市場手数料(しじょうてすうりょう)

市場手数料(しじょうてすうりょう)
市場手数料(しじょうてすうりょう)とは、卸売市場での委託販売に伴い差し引かれる手数料の総称です。

市場手数料(しじょうてすうりょう)とは、卸売市場などで農産物を販売する過程で発生する費用のうち、主に販売を委託した先(卸売業者など)に支払う手数料を指して用いられる呼び方です。

現場では「販売価格の○%」のように語られがちですが、実務では誰に・何の対価として・どの基準額に対して差し引かれるのかを分けて理解しないと、手取り見込みを誤ります。

同意語としては「取引手数料」が用いられることがありますが、用語の使い方は取引主体や地域で揺れます。

市場手数料・委託手数料・諸掛(しょがかり)の違い(簡易整理)

  • 市場手数料:卸売市場での販売に伴い差し引かれる費用の総称として使われやすい/必ずしも「1つの固定項目」や「全国共通の率」を意味しない
  • 委託手数料:販売委託というサービスの対価として、卸売業者などに支払う手数料/運賃や荷扱いなどの実費を自動的に含むとは限らない
  • 諸掛(しょがかり):運賃・荷扱い・包装資材など、手数料とは別に計上されることがある実費・付随費用のまとめ呼称/「手数料率」だけを見て判断できる領域ではない

市場手数料の概要

市場手数料は、卸売市場などで農産物を販売する際に、出荷者の売上から差し引かれる費用として理解されます。多くの現場説明では「販売価格の8〜10%」のように表現されますが、これは品目、取引形態(委託か買付か)、市場・卸売業者の条件、別建て費用の有無で変動し、固定の標準値として断定できません。

また、農産物(モノ)の税率と、販売委託などのサービス(役務)の税率は同一とは限らず、仕切計算では税の区分が手取りに影響します。税率や計算基準が明記されていない説明は、実務の検算に使えません。

札幌市中央卸売市場札幌市中央卸売市場

市場手数料の詳細説明

市場手数料という言葉は、出荷者側の会話では便利ですが、仕切(しきり)の中身を曖昧にしやすい用語です。実務で重要なのは、仕切書に並ぶ控除項目を「手数料(サービス対価)」と「実費・付随費用(諸掛)」に分け、さらに税の対象と税率を分離して読むことです。

特に、委託販売では「委託手数料」が差し引かれ、これが市場手数料の中心として扱われがちです。一方で、運賃・荷扱い・包装資材などが別建てで計上される場合、手数料率だけで出荷先の有利不利を判断すると、手取りが逆転することがあります。

計算で必ず確認すべき前提(断定不能な部分)

  • 基準額:手数料率が「税抜の卸値」に掛かるのか、「税込」や「別の基準」に掛かるのかは条件により変動します。判断不能な場合は、仕切書の計算式または規程の確認が必要です。
  • 取引形態:委託販売か買付(かいつけ)かで、手数料の位置づけが変わります。委託を前提にした説明を買付に当てはめるのは不適切です。
  • 別建て費用:運賃・荷扱い・包装資材などが手数料に含まれるか、別項目かは条件により変動します。控除の合計額で比較する必要があります。
  • 税の区分:農産物(モノ)と委託手数料(サービス)の税率が同一とは限りません。税率や課税区分は取引条件で変わり得るため、仕切書の税区分欄の確認が必要です。

参考:手取りを見積もる計算の考え方(例)

ここでは、誤解を避けるために仮定条件を固定した例を示します。実際の条件が異なる場合は成立しません。

仮定:卸値(税抜)30,000円、委託手数料率8.5%、別建て費用なし、農産物は軽減税率8%、委託手数料は標準税率10%として扱われる条件。

  • 農産物(モノ)の消費税:30,000円 × 8% = 2,400円(これはモノの税であり、手数料計算の基準が税込とは限りません)
  • 委託手数料(税抜):30,000円 × 8.5% = 2,550円
  • 委託手数料の消費税:2,550円 × 10% = 255円
  • 手取り見込み(別建て費用なしの例):30,000円 − 2,550円 − 255円 = 27,195円

この例の目的は、数値の正しさを保証することではなく、「モノの税」と「サービスの税」と「控除項目」を分離して検算する手順を示すことです。条件が不明な場合は判断不能です。

市場手数料の役割またはメリットと課題

  • 役割:委託販売や価格形成、代金回収などの業務を成立させるための費用として機能します。
  • メリット:出荷者が個別に販路開拓・代金回収・取引管理を行わずに流通に乗せられる場合があります。
  • 課題:手数料率だけで判断すると、別建て費用や税区分を見落として手取り見込みが外れます。比較は控除合計と条件の一致で行う必要があります。

典型的な誤りと、正しい判断の考え方

  • 誤り1:市場手数料は「販売価格の8〜10%で固定」と扱う
    なぜ間違いか:手数料率や控除構成は品目・市場・取引形態・別建て費用の有無で変動し、固定できません。
    誤解されやすい理由:「相場感の数字」が便利で、条件差が省略されやすいからです。
    正しい考え方:率は参考に留め、仕切書の控除項目と計算基準で判断します。
  • 誤り2:手数料率だけで出荷先の有利不利を決める
    なぜ間違いか:運賃・荷扱い・包装資材などが別建ての場合、率が低くても控除合計が高いことがあります。
    誤解されやすい理由:率は比較しやすい一方、諸掛は見えにくく、合算しないと実態が分からないからです。
    正しい考え方:比較単位は控除合計(手数料+諸掛+税)とし、同条件で検算します。
  • 誤り3:税込・税抜や税率の区分を省略して計算する
    なぜ間違いか:モノとサービスで税率が同一とは限らず、基準額が税抜か税込かで結果が変わります。
    誤解されやすい理由:同じ仕切書に税が並び、税率の違いが埋もれやすいからです。
    正しい考え方:基準額(税抜/税込)と税区分を先に確定し、分解して計算します。
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