フロアブル剤

フロアブル剤
フロアブル剤とは、水に溶けにくい農薬有効成分を微粒子として水中に分散(懸濁)させた液体ベースの製剤です。

フロアブル剤とは

フロアブル剤(ふろあぶるざい)とは、水に溶けにくい農薬有効成分を微細な粒子として水中に分散(懸濁)させた、液体ベースの農薬製剤です。

粉剤や水和剤のような粉立ちが起きにくく、計量と希釈が比較的しやすいことから、殺虫剤・殺菌剤・除草剤などで広く採用されています。

一方で「液体だから均一に効くはず」と油断すると、沈殿(ちんでん)・撹拌(かくはん)不足・ノズル詰まりなどの基本事故で効果ムラや薬害を招きます。扱いやすさの裏側に、守るべき作法がある剤型です。

同意語としては「懸濁(けんだく)剤」「サスペンション剤」などが用いられ、表示や技術資料ではSC(Suspension Concentrate)と表記されることもあります。

フロアブル剤の概要

フロアブル剤は、有効成分を微粉化し、水と分散剤・増粘剤などで「沈みにくい状態」に設計した製剤です。見た目は乳白色〜不透明の液体で、使用時は水で希釈して散布します。

粉立ちが少ないため吸入リスクを下げやすく、計量・投入・洗浄が比較的スムーズです。ただし「沈殿しない」ではなく「沈殿しにくい」ため、使用前後の撹拌が品質を左右します。

用途は水稲の除草、野菜・果樹の病害虫防除など幅広く、現場では扱いやすい主力剤型の一つです。

フロアブル剤の詳細説明

フロアブル剤の要点は「固体の有効成分を、液体の中に均一に分散させておく」ことです。したがって、容器内で分離や沈殿が起きると、上澄みは薄く、底は濃い状態になり、希釈タンクに入れた瞬間から濃度ムラの原因になります。

また、粒子が非常に細かい一方で、ノズルやフィルターの目の条件によっては詰まりを誘発します。特に低水量散布や微細霧のノズル運用では、ろ過・撹拌・希釈手順の丁寧さが結果に直結します。

混用面でも事故が起きやすい剤型です。たとえば、先にフロアブル剤を原液のまま投入してダマ化させたり、展着剤の種類によって泡立ちや分散不良を誘発したりします。ラベルの混用可否と、投入順序の基本を守るのが最優先です。

さらに、沈殿したまま放置した製剤は「振れば戻る」と思い込みがちですが、長期放置で硬く締まった沈殿は再分散しにくい場合があります。具体的には、十分に振とうしても容器底に固まりが残る、ダマが崩れないといった状態では注意が必要です。保管温度と使用期限を軽視すると、性能低下や機器トラブルの温床になります。

フロアブル剤の役割

  • 作業性の向上:粉立ちが少なく、計量・投入・希釈が比較的行いやすい。
  • 安定した散布品質の実現:適切に撹拌すれば、散布液の濃度を均一に保ちやすい。
  • 幅広い用途への適合:殺虫・殺菌・除草など多様な目的で採用され、作物も幅広い。

フロアブル剤と水和剤・乳剤の関係

フロアブル剤は「水に溶けない成分を、粉ではなく液体として扱えるようにした剤型」です。水和剤と同様に“水に溶けない粒子を水に分散させる”点は共通しますが、水和剤は粉体であるのに対し、フロアブル剤は液体中に粒子を懸濁(けんだく)させた製品です。

一方、乳剤は“油に溶ける成分を乳化させる”考え方が中心で、フロアブル剤とは分散の仕組みが異なります。ここを混同すると、混用や投入順序で事故が起きます。剤型は「見た目」ではなく「中身の状態」で理解してください。

フロアブル剤が効きすぎた場合の考え方

フロアブル剤で「効きすぎ」が起きる典型は、希釈倍率の誤り、撹拌不足による局所高濃度、散布ムラ、気象条件不適合です。

対応は原則として「被害を拡大させない」ことが最優先で、追加散布の中止、散布履歴の記録、症状の分布確認が先です。洗い流し等の可否は作物・薬剤・タイミングで変わるため、製品ラベルとメーカー資料に従い、全面対応の前に小区で確認する以外に安全策はありません。

フロアブル剤使用時に誤解されやすいポイント

フロアブル剤は「液体=均一で安全」という誤解が多い剤型です。実際は“固体粒子の分散液”なので、撹拌が止まれば沈殿し、沈殿すれば濃度ムラが生まれます。

また「とりあえず先に入れる」「振らなくても薄めれば混ざる」といった雑な手順が、効果不足と薬害の両方を同時に呼び込みます。扱いやすいからこそ、基本手順を省略しないことが重要です。

補足:フロアブル剤は“溶けている”のではなく“浮いている”製剤です

フロアブル剤は有効成分が水に溶解しているのではなく、微粒子として液体中に懸濁(分散)している状態です。したがって、撹拌の質が薬効の質です。

現場での事故防止は、投入順序・撹拌の継続・フィルター管理・散布後の洗浄の4点でほぼ決まります。逆に言えば、ここを甘く見ると剤型のメリットを自分で潰します。

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