
胚培養(はいばいよう)
鉢増しの概要
鉢増しは、主に育苗や鉢植え栽培で用いられる技術で、根詰まりや生育の停滞を防ぎ、植物にとってより快適な環境を与えるために行われます。鉢増しのタイミングは、鉢底から根が出てきたり、水やりの後にすぐ乾くようになったときが目安とされます。一般にひとまわり大きな鉢(直径で2~3cm大きい程度)に植え替え、新しい用土を補充することで根がさらに広がるスペースが確保されます。
鉢増しの詳細説明
- 実施の時期:春や秋など、植物が活発に生育する時期が適しています。真夏や真冬などの極端な気温の時期は避けましょう。
- 使用する用土:元の鉢の土と性質を合わせることが望ましく、水はけがよく、有機質に富んだ培養土がよく使われます。
- 作業手順:
- 植え替える前に植物に水を与えておく。
- 現在の鉢から丁寧に株を抜き、古い根や枯れた葉を取り除く。
- 新しい鉢に底石を敷き、新しい土を少し入れてから株を配置する。
- 根の隙間に土を入れながら軽く押さえ、水をたっぷり与える。
鉢増しの役割
鉢増しには、以下のような役割があります。
- 根の発達促進:新しい鉢で根がさらに広がりやすくなり、植物の吸水・吸養能力が向上します。
- 生育の安定:根詰まりを回避することで、葉や茎の成長がスムーズになり、病害への抵抗性も高まります。
- 生産性向上:トマトやナスなどの果菜類では、最終的な果実の大きさや収穫量にも影響します。
鉢増しの課題とその対策
課題①:根を傷めるリスク
鉢から抜き取る際や植え替え時に根を傷つけると、生育が一時的に止まることがあります。
対策:植え替えは土がやや湿っている状態で行い、丁寧に根鉢を崩さずに作業するのが基本です。
課題②:過湿による根腐れ
鉢増し後に排水の悪い土を使うと、水が停滞し根腐れの原因になります。
対策:鉢底に軽石などを敷き、水はけの良い用土を使用し、適度な水管理を心がけましょう。
課題③:生育環境の急変
急に大きな鉢に変えると、根が環境に適応しにくくなり、水分バランスが崩れることがあります。
対策:ひとまわり大きい程度の鉢を選び、段階的にサイズアップしていくことが理想です。