休眠解除(きゅうみんかいじょ)

休眠解除

休眠解除とは

休眠解除(きゅうみんかいじょ)とは、種子、芽、球根、塊茎などが休眠状態から抜け、
発芽や萌芽、生育を再開できる状態になることです。

休眠中の植物器官は、単に寒さや乾燥によって生育を停止しているとは限りません。
外部環境が一見適していても、植物体内の生理状態や種皮などの性質によって、発芽や萌芽が抑えられている場合があります。

休眠解除は、こうした発芽・萌芽を抑えている状態が変化し、生育を再開できる状態になる過程を指します。

休眠解除と発芽・萌芽の違い

休眠解除と発芽・萌芽は同じ現象ではありません。

休眠が解除されたことは、発芽や萌芽が可能な状態になったことを意味します。

その後、実際に発芽や萌芽するためには、植物や器官に応じた温度、水分、酸素、光などの条件が必要です。

例えば、種子の休眠が解除されていても、発芽に適した温度や水分がなければ発芽しません。

果樹の芽でも、休眠解除後すぐに萌芽するとは限らず、その後の温度条件などによって萌芽時期が決まります。

「休眠解除=すぐに生育開始」ではありません。

休眠解除に関わる要因

休眠解除に関わる要因は、植物の種類や休眠している器官によって異なります。

種子では、低温、高温、乾燥、変温、光、吸水、種皮の状態、植物ホルモンなどが休眠の解除に関与する場合があります。

芽や球根・塊茎では、温度、経過時間、植物ホルモンなどが休眠状態の変化に関係します。

すべての植物が低温によって休眠解除するわけではありません。

休眠の仕組みと解除条件は植物ごとに異なるため、対象作物や器官を確認して考える必要があります。

果樹の芽と休眠解除

落葉果樹の芽では、自発休眠中に一定量の低温へ遭遇することが休眠解除に関係する作物があります。

例えばモモでは、花芽の自発休眠からの覚醒に温度が大きく関係し、低温の効果は温度帯によって異なることが確認されています。

また、休眠解除に必要な低温量は樹種や品種によって異なります。

そのため、単純に「冬に寒さへ当たれば休眠が解除される」と考えるのではなく、樹種・品種ごとの低温要求量や、その後の温度条件を確認します。

種子の休眠解除

種子の休眠には複数の仕組みがあります。

種皮などが水や酸素の通過を妨げる場合、胚の生理状態によって発芽が抑制されている場合、複数の要因が組み合わさっている場合などがあります。

そのため、休眠解除の方法も一様ではありません。

低温湿層処理、高温処理、乾燥、変温、種皮への傷付けなどが有効な種類もあります。
ジベレリンなどの植物成長調整物質が関係する場合もあります。

処理方法は植物種によって異なります。
他の作物で有効な方法をそのまま適用できるとは限りません。

休眠解除と休眠打破

休眠打破は、休眠が解かれる現象や、休眠解除を促す処理を表す言葉として広く使われています。

「休眠解除」と「休眠打破」は実際には近い意味で使われる場合が多く、明確に区別されないこともあります。

「休眠解除は自然現象、休眠打破は人為的処理」と一律に区別することはできません。

農材ドットコムでは、休眠状態から抜ける生理的な変化を説明する場合には「休眠解除」、休眠を解く現象や栽培上の処理を説明する場合には「休眠打破」を中心に使用します。

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