ウリハムシ(うりはむし)

ウリハムシ(うりはむし)
ウリハムシ(うりはむし)とは、ウリ科作物の葉や根を加害する代表的な害虫

ウリハムシ(うりはむし)とは、ウリ科の作物に大きな被害を与えるハムシ科の小型甲虫で、主にキュウリ・スイカ・カボチャなどを加害します。

成虫は葉や茎を食べ、幼虫は地中の根を食害するため、作物全体の生育に深刻な影響を与えます。体長は5~10mm程度で、黄褐色や橙色の光沢ある体に黒い斑点を持つのが特徴です。

ウリハムシは、気温の上昇とともに活動が活発化し、4月中旬~10月にかけて畑に出現します。とくに苗の活着期や初期生育期に被害を受けると、作物の生長が著しく阻害されることから、注意が必要です。

同意語としては「ウリハムシモドキ」「ウリ類害虫」などがあります。

ウリハムシの概要

  • 分類:昆虫綱 コウチュウ目 ハムシ科
  • 活動時期:主に4月~10月(地域差あり)
  • 形態:体長約5~10mm、黄橙色に黒い斑点
  • 発生環境:ウリ科作物の露地栽培やトンネル栽培圃場

キュウリの葉をたべるウリハムシ

キュウリの葉をたべるウリハムシ

ウリハムシの詳細説明

ウリハムシの成虫はウリ科作物の葉をかじるようにして穿孔(せんこう)しながら摂食します。被害が進むと葉の光合成能力が著しく低下し、作物の生育全体に悪影響を及ぼします。果実ができる前段階でダメージを受けることで、収穫量や果実の品質が低下するリスクが高まります。

幼虫は産卵後にふ化し、地中に潜って根部を食害します。根の吸収力が落ちることで、生育不良や枯死を招く場合もあります。また、成虫はウイルス病の媒介者ともなり得るため、病害と連動した複合被害の危険性もあります。

特に、スイカやキュウリなどの露地栽培においては、初期の苗が柔らかく、ウリハムシの加害を受けやすいため、植え付け直後からの予防策が重要とされます。

ウリハムシの課題と対策

  • 成虫による葉の食害
    成虫は主に若葉を狙い、穴をあけながら摂食します。特に初期の苗に集中する傾向があり、生育に著しい影響を及ぼします。
    対策:黄色粘着トラップの設置や、定植直後の防虫ネットの活用が効果的です。成虫の出現時期を予測し、早めの対応を徹底します。

  • 幼虫による根の食害
    地中でふ化した幼虫が根を加害するため、外見からは分かりづらく、被害発見が遅れがちです。
    対策:あらかじめ粒剤タイプの殺虫剤(例:オルトラン)を植穴に施用しておくと、発生初期の幼虫対策として有効です。

  • ウイルス病の媒介
    ウリハムシは、ウリ類に深刻な被害をもたらすウイルス(例:ズッキーニ黄化モザイク病)を媒介する場合があり、被害が拡大します。
    対策:周囲の除草、作付けローテーション、発病株の速やかな除去といった圃場衛生管理を徹底する必要があります。

補足情報

  • トラップの活用
    黄色が好まれる性質を利用して、黄色粘着板や銀テープを設置する方法が普及

  • 天敵利用
    ウリハムシを捕食する昆虫類(例:クモ類、寄生バチ)も自然防除の一助となる

  • 防除薬剤の選定
    有効成分の異なる薬剤をローテーション使用することで薬剤抵抗性の発生を抑制

ウリハムシは農業生産者にとって極めて重要な害虫のひとつであり、適切な予察と初期対応が収量と品質の安定化に直結します。農薬に過度に依存せず、物理的・環境的・生物的対策を組み合わせる総合的防除(IPM)の導入が推奨されます。

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