ウォータースペース(うぉーたーすぺーす)

ウォータースペースとは

ウォータースペースとは、鉢やプランターなどの容器栽培で、用土の表面と容器の縁との間に意図的に残しておく空間のことです。

水やりをしたときに水を一時的に受け止め、水や用土が鉢の外へあふれるのを抑えながら、用土へ水が浸透するための時間を確保します。「水代(みずしろ)」と呼ばれることもあります。

一般的な鉢植えでは、鉢の縁いっぱいまで用土を入れず、用土表面を鉢の上端より数cm低くします。農林水産省が掲載している屋内緑化に関する資料では、植え替え時の目安として、鉢の上端から2~3cm下に植え付け面を設定する方法が示されています。

ただし、2~3cmはすべての鉢に共通する絶対的な寸法ではありません。鉢の大きさや形状、植物、用土、灌水方法などに応じて調整します。

ウォータースペースの役割

鉢の縁まですり切りいっぱいに用土を入れると、水を与えた直後に水が外へ流れ出したり、用土が一緒に流出したりすることがあります。

ウォータースペースを設けておけば、一度にある程度の水を受けることができ、その水が徐々に用土へ浸透します。特にジョウロなどを使って上部から灌水する鉢植えでは、水やりを行いやすくなります。

主な役割は次のとおりです。

  • 灌水した水を一時的に受ける
  • 水が鉢の縁からすぐにあふれるのを抑える
  • 用土が水とともに鉢外へ流出するのを抑える
  • 用土へ水が浸透するための時間を確保する

ウォータースペースと排水性は別に考える

ウォータースペースは、鉢内部の排水性を高めるための空間ではありません。

鉢の排水性や根域の水分状態は、用土の物理性、鉢底穴やスリットの構造、鉢の深さ、灌水量、鉢の設置状態などの影響を受けます。

そのため、ウォータースペースを設ければ根腐れを防げる、排水性が改善すると考えるのは適切ではありません。ウォータースペースは主として上部から灌水するときに水を一時的に受けるための空間と考えます。

ウォータースペースを設けるときの注意点

ウォータースペースを確保するために植物を必要以上に深植えしてはいけません。

植え替えでは、植物の根鉢や株元の高さを確認したうえで、鉢の縁と用土表面との間にウォータースペースが残るよう、鉢底側へ入れる用土量を調整します。

また、ウォータースペースがあるからといって、毎回そこいっぱいまで水をためればよいわけではありません。必要な灌水量やタイミングは、植物の種類、生育段階、鉢の大きさ、用土の保水性、気温、日射量などによって変わります。

底面灌水など、鉢の下側から水を供給する方式では、上部から灌水する鉢植えとはウォータースペースの役割が異なります。栽培方式に応じて考える必要があります。

よくある誤解

「ウォータースペースは土の中に水を蓄える空間」
これは誤りです。土壌や培地の粒子間にある空間は孔隙であり、その中には水や空気が存在します。ウォータースペースは、用土表面より上に設ける空間です。

「ウォータースペースを広くすれば保水性が高くなる」
ウォータースペース自体が培地の保水力を高めるわけではありません。保水性は主に培地の種類、粒径、孔隙構造などによって決まります。

「ウォータースペースがあれば根腐れしない」
これも誤りです。根域の過湿は、培地、排水構造、鉢の形状、灌水量や頻度などによって起こります。ウォータースペースの有無だけでは判断できません。

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参考資料

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