硫黄(いおう)

硫黄とは

硫黄(いおう、S)は、植物の生育に必要な必須元素の一つです。
植物必須元素の分類では、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどと同じ多量要素に含まれ、カルシウム、マグネシウムとともに「二次要素」と呼ばれることがあります。

硫黄を「微量要素」とするのは誤りです。
鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅、モリブデンなどの微量要素とは必要量の区分が異なります。

植物における硫黄の働き

植物は主に硫酸イオン(SO42−)の形で硫黄を吸収します。
硫黄は、メチオニンやシステインなどの含硫アミノ酸、タンパク質などを構成する重要な元素で、植物の代謝や生育に関与します。

不足症状は作物、栽培条件、他の養分状態などによって異なるため、葉色だけで硫黄欠乏と断定することはできません。
窒素欠乏などと外観が似る場合もあるため、施肥履歴、培地・土壌分析、他の養分状態を含めて判断します。

肥料・土壌管理と硫黄

肥料中の硫黄は、硫酸塩などさまざまな形で供給されます。
一方、単体硫黄はそのまますぐに植物へ吸収されるわけではなく、土壌中で微生物によって酸化され、硫酸塩へ変化する過程が必要です。

単体硫黄の酸化では酸が生成されるため、条件によっては土壌酸度を低下させる目的でも利用されます。
ただし、pHの変化速度や必要量は、地温、水分、通気性、微生物活性、土壌の緩衝能などによって大きく異なります。

そのため、「硫黄を入れれば直ちに土壌pHが下がる」「硫酸塩を含む資材ならすべて強く酸性化する」と判断するのは適切ではありません。
土壌診断を行った上で施用量を判断する必要があります。

農薬としての硫黄

硫黄は、肥料成分としてだけでなく、殺菌剤などの有効成分としても利用されています。
水和剤やくん煙剤など製剤によって使用方法は異なります。

施設園芸では、硫黄を有効成分とするくん煙剤を専用の電気加熱式くん煙器で使用する方法があります。
この場合は、くん煙用として農薬登録された製品を使用し、適用作物、病害、使用量、使用方法を確認します。

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