時にも硬くなりにくい性質を持っています。
衝撃に対する強さもあり、冬季のトンネル被覆やハウス内張りに利用されてきました。
保温性能は、従来型の農ポリより高く、一般的な農ビより低いのが基本的な位置付けです。
夜間の保温性には、フィルムが地面や作物から放射される長波放射をどの程度通すかが関係します。
農サクビは可塑剤を必要としないため、農ビと比べてべたつきや汚れの付着が少ないという特徴もあります。
内張りカーテンとして使用する場合は、軽さや開閉時の扱いやすさも利点になります。
農サクビの主な用途
代表的なのはハウスの内張りとトンネル被覆です。
農サクビは冬季でも比較的柔軟性を保ちやすいため、
低温期にフィルムを掛け外しするトンネル栽培にも利用されてきました。
ハウスの内張りでは、外張りとの間に空気層を設けることで熱損失を抑えます。
保温効果は農サクビだけで決まるものではなく、
内張りの気密性、空気層、開閉方法、施設構造などにも大きく左右されます。
雨よけなどの外張りに使用できる製品もありますが、
農サクビ全般を長期外張り用資材として扱うのは適切ではありません。
使用部位、展張期間、厚さ、耐候性は製品ごとの仕様を確認してください。
農ビ・農ポリ・農POとの違い
農サクビは、従来の農ポリと農ビの中間的な性質を持つ被覆資材として利用されてきました。
農ポリより柔軟性や保温性に優れ、農ビより軽く、べたつきが少ないことが特徴です。
現在広く利用されている農POは、ポリエチレンやEVAなどのポリオレフィン系樹脂を
多層構造にして、耐久性、保温性、流滴性などを高めた製品です。
EVAを使用しているから農サクビ、という区別はできません。
農POにもEVAを使用した製品があります。
また、農サクビと農POの価格を材質名だけで比較することはできません。
厚さ、幅、機能、加工方法、販売単位、流通量によって価格は変わります。
選定時は価格だけでなく、必要な展張期間と用途を基準に比較してください。
使用時の注意点
内張りカーテンを高温期に閉じたまま、または折り畳んだ状態で長期間放置すると、
フィルム同士が融着する場合があります。
長期間使用しない時期の収納方法は製品仕様に従ってください。
トンネル栽培では晴天時に内部温度が急上昇します。
気温が低い時期でも日射が強ければ高温障害が発生するため、
作物と生育段階に合わせて換気を行います。
展張期間や耐候性は、厚さ、製品配合、紫外線量、気象条件、使用場所などによって変わります。
「農サクビ」という材質分類だけで耐用期間を判断しないでください。
農サクビ(農業用酢ビフィルム)取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名・製品群 | 用途分類 | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| 昭和パックス株式会社 | 農サクビ | EVA系農業用被覆フィルム | 2026年公表の決算資料でも販売が確認できる農サクビ。現行公式メーカー製品ページでは厚さ・流滴性などの詳細規格を確認できないため、旧資料の仕様値は掲載しません。現行公式メーカー製品ページを確認できなかったため外部リンクは付けておりません。 |
| 東ソー・ニッケミ株式会社 | 農サクビ | 農業用被覆フィルム・取扱商社 | 公式製品一覧で農ビ、農PO系、農サクビ、農ポリを取り扱い。個別の商品名・規格は公開されていないため、採用時は同社へ確認。 |
関連する資材分類・農業用語
- EVA
- ハウス被覆資材(ビニールハウス・屋根ビニール・厚手シート)
- 被覆資材
- ビニールハウス
- 汎用・一般品(農PO)
- 外張り・内張り(農ビ)
- トンネル栽培
- トンネル栽培用(農ビ)
- トンネル栽培用(農PO)
- 換気
- 高温障害