膨圧(ぼうあつ)

膨圧(ぼうあつ)
膨圧(ぼうあつ)

膨圧(ぼうあつ)とは、植物細胞が外部から水を取り込むことにより細胞の内部に生じる圧力であり、細胞壁を内側から押し広げる力のことを指します。

これは植物の生理的活動において重要な役割を果たしており、細胞の構造維持、成長、運動、そして環境への反応性を支える基本的な仕組みとなっています。

この膨圧は、植物細胞が水を吸収することで内部の水ポテンシャルが変化し、原形質(げんけいしつ)が細胞壁に圧をかける現象であり、数気圧から十数気圧という高い圧力が発生します。

同意語としては「細胞内圧」「張り圧」などが使われます。

膨圧の概要

植物が水を吸収すると、浸透(しんとう)作用によって水は細胞内に流れ込み、細胞質が膨張します。動物細胞とは異なり、植物細胞には硬い細胞壁があるため、細胞は破裂せずにこの水圧を利用して形を維持したり、成長したりすることができます。この内圧こそが「膨圧」です。

膨圧の詳細説明

  • 浸透圧との関係
    膨圧は、細胞内外の水ポテンシャルの差によって発生します。高張液(こうちょうえき)など外部の浸透圧が高すぎる場合、水が逆流し、膨圧が低下することもあります。

  • 孔辺(こうへん)細胞と気孔
    気孔の開閉は孔辺細胞の膨圧変化によって制御されます。カリウムイオン(K⁺)の流入により細胞が水を吸収し、膨圧が上がると気孔が開きます。

  • オジギソウなどの運動
    膨圧の変化により、葉が閉じたり開いたりする植物の運動(就眠運動)も生じます。これは原形質分離(げんけいしつぶんり)や細胞浸透調整が関与します。

膨圧の役目・メリット

  1. 細胞の形の維持
    膨圧は植物細胞の張りを保つ役割を持ち、枯れずに立ち上がるための物理的な支柱のような働きをします。

  2. 成長と伸長
    細胞壁が一部緩むと、膨圧によりその部分が伸び、植物体全体の成長に繋がります。

  3. 環境応答
    水ストレスや高温・乾燥などの環境変化にも膨圧の調節によって対応します。

膨圧に関する課題とその対策

課題1:乾燥環境下での膨圧低下

土壌水分が不足すると、水分吸収が難しくなり、膨圧が低下して植物が萎(しお)れる。
対策:適切な灌水管理とマルチングの活用により、水分保持を高める。

課題2:高張液による原形質分離

肥料過多や土壌塩分の蓄積により外部の浸透圧が高まると、水が細胞外に流出し膨圧が消失する。
対策:塩類集積を防ぐための定期的な土壌洗浄と、適正な施肥管理を行う。

課題3:病害による水分供給の阻害

導管の閉塞や根腐などが原因で水が吸収できなくなると、膨圧が維持できなくなる。
対策:排水性のよい土壌構造を整え、連作障害を防ぐ輪作土壌を実施する。

 

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