抵抗性(ていこうせい)

抵抗性(ていこうせい)
心皮(しんぴ)

抵抗性(ていこうせい)とは、植物や昆虫などの生物が、病原体・害虫・薬剤といった外的ストレス要因に対して、被害を受けにくくする生物学的な性質のことを指します。

たとえば、ある野菜が病気にかかりにくい、ある害虫が農薬に効かないといった例が「抵抗性」に該当します。

農業では、病気や害虫、除草剤に対する抵抗性を持った品種の開発や栽培が重要であり、安定した収量確保や農薬使用の削減にもつながります。

同意語としては「耐性」「耐病性」「耐虫性」などが用いられます。

抵抗性の概要

  • 定義:生物が外的要因(病害虫、薬剤、環境変化など)に耐える能力。
  • 対象:作物(植物)・害虫・病原体など。
  • 用途:農業における収量安定や病害虫防除の軽減。

抵抗性の詳細説明

抵抗性は自然界において進化の中で獲得されたり、品種改良遺伝子組換えといった人為的手段で導入されることがあります。例えば、ある植物が葉にサリチル酸を多く含むことで病原菌の侵入を防いだり、ジャスモン酸による誘導剤的な働きで昆虫の食害に強くなるといった機構が知られています。

一方、農薬(殺虫剤や除草剤など)に長期間さらされた害虫や雑草が、その薬剤に効かなくなるケースも抵抗性の一例です。これらは「薬剤抵抗」や「害虫抵抗」とも呼ばれ、農業現場では大きな課題となっています。インスリンなど医療分野でも使われる用語ですが、ここでは農業分野に絞って解説します。遺伝子組換え作物においてはBt(ビー・ティー)タンパク質(※)を導入することで、特定の害虫に抵抗性を持たせた例がよく知られています。

※Bt(ビー・ティー)タンパク質とは、ある特定の細菌が作り出す、昆虫に効く天然の殺虫成分のことです。正式には「Bacillus thuringiensis(バチルス・チューリンゲンシス)」という土壌細菌が作るタンパク質で、これを「Btタンパク質」と呼びます。

抵抗性の役割

  1. 病害虫への耐性確保
    抵抗性を持つことで、農薬使用量を削減しつつ収量や品質を維持できます。

  2. 栽培管理の省力化
    特定の病気や虫に強い品種は、過剰な防除作業を減らすことができます。

  3. 遺伝資源の多様性利用
    在来種や野生種からの抵抗遺伝子の導入により、持続可能な農業が可能になります。

抵抗性に関する課題と対策

1. 薬剤抵抗性害虫の発生

殺虫剤に対して害虫が抵抗性を持つと、従来の防除手段が無効化される恐れがあります。
対策:薬剤のローテーション使用や生物的防除(天敵導入)を組み合わせる「IPM(総合的病害虫管理)」が推奨されます。

2. 遺伝的多様性の喪失

抵抗性品種への依存が進むと、病害虫がそれに適応しやすくなり、他の病害の流行リスクが高まります。
対策:複数の抵抗遺伝子を組み合わせた品種(ピラミディング育種)の導入や、交互栽培によるリスク分散が重要です。

3. 抵抗性品種の導入コスト

新しい抵抗性品種は価格が高く、導入にためらいが生じることもあります。
対策:農協や自治体が補助金制度を設けることで、導入ハードルを下げる仕組み作りが求められます。

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