泥染め(どろぞめ)

泥染めとは

泥染め(どろぞめ)とは、
収穫したイグサを乾燥する前に、
染土(せんど)と呼ばれる
細かな天然土を水に分散させた液へ浸す作業です。

畳表用イグサの伝統的な加工工程として行われています。

名称に「染め」とありますが、
一般的な染料や顔料を使って緑色に着色する作業ではありません。

泥染めの目的

泥染めによって、
イグサ一本一本の表面へ細かな染土が付着します。

農林水産省では、
泥染めにはイグサを均一に乾燥させる働きがあり、
色調や光沢、畳特有の香りなどを整える工程として説明しています。

また、泥による表面の被覆によって、
乾燥時の葉緑素や内部組織へのダメージを抑え、
乾燥後の品質保持に関係するとされています。

泥染めは「色を付けるためだけの工程」ではありません。

乾燥と品質保持を含めた
畳表原料づくりの工程として理解する必要があります。

泥染めの流れ

収穫したイグサは鮮度が低下しないうちに泥染めを行います。

染土を水へ適切な濃度で分散させ、
原草全体へむらなく付着するよう浸漬します。

その後、
専用の乾燥施設などで乾燥させます。

染土液の濃度や付着状態が不均一になると、
乾燥状態や色調などに差が生じる可能性があります。

単に「泥を濃くすればよい」という工程ではありません。

泥染めと着色の違い

泥染めと、
染料・顔料を使用した着色は区別する必要があります。

畳表の日本農林規格では、
染料や顔料を着色剤として定義しています。

泥染めに使う染土は、
このような着色剤と同じものではありません。

したがって、
泥染めしたイグサを「着色イグサ」と説明するのは適切ではありません。

畳表の色調を整える作用はありますが、
一般的な染色処理とは原理も目的も異なります。

泥染めをしないイグサ

イグサの利用方法によっては、
染土を使用しない無染土の乾燥・加工技術もあります。

したがって、
すべてのイグサ製品で泥染めが必須という意味ではありません。

畳表用原草では伝統的に広く行われている工程ですが、
最終用途や加工方法によって処理方法は異なります。

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