二期作(にきさく)

二期作(にきさく)
二期作とは、同じ農地で同一作物を作期を分けて年2回栽培・収穫する手法

二期作とは、同一の耕地において、同一の作物を基本として1年間に2回栽培し、それぞれ収穫を行う栽培手法です。主に温暖な気候条件を有し、作物の生育期間を十分に確保できる地域で成立します。

代表例として水稲の二期作があり、春から夏にかけて1回目の作付けと収穫を行った後、刈株から再生させる方法ではなく、改めて田植えを行い、秋から初冬に2回目の収穫を目指します。この手法は、農地利用効率の向上、食料生産量の増加、農業経営の安定化を目的として発展してきました。

近年では温暖化の進行により、従来は一作が限界であった地域でも二期作の可能性が検討されていますが、一方で高温障害や水資源制約など新たな課題も指摘されています。そのため、作期管理や土壌負担への配慮など、技術的・経営的な管理が不可欠です。

なお、同意語としては「ダブルクロッピング(double cropping:ダブルクロッピング)」があり、「二回作」は一般的な説明表現として用いられる場合があります。

二期作の概要

二期作は、同一作物を基本として、同じ耕地で連続的に2回作付けを行う点に特徴があります。これは、異なる作物を組み合わせる二毛作や、作物を年次で切り替える輪作とは、作物の同一性という観点で明確に区別されます。

二期作では品種選定が極めて重要で、生育期間が短く、温度や日長変化への適応性が高い品種が求められます。水稲の場合には、早生品種や耐暑性を持つ品種が選択されることが一般的です。

実施地域は、生育期間を長く確保できる温暖地域に限られ、国内では沖縄、国外では東南アジア、インドネシア、タイ、中国南部などが代表例として知られています。

二期作の詳細説明

二期作を成立させるためには、気象条件、土壌条件、作業スケジュールの三要素が密接に関係します。特に二期作では、作期が短期間に連続するため、これら三要素のわずかな遅れや不整合が収量や品質に直結します。まず気象条件としては、年間の積算温度が十分に高く、冬季に極端な低温が発生しないことが前提となります。また、降水量の分布や灌水環境が安定していることに加え、水稲の場合には用水確保や水利条件が二期作成立の重要な制約要因(せいやくよういん)となります。水稲二期作では、1回目の収穫後に圃場整備を迅速に行い、短期間で次作の田植えを完了させる必要があります。

作業面では、田植え、施肥、防除、収穫といった一連の工程を通常以上に高密度で管理しなければなりません。そのため、作業カレンダーによる工程管理やスケジュールの可視化、農業機械の効率的な運用が不可欠です。近年では、こうした複雑な作期管理を理解しやすくするため、図やイラストを用いた資料が農業教育や基礎学習の場でも活用されており、二期作と二毛作の違いを整理する教材としても用いられています。

再生二期作(さいせいにきさく)との違い

二期作と混同されやすい用語に、再生二期作(さいせいにきさく)があります。両者は「年に2回収穫を狙う」という点で似ますが、成立条件と管理の要点が異なります。

  • 栽培の出発点:二期作は原則として2回目も改めて作付けを行います。一方、再生二期作は刈株(かりかぶ)からの再生(いわゆるひこばえ)を利用して次の収穫を狙う体系です。
  • 工程と資材:二期作は田植え・育苗・圃場整備などの工程が再度必要になりやすいのに対し、再生二期作は再生芽の確保や刈り高(かりだか)・追肥・水管理が成否を左右します。
  • 適用の考え方:二期作は気象・水利・作期に余裕がある地域での体系化が前提になり、再生二期作は労力や作付け回数を抑えつつ追加収穫を狙う発想になりやすいです。

二期作の作業ステージ二期作の作業イメージ

二期作の作業ステージ再生二期作の作業ステージ

二期作・二毛作・輪作の違い

二期作・二毛作輪作は、いずれも農地を有効に活用するための作付体系ですが、その考え方と目的には明確な違いがあります。違いの要点は、「同じ作物を繰り返すか」「異なる作物を組み合わせるか」「年ごとに作物を切り替えるか」という点にあります。

  • 二期作(にきさく)
    同一作物を基本として、同一耕地で年2回栽培・収穫を行う作付体系です。作期(さっき)を年内に2回設定するため、生育期間が長く確保できる温暖地域で成立しやすく、代表例としては水稲(すいとう)の二期作が挙げられます。
  • 二毛作(にもうさく)
    同一耕地で年2回作付けを行う点は二期作と共通しますが、一般には異なる作物を組み合わせる点が特徴です。代表例として、水稲の収穫後に麦を作付けする体系があり、作物の組み合わせによって土地利用効率の向上を図ります。
  • 輪作(りんさく)
    同一耕地で作物を年次ごとに切り替えて栽培する考え方です。作付け回数の増加を直接の目的とするのではなく、病害虫の発生抑制や地力低下の防止を目的とし、二期作や二毛作とは管理の軸が異なります。

二期作の役割

  • 土地利用効率の高度化
    二期作は、同一耕地で同一作物を年2回作付けすることで、作期の空白期間を最小化し、農地の利用効率を極限まで高める役割を担います。特に生育期間に余裕のある温暖地域では、土地資源を集中的に活用する栽培体系として位置づけられます。
  • 食料供給量の増強
    単位面積当たりの作付け回数が増えることで、年間の総生産量を押し上げ、地域レベルでの食料供給力を高めます。これは人口集中地域や輸入依存度の高い地域において、食料安定供給を補完する役割を果たします。
  • 農業経営の多期化による調整機能
    二期作は、年1回収穫に依存しない経営構造を可能にし、収穫時期を分散させることで資金回収のタイミングを複線化します。ただし、この効果は気象条件や労働力、資材供給が適切に確保できる場合に限られ、計画的な経営管理が前提となります。

二期作の課題と対策

  • 土壌疲弊(どじょうひへい)
    二期作では作期が連続するため、通常栽培に比べて休閑期間がほとんど確保できず、養分消耗や土壌構造の劣化が進みやすくなります。特に有機物供給が不足すると、地力低下が短期間で顕在化します。対策としては、有機物施用の計画的実施や、土壌分析に基づいた施肥設計を行い、養分バランスを精密に管理することが重要です。
  • 作期管理の難しさ
    収穫から次作準備までの間隔が極端に短く、わずかな作業遅延が生育不良や収量低下につながります。対策としては、作業工程の標準化に加え、圃場整備・育苗・資材調達を並行して進める体制づくりや、農業機械の活用による作業時間短縮、気象予測を踏まえた柔軟な作業計画が有効です。
  • 病害虫リスクの増大
    同一作物を連続して栽培することで、病害虫が圃場内に蓄積しやすくなります。対策としては、防除計画の事前立案と適期防除の徹底が基本となります。また、長期的には作付体系を見直し、必要に応じて輪作二毛作を組み合わせることで、病害虫密度を低減させる補完的対策も検討されます。

関連する質問

  • 二期作とは何ですか?
    同一耕地で同一作物を基本として年2回栽培・収穫する栽培体系です。温暖(おんだん)で生育期間が確保できる地域で成立しやすいです。
  • 二毛作と二期作の違いは何ですか?
    二期作は同一作物を基本として年2回栽培します。二毛作は年2回作付けしますが、一般には異なる作物を組み合わせます(例:水稲の後に麦)。
  • 輪作と二毛作、二期作はどう違いますか?
    輪作は年次で作物を切り替えて病害虫や地力低下を抑える考え方です。二毛作・二期作は「年内の作付け回数」に着目した体系で、軸が異なります。
  • 二期作はどこでできますか?
    生育期間が長く、冬季に極端な低温になりにくい温暖地域が中心です。水稲では用水確保や水利条件も成立要件になります。
  • なぜ二期作ができるのでしょうか?
    気温が高く積算温度が確保でき、作期を2回設定できるからです。さらに、短期生育の品種選定と、収穫後の圃場整備を迅速に行える体制が必要です。
  • 二期作は何月ごろですか?二期作の季節はいつですか?
    作物・地域で異なりますが、水稲では一般に「春〜夏に1回目」「夏〜秋〜初冬に2回目」という枠組みで語られることが多いです。実際の月(つき)は気象・品種・水利により変動します。
  • 二期作の代表例は?2期作の特徴は?
    代表例は水稲(すいとう)の二期作です。特徴は、同一作物を年2回作付けするため、作業密度が高く、品種選定と作期管理の精度が成否を左右する点です。
  • 田んぼに麦を植えるのはなぜ?
    これは主に二毛作の発想です。水稲の収穫後に麦を作付けすることで、農地の空白期間を減らし、年間の土地利用効率を高める狙いがあります。
  • 二期作のデメリットは?
    休閑期間が短く土壌負担が増えやすい点、作業遅延が収量に直結しやすい点、病害虫リスクが増えやすい点が代表的です。対策は本文の「二期作の課題と対策」に整理しています。
  • 二期作のやり方は?
    基本は「短期生育の品種選定」「1作目収穫後の圃場整備の迅速化」「2作目の作付けを遅らせない工程設計」です。水稲では用水確保と水管理が前提条件になります。
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