休眠打破とは
休眠打破(きゅうみんだは)とは、
種子、芽、球根、塊茎などの休眠が解かれ、発芽や萌芽が可能な状態になること、または休眠解除を促す処理を指して使われる言葉です。
低温、高温、変温、乾燥、光、種皮への処理などによって休眠が解かれる植物があります。
農業・園芸では、発芽や萌芽を揃えたり、栽培時期を調整したりする目的で休眠打破処理を行う場合があります。
休眠打破は、人為的な処理だけを指す言葉ではありません。
自然条件の中で休眠が解かれる現象についても、「休眠打破」と表現される場合があります。
休眠打破と休眠解除の関係
休眠解除と休眠打破は、近い意味で使用される言葉です。
研究分野や作物、文献によって用語の使い方には違いがあり、両者を明確に区別しない場合もあります。
農材ドットコムでは、
休眠状態から抜ける生理的な状態変化を「休眠解除」、休眠を解く現象や、そのために行う処理を「休眠打破」
として説明上使い分けます。
これは厳密に二分できる学術的分類ではありません。
種子の休眠打破
種子では、休眠の原因によって有効な休眠打破処理が異なります。
例えば、種皮などが吸水を妨げている種子では、種皮に傷を付けたり一部を除去したりする処理によって吸水できるようになる場合があります。
生理的な休眠を持つ種子では、一定期間の低温湿層処理や高温処理、変温などが有効な場合があります。
種子によっては、ジベレリンなどの植物成長調整物質が発芽促進や休眠打破に利用される場合もあります。
すべての休眠種子に同じ処理が効くわけではありません。
休眠の原因を考えず、「低温処理すればよい」「種皮を傷付ければよい」と一律に判断するのは適切ではありません。
芽の休眠打破
落葉果樹などでは、冬芽が自発休眠に入る作物があります。
一定量の低温へ遭遇することで自発休眠からの覚醒が進む樹種・品種があり、その後の気温上昇によって萌芽や開花へ向かいます。
必要な低温量や有効な温度帯は、樹種・品種によって異なります。
施設果樹栽培では、加温開始時期を誤ると、低温遭遇量が不足したまま加温することになり、萌芽や開花の遅れ、不揃いにつながる場合があります。
加温そのものが自発休眠を解除するとは限りません。
休眠の段階と低温遭遇量を確認せずに温度だけを上げるのは適切ではありません。
休眠打破処理の例
休眠打破に利用される方法には、植物や器官によって次のようなものがあります。
- 低温または低温湿層処理
- 高温処理・乾熱処理
- 変温処理
- 乾燥・後熟
- 種皮への傷付けや一部除去
- 光条件の調整
- 植物成長調整物質による処理
これらは休眠打破法の一般例であり、すべての植物に適用できる処理ではありません。
処理温度、処理期間、濃度などを誤ると、発芽率の低下や組織障害を起こす可能性があります。
休眠打破後の発芽・萌芽
休眠打破が完了しても、ただちに発芽・萌芽するとは限りません。
休眠が解かれた後に、発芽や萌芽に適した温度、水分、酸素、光などの条件が整うことで、生育が始まります。
休眠打破と発芽・萌芽を同じ現象として扱わないことが、栽培管理では重要です。
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