農林水産省は、「令和8年度(令和7年度補正)野菜種子安定供給緊急対策事業」第3次公募を実施しています。日本で流通する野菜種子は約9割を海外生産に依存しており、気候変動、海外の人件費・物流費上昇、国際情勢の変化、国内採種農家の高齢化などにより、安定供給リスクが高まっています。このため、海外・国内の新たな採種地の開拓や、国内採種技術、種子保管技術などの開発・実証を支援するものです。
主な支援対象は、海外の新規採種地調査・栽培適性試験、国内の新規採種地調査・試験、効率的な採種技術の開発・実証、新規採種者への研修、種子の長期保管技術や種子伝染性病害の防除技術の開発・実証です。
株式会社も一定の条件を満たせば応募対象になり得るため、種苗販売店や農業資材販売会社でも、実際に採種・試験・技術実証などに取り組む事業計画があれば対象となる可能性があります。 一方、通常の商品仕入れ、販売在庫の確保、店舗設備の更新などを補助する制度ではありません。
補助金額は1事業者当たり1,200万円以内。多くの取組は定額補助ですが、国内採種技術開発・実証に使用する生産資材については1/2以内となっています。採種に必要なパイプハウス、マルチ、アグリシート、誘引テープ、種苗なども対象経費として示されています。
公募期限は2026年10月8日(木)17時必着で、管轄する地方農政局等へ電子メールで申請します。
この制度で販売店に現実的に関係しそうなのは、単なる「種子の販売」ではなく、例えば種苗会社・採種農家・生産者と連携して、地域内で新たな採種産地をつくる、採種用ハウスや資材を使った実証を行う、採種技術の研修・普及に関わるといったケースです。
逆に、
「種を仕入れる費用が補助される」
「販売店の種子在庫を増やすための補助金」
「パイプハウスなど農業資材を購入するだけで補助対象になる」
という理解は誤りです。採種・種子安定供給に直接結び付く事業として申請することが前提です。